ハン・ゴンジュ 17歳の涙(ネタバレ) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

久々に胸糞悪い映画を観た。
ハン・ゴンジュ 17歳の涙 [DVD]/チョン・ウヒ,チョン・インソン,キム・ソヨン
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集団強姦事件に巻き込まれた被害者が、
まともに生きていこうとするのに、
それを周りの大人が邪魔をする…。
呪われろ!!




「悪いことは何もしていない」
だって彼女は被害者なのだから。


なのに学校は、彼女を放逐します。
ゴロゴロカートに荷物を詰め、逃げるように家を出て行くゴンジュ。

元担任教師が、ゴンジュを受け入れてくれる高校を捜すも難航。

やっと受け入れてくれる学校を見つけ、
とりあえず教師の母親の家に居候。
母親は、あまり彼女を歓迎していない様子。

「面倒事を押し付けて」
的な態度が見え見えですよ。


個人のスーパーを営んでいる先生の母親は、
忙しい時にゴンジュがレジを手伝ってくれたことから、
次第に彼女を受け入れるようになっていきます。


ゴンジュは新しい学校でも、友達も作らず孤立しています。
アカペラグループの女の子が、
ゴンジュの歌声をたまたま聴き、
その澄み切った歌声に惚れ、
ゴンジュをスカウト。





しつこいほどの勧誘に、戸惑い、拒絶するゴンジュですが、
やがて彼女はゴンジュの友人となるのでした。





ゴンジュは、実の母親に会いに行きますが、
「あては、再婚してますんや、
アンタのことは可哀想に思うけど、
あてのこと考えたら…、
もう来んといて

と言われます。

おんどりゃー!

ゴンジュは父親に会いますが、
なんかわけわからんうちにサインをさせられます。
それは示談の契約書でした。

おんどりゃー!

ゴンジュは、昔、
友人とともに集団暴行されていたのです。
友人は、自殺。



その傷をひた隠しにするゴンジュ。

しかし、アカペラ仲間がネットにゴンジュの画像をアップしてしまいます。
それを削除するように求めるゴンジュ。

事情を知らない仲間は「アンタのことを思ってやったことなのに、何その態度はよぅ!!」と、
怒りまくり。


ネットにアップされた画像を観た、加害者の親たちが、
ゴンジュの学校に押しかけ、
「示談にサインしろ」と詰め寄ります。



父親が、示談書を高額で売りつけていたことを知るゴンジュ。

おんどりゃー!

親たちは、自分の子供も助けろ!
無料で!!
ド厚かましい要求を押し付けて来ます。

おんどりゃー!


もはや学校も安全な場所ではなくなったゴンジュ。
友人たちは、彼女の過去を知り、ネットにアップされていた犯罪の映像を観て、涙しますが、
それ以上は何も出来ない。



教師の母親は、
「押しかけてくる親が悪い」
と一刀両断しますが、
その母親も、地元警察の所長と不倫関係にあり、
往来で正妻と大立ち回りをするような、一般論で言えば「よろしくない人」


ゴンジュは、ゴロゴロカートを持って、
先生の母親の家から出ていきます。


先生の母親は心配そうにも見えますが、
引き止めてくれない。


父も母も友人も、教師も、
周囲の大人の誰も彼女を助けてくれない。
手を差し伸べてもくれない。

大勢の男に嬲り者にされたのは、
そんなに「悪いこと」なのでしょうか?
彼女が誘惑したとでも言うのでしょうか?



ゴンジュは、
行き場も縋るべきものもなくし、
川に身を投じるのでした。

     おしまい




ううう、胸糞悪ぃ!

ゴンジュに落ち度はないわけですよ。
いじめられてる幼なじみを助けようと、
パーティを開いた友人。

やってきた男子高校生たちが、
調子こいて暴走し始めたんですよ。

実際に起こった事件を、
こういう映画にして、
「アカンやろ?な?アカンやろ?」
と言うしか無いんだとしたら、
この国って、女をバカにしすぎ。



全く感情がこもっていない画面。
ゴンジュに寄り添うわけでもなく、
庇うわけでもない。

クソ犯人やクソ親どもをを糾弾するわけでもない。

ただ、淡々と、
ゴンジュにこんなことが起きてます…と伝えるだけ。


韓国では、性的被害にあった人たちは、
肉体的にも精神的にも、
そしてその後の生活でも、
生き地獄を味わうのです。


だから、そういう映画も多く作られます。

『トガニ 幼き瞳の告発』→■
『ソウォン/願い』→■


どちらも、辛く重い映画です。

しかし、『トガニ』では、先生たちが、
『ソウォン』では両親や友人が、
被害者を守り通してくれます。
被害者のために戦ってくれます。


ところが、この映画ではどうでしょう。
性的被害にあった女の子を、
誰一人守ってくれないのですよ!
守るどころか追い詰めていく。



どないなっとんねん!

なんでも43人もの男たちに、
暴行されたとか。

氏ね、ケダモノ氏ね!

こういう時こそ、ゾンビになって復活して殺し回ったり、
お化けになって出てくるべきではないのか!

ヤラレ損か!
そうなんです。
こいつら、一応捕まりますけど、すぐ出てくるんです。
未成年だし。


なのに「うちの子誕生日なんだから、示談にして」とか。
アホかーーー!
しばき倒したってエエですか?


ものすごく、突き放した撮り方をしてるので、
入り込んで泣くとか、
そういうのはないです。
救いもないし。


でも、
ふつふつと湧き上がるこの怒り…。

犯人たちだけじゃなく、
犯人の親にも、
ゴンジュの親にも、
学校にも、

おんどりゃー!

そして、映画でないと告発も出来ひんのか、
…な、彼の国の、
女性蔑視に、

おんどりゃー!
もう色々アカンで、おめーら!
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