つづき。
突然やってきたそれについて。
その前後のことはあまり思い出せないので、Sくんにさっき聞いてみたら、こんな顛末だった。
『んーと、倒れたのは30km手前だと思うよ~
公園過ぎからフラフラしはじめて、2回目のトイレ出て1、2km間で足に力入らないって言ってペースが6:30/kmくらいに落ちておかしいなと思ったら気を失った感じ。
抱き抱えて数回頬を叩いたらすぐ意識は取り戻したんだけど支えられて何とか立てている状況で
すぐ近くのスタッフさんに言って救護所に連絡してもらってたら、続々とメディカルランナーの方々が集まりって感じかな
最初縁石の所に座らせてたんだけど、歩くとか走るとか言って立つも無理で、もっかい座らせて休ませたんだけど、再度歩いたらやっぱり駄目で、歩道に寝かせて脈拍測ったり、水分補給してしばらく休んだ後に両脇を抱えつつ救護所へ
関係ないけど最初にきてくれたメディカルランナーさんめっちゃイケメンだったww』
だ、そうです。
トイレから出て走ったのは覚えてる。
熱いなぁ、と思い始めて手指がしびれてシューズの中が熱かったのも記憶にある。
目の前がチカチカしていた記憶もなんとなくある。
イケメンのメディカルランナーさんの記憶はない。
あと記憶にあるのは、確か休もうと言われているのにも関わらず、
『いやだ!走れます!』
『大丈夫です!』
『走らせてください!』
と、懇願していたこと。
泣きじゃくって、いやだ~、走る~!
どうしてもゴールしたい、どうしても完走したい、走りたいと駄々っ子のように訴えていたのは記憶している。
OS1や緑茶を渡されて『走りたいなら、これを飲まないとだめだよ』
『せめて救護所で休んでからでないと、許可できない』
と、言われたのも記憶しています。
顔も髪も汗と涙でぐちゃぐちゃで、悔しくて涙が止まらなくて、Sくんにも申し訳なくて、『わたしのことはいいから、先に行って』とも確か言った。
でも、ずっと付き添ってくれた。
情けない。
あんなに調子のよかったわたしはどこに行ってしまったんだろう。
また走れるの?
ぐるぐる駆け巡る。
何度も涙が溢れてきた。
路肩で休んで、救護所に移動して休むこと40~50分。
起き上がれるようになってきたし、水分もだいぶ採った。
ゴールを目指したくなった。
Sくんに走りたい、と伝えた。
お医者さんや看護師さんと話し合って、救護所から出て折り返しがあるから、そこを折り返してまた戻ってくるまでに大体2km。歩いてみて、様子をみてごらん、と言われた。
そうしてまた救護所から、コースに復帰した。
Sくんはぺーサーから、サポーターになってくれた。汗が冷えて寒いな…と呟いたらすかさずウィンドブレーカーを貸してくれ、それを羽織って出発。
ゆっくり歩き出す。のどかだね~とか言いながら歩く。
多分、リラックスさせようと一生懸命だったと思う。
そうしてまた元の救護所にたどり着く。
足取りもしっかりしてきたので、このペースなら大丈夫かも?と看護師さんに伝えて、お礼を言って救護所を後にした。
くれぐれも無理をしないように!と。
救護所を過ぎたところのトイレにまた立ち寄る。
ここで最高潮にお腹をこわした。
(きたなくてごめんなさい)
水分を採ったらまたきゅるっとなりそうだったけれど、OS1を少し飲んだ。
●31~35km【52'47】
ゆっくり歩いてすすむ。
あれだけ息巻いていける!と言っていただけに、本当に申し訳ないことをしてしまった。
完走タオル目指して行こう~と進む。
33kmあたりから、ちょっと走ってみた。ペースは上がらないけれど、走れる。
じゃあ、負担にならない程度に走ろうかということになり、㌔7分半くらいのペースで走り始める。
●36~40km【33'32】
走り始めてからは、周りのランナーをごぼう抜きにしていった。吊った脚のところが痛かったりもしたけれど、ダウンジョグのつもりでゆっくり行く。
途中、給水所があったがSくんが貰ってくれていたOS1を採っていく。
38kmあたりにコーラがあって、お腹が心配になったけれど、結局コーラを飲んだ。
とても美味しかった。
桜も満開でキレイだった。沿道の応援も復活していた。
もうとにかく楽しむ事だけを考えていた。
走れることに感謝した。
オールスポーツのカメラにも出来るだけ笑顔で応えた。
疲れとは裏腹に、ペースは少しずつ上がっていった。
つづく。