パージ:アナーキー(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

一作目よりオモローだけど一作目から観たほうがいい!
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あのパージの夜から1年。
またまたやってきたパージ。
今度はダウンタウン攻防戦だ!
いや、ちょっとマダム泣いちゃったよ!




エヴァはシングルマザー。
モテモテだけど、父親と娘を養わないといけないのでそれどころじゃない。
娘のカリは、「パージ法は間違っている」と訴えるカリスマ・カルメロに心酔中。

エヴァは父親の薬代のために疲弊するまで働いてはる。
それはカリも父親もわかってる。
わかってるから、余計「もうすぐ死ぬ自分のために薬なんぞいらぬ」と言っちゃうオトン。
「悲しいこと言うな」となるエヴァ。


パージ当日。
父親は娘と孫の前から姿を消し、
金のための贄になる道を選びます。

金持ちのパージ(娯楽で人殺しをする)の犠牲者になるオトン!


その哀しみも束の間、
隣りに住んでる変態オヤジが壁を破って部屋に突入してきやがった!
エヴァもカリも一緒にヤったらぁ!

ヒィィィとなる母娘。
そこに突入してきた武装軍にあえなく殺される隣人。
捕獲される母娘。


シェーンとリズのカポーは、別れる二人みたい。
パージが始まる前にスーパーで買い物してたら、見るからに…な奴らに軽く絡まれ、帰宅途中の道路で車が故障。

あ…あいつらがやりよったんや!



必死で逃げる二人。


夜の街を駆ける男レオ。
嫁とは離婚して今は男やもめ。
何らかのターゲットを追っている彼は、屈強な身体と精神力を持つ守護神。




レオは軍に捕まっているエヴァたちを見つけ無視しようとしますが、
すごく気持ちの優しい方なので、つい助けてしまっちゃった。
おまけに逃げてきたシェーンとリズも車に乗り込んできたー!


こうして奇妙な5人の逃走劇が始まります。
でも流石にボッコンボッコン攻撃されるのでレオの車も壊れたし。


エヴァは友人の家に逃げ込めばいいと提案。
何度も危険な目にあいながら、逃げ込んだ友人の家は雰囲気が変。


ここでも家族間闘争があり、家族で殺し合いです。
しかもエヴァは車があるみたいなこと言ってましたが、この家に車はありません。

チッとなるレオ。
そんな5人の前にヒャッハーな奴らが現れ、捕まってしまいます。


こいつらは、捕まえるだけで、
なんと、
金持ちの娯楽パーチーの贄として売りつける売人やった!


獲物として狩られる運命になった5人。
レオは、その身体能力を活かし、ブルジョワジーな奴らを返り討ちにします。
見物してるブルジョワジーたちも「ちょ、あかんのんちゃうん?」とざわつき始めました。


しかし、シェーンは撃たれて死んでしもうた!
運のないやつ、シェーン!!



そこへ、新たな軍勢登場!

敵か!
ちゃいました。
パージ法に反対しているレジスタンスの皆さんです。

一作目で助けられたあの黒人青年も、主要メンバーとして活躍!


彼らの助けを受け、
エヴァ、カリ、レオはその場を離脱。
リズだけは「復讐をする」とレジスタンスに加入することに。


レオは車を奪い、目的地に行こうとします。
実は彼は、息子を事故で失っていたのです。
歩道を歩いていた通学中の息子は、暴走車にはねられ死亡しました。
しかし犯人は、何故か無罪になりのうのうと今でも「普通の暮らし」をしてやがる。


だからこのパージの夜に、
「やつを殺す」


エヴァとカリは「そんなことやめとき!!」と説得しますが、
レオの気持ちは翻らない。


加害者の家に侵入し、銃口を向けるレオ。

……。

レオが家から出てきます。
その時!!
銃声が轟き、レオは血飛沫を上げて倒れこみました。


撃ったのは軍の人間。
レオは巡査部長。
「パージの裏の掟、誰も助けるなを守らなかったお前は粛清される。
この世界は、貧民や弱者を殺すことで、経済的に保たれているのだ。
本来もっともっと死なねばならない奴らがいる。
その追加分を我々が殺していってるんだ。

お前はルールを破った。
この世界に、ヒーローは要らない」


身動きできないレオ。
銃口が向けられ、止めが刺されるかと思ったその瞬間、
響く銃声。


レオを助けたのは、
加害者の男でした。
レオは、彼を殺していなかったのです。



パージ終了のサイレンが鳴り、
レオはエヴァとカリに支えられ、
加害者の運転する車で病院に担ぎ込まれます。


パージの夜はまたやってきます。
でもまだ、
悪魔に魂を売り渡していない人たちは大勢いて。
彼ら彼女らによって、人々は命を繋いでいくのかもしれない。

善良なる心によって。
きっと…。

       おしまい

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─



泣けました。

『パージ』→■
で、ご近所トラブルやん…と思ってたら、
アナーキーの方は社会問題を孕んでましたよ。

あの時助けられた青年が、
今度は別の人を助ける。


彼がレジスタンスに入るまでに何があったのか分からないけど、
チャーリーが救った命は、チャーリーの一家だけでなく、
他にも多くの人の命を救っていたのですね。


種を蒔き、花が咲く。


レオが生き延びられたのも、己の復讐心を乗り超えて加害者を助けたから。
そのおかげで彼もまた、助けられる。


犯罪が許されるということと、
娯楽で人を殺す(パージする)ことは別物やと思うんです。

『ホステル』→■ か!
『マーターズ』→■ か!

たった10万ドルで、身を投げ出したおじいちゃん。
その心中を慮ると…。



アテクシは、人間の本質は残酷で無慈悲なものだと思っています。
箍が外れたらなんでもする。
それが、生きるすべの一つだから。

でも、それを乗り越える理性や情をもつのも、
また人間だと思うのです。


屈強な肉体を誇る(レオは一応鍛えられてたけど)ヒーローだけがヒーローじゃない。
虐げられた人々も、
腕力のない人も、
女性も、
子供も。


すべての人が、
種を蒔く事はできるのです。


パージから逃れる手立ては、
パージが過ぎるのを身を屈めて待つことではなく、
罪も怨嗟も飲み込んで包み込んで、それでもなお、人を救おうとするその気持なんじゃないの?


モテモテだけどどことなく人生に倦み疲れていて、
カリのほうがしっかりしてるように見えたエヴァが、
最後の最後でしっかりして、
そういうのも含んで泣けました。


一作目を観て、そしてこちらを観てください。
ソッチのほうが絶対面白いから!!


今、アメリカ、あの人がグイグイ来てますが、
あの方が大統領になっちゃったら、
こういう世界になるんやろうか?とか思うと、
結構来るものがあったりして。

マッド・マックスか!という笑えるシーンもありましたが、
いやもう、人の生きる道、みたいなんを示唆してて、
マダム感動!
R-15 指定にしておくのが勿体無いくらい。
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