- ロスト・メモリー [DVD]/ミナ・タンデル,ラウラ・デ・ベーア,カタリナ・タルバッハ
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偶然、昔の友人クラリッサに再会したハンナは、
クラリッサの提案で、かつて友好を温めあってた島に旅行。
しかしその島では、昔一人の少女が行方不明になっていたのでした…。
女医として忙しく働くハンナは、金と名誉はあるけれど、旦那の浮気にちょっと悩み中。
旦那はハンナのご機嫌を取りますが「そんなことでウカウカ騙されるアチシだと思うんじゃねぇぇー」な気持ち。
そんなある日、睡眠薬の飲み過ぎによる急患で担ぎ込まれたモデルが、
かつての大親友クラリッサであることに気づくハンナ。
「クラリッサちゃ~~~ん」
「なつかしすよ、ハンナちゃ~~ん」
二人は、大人になっても意気投合、クラリッサの提案で昔住んでいた孤島に旅行することに。
ハンナは娘のレアを連れ、ヴァカンスに心ウキウキ。
管理人のおっさんが不気味だけれど、レアも喜んでるし来てよかった。
でも、アレ?
マリア…マリアって名前が浮かんでくる。
マリアって誰よ?
記憶の糸がほどけていくハンナ。
魚屋のおばちゃんは、最初こそ愛想いいものの、何か心に秘めてそう。
そしてドイツ人はみんな器用だと思ってたのに、
何でそんな魚グチャグチャにしてしまうん?というくらい包丁の扱いが下手。
クラリッサとレアは日毎に仲良くなっていきます。
それと同じくしてハンナには、マリアの記憶が蘇ってくるのです。
屋敷の中に現れる、少女の影。
もしかしてマリア?
悩むハンナは、旦那に連絡を取りますが全く連絡がつかず。
もう、うち、帰る!と帰る準備をしますが、船の持ち主に船が故障してちょっと今日は動かせへん…と言われてしまいます。
その船の持ち主(魚屋の息子)は殺されてしまいました。
ありゃー!
ハンナは思い出して行きます。
自分とクラリッサが、マリアを死なせてしまったかもしれないことを。
当時、マリアにとってハンナは唯一無二の友人で、
「一生仲良しだもんね~ウチラ!」
と誓った仲なのに、ハンナはクラリッサが来た途端マリアを無視。
それでも仲良くしたいマリアは、ハンナたちの言うことを真に受け、ハンナの無茶ぶりに応えようとした挙句、深い穴の中に落ちてしまうのです。
助けを求めるマリアを捨て置き逃げ去るハンナとクラリッサ。
お…お前らーー!
マリアのことを記憶から消すとか、どういうこっちゃねん?と思いますよね。
いくら物忘れが激しいアテクシでも、
そこまで忘れっぽくないし!
レアがさらわれ、ハンナが探すと管理人のおっちゃんとクラリッサが戦ってます。
クラリッサを助けるために斧を振り下ろすハンナ。
ハンナは、ついに真相を知ります。
クラリッサこそ、あの時のマリアっだったのでした。
魚屋のおばちゃんはマリアの母。
暗い穴の中で限界まで耐えたマリアは、精神を病んでしまい、人並みの青春も謳歌出来ず後遺症に苦しみます。
精神病院の中で陵辱され子供を産んだマリアは、
自分の娘をマリアに仕立て上げ、家の中を徘徊させていたのでした。
もちろん本当のクラリッサは、すでにこの世にはいません…。
マリアは、ハンナに真実を告げ、レアのいる穴の底へと落としてしまうのでした…。
ここに至っても、ハンナ可哀想という気、微塵も起こらず。
自業自得やんと思うばかりよ!
次にハンナが気づくと、そこは病院。
旦那の口から恐るべき事実が!
ハンナが管理人を殺し、レアを道連れに心中を図り、クラリッサ(マリア)がそれを助けだした恩人ということになっているやありませんか。
「おどりゃー、マリアー!ワレー!」
と大暴れするハンナですが、まわりは気が触れたとしか思ってません。
マリアは、ハンナの元旦那に取り入り、ちゃっかり妻としての立場に収まっていました。
マリアの新しい家庭は一見幸せで平和そう。
しかし、レアは…。
暗く怒りに満ちた眼で、淡々とお絵描きをしているのでした…。
おしまい
ドイツ発サスペンス。
ホラーというほどグロくありませんが、このネタはキツイ。
マリアにとってハンナは本当にたった一人の友人だったのに、
ハンナの手のひら返しのつれない態度!
女の友情ってなんて脆い!!
子供時代のハンナのイケズそうなこと!
マリアは逆に貧素で、貧しい村の子という雰囲気プンプン。
でも女の子ってこんなもんだってーのがわかるから、キツイなーと…。
マリアもずっと復讐することだけを考えて生きてきたのだとしたら、なんとも哀しい人生ではないですか。
マリアの娘も可哀想。
クラリッサ=マリアなのは、ミステリファンには早い段階でわかるかも。
それでも、子供時代のマリアの心境を思い馳せると、切なくて哀れで、マリアがこうなっても仕方ないのかなぁ…と思ってしまいます。
なにより、ハンナ!
しでかしたことをすっからコーンと忘れ去り(そんな都合よく忘れられるものなのか?)、
マリアのことを思い出しても、謝ることすら無く、
悪い事をしたのは認めますけど娘のレアには関係ないんちゃいますのんか!アァーッ??
…な態度なのは、どうなんやろうか?
バカなりに友情を育んで、雷兄弟じゃよ~と言ってた、
テッド→■
の対極にある作品かもしれません。
最後に見せたレアの意味ありげな表情。
負の連鎖が、これからも続いていくのかなぁ…と思うと気が重い。
なかなか良く出来たミステリ。
ただし男の人には、女の友情とか友だち関係とか、その辺の微妙な感覚がわかんないだろうから、
深読みできないと退屈かもです。
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