脳男(ネタバレあり) | 映画でもどうどす?

映画でもどうどす?

映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

ノウゲルゲティックな話かと思ったら違いました。
脳男 [DVD]/生田斗真,松雪泰子,二階堂ふみ
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連続爆弾魔が、あっちこっちでボーンボーンしてるYO。
捕まった男は、ちょっと変だYO。
松雪女医と江口刑事が、事件に挑むけど、
正直言って君ら足手まとい!

どこのゆるキャラやねん!!


精神科医の鷲谷真梨子が、バスに乗りそこねたら、そのバスがドカーンとしてしまいました。
真梨子ビックリドッキリ( ̄□ ̄;)!!

無差別連続爆弾魔の仕業です。

刑事の茶屋は、捜査の末、アジトと思われる場所に乗り込みますが、
そこが爆発。
その爆発現場にいた男を確保します。

彼は、鈴木一郎と名乗りますが、ちょっと普通じゃない感じ。
爆弾事件についても全く口を割らないし。
そこで茶屋は、精神科医の鷲谷に鑑定を依頼。




茶屋と鷲谷の調査で、鈴木一郎は仮の名。
本名は入陶大威(いりす たけきみ)。
感情を持たない天才であることが判明します。

大威は、亡き祖父の「正義の為には殺人してもいイイんだよ~っていうか、殺せ!そんなクソども殺しちゃいなYO」と言う命令に従い、人道を外れる鬼畜共には容赦無い裁きを与えていた模様。

大威は、爆破犯が緑川という人物だったことを突き止め、
緑川と彼女を崇拝して止まない水沢を殺しに来ていたのでした。

茶屋、ようやく察します。
「あれ?ぼくたん、間違えてたかも~。大威は爆弾犯じゃないかも~」
わかった頃には遅いわー。


鷲谷の勤務している病院は、爆破テロの標的にされ、あっちこっちでドッカンドッカン。
鷲谷は緑川に捕まり、爆弾を体に巻き付けられピンチ。
「こんなことしてなんになるのー」攻撃をかけますが全く1ダメージも与えられません。
茶屋の部下も、爆弾を体に巻き付けられ、死んじまいました。

ムキー!ユルスマジ緑川ムキー!となる茶屋。

一方大威は、地下駐車場で緑川と対決。
…というか一方的に車に轢かれてるだけにしか見えないよ~~?

鷲谷がサイドブレーキを引き、スピンして駐車中の車にぶつかる緑川の車。
ボロボロになりながらも立ち上がり、緑川を殺そうとする大威。

爆破スイッチを押そうとする緑川。
その時茶屋の銃弾が緑川の命を奪います。
何発も何発も銃弾を撃ちこむ茶屋。


大威は姿を消しますが、
ある日鷲谷の元に、鷲谷が誠心誠意を尽くして再起に力添えし、ようやく刑期を終えて出所したばかりの犯罪者・志村(自分の弟を殺した張本人)を殺します…、
という殺人予告メールが届きます。

慌てて志村の家に行くと、志村はすでに事切れており、
風呂場には志村に監禁されたと思われる男の子が…!

鷲谷は、自分の信念が揺らぐのを感じながら、
大威に思いを馳せるのでした。


おしまい



ちょっとグロいシーンが有りますのでご注意下さい。
大威が、同じ刑務所に収監されている犯罪者に突然襲いかかり、おめんたまを抉り出すシーンとか、
緑川が舌をちょん切るシーンとか、

グロ慣れしてない人にはヒィィ…かもですが、
おめんたまは、気がついたらおめんたまが抉られてた…という程度なので、
さほど心配には及びません。


それよりも全体的に漂う、この「惜しい」感はなんなのでしょう。

面白くないわけではないのです。
頑張ってるなぁとは思うのです。
ただその頑張りがちょっと…ずれてる?


ある種の超天才であり、且つ殺人マシーンでもある、鈴木一郎を、
生田斗真くんは上手く演じてました。



アームストロング・オズマが、野球ロボットなら←若い子は知らんか?
鈴木一郎は殺人ロボット。



そんな鈴木一郎こと大威が、その超人的な身体能力と頭脳を駆使して緑川を追い詰めるのかと思ったら、
逆に緑川に追い詰められてるやん~、みたいな…。


茶屋「爆発物は撤去したったわ!」(自信満々)
緑川「それがどないしてん?フン」(鼻で笑われる)
爆発物処理係「爆発物処理しました…ってあれ?」ドカーーン!!
茶屋「何ィッ?」
警察完全におちょくられてますやん。


あと、「何ぃ?」っと来たら、どうしてもHKを思い出すので、
「何ぃ?」の使用禁止!!




緑川も、またある種の天才なんですが、
イマドキ…イマドキ、 ( ゚∀゚)・;'.、グハッ!!吐血、実は末期癌…って!!
無いわ~~、それ、無いわ~~!
サイコで親殺しで、癌で百合って…!!
無いわ~~!それ、無いわ~~!!




共に常人とは違う立ち位置にいながら、
犯罪者をターゲットとみなし、ただターゲットだけを殺していく大威と、
殺したいターゲットのためには一般人を巻き込むことにためらいのない緑川。

サイコな緑川に殉じる水沢と、
茶屋に殉じる部下の刑事(しょっちゅう爆発に巻き込まれてるので、ばくはつ五郎と命名)。

この対比構造は、ありがちなんですが面白い。
面白いんだけど水沢と緑川が、チンピラ小娘に見えちゃうのが…。いや、チンピラ小娘なんだけど、もうちょっとさぁ…凄みみたいなのが感じられたらもっと良かったのになー。


さてこの作品の、何がアカンと言って、
駐車場のシーンは完全に失敗だとアテクシは断言したい。
生身で車の前に出ていき、ただはねられるだけ。
何ぞ作戦があるのかと思えば何も無し。
大威が、なんの作戦もなく行動することはないと思うのですが…。
いくら痛みを感じない身体だからといって、
いやむしろ痛みを感じない分、慎重になるだろうし
ダメージを受ければ内蔵損傷することはわかるだろうし、
動けなくなったら任務(悪を殺す)完了できないんだから、
無策のまま、出て行くなんてありえないと思うんですよね。



ここがなんとなく、違和感を感じちゃった部分。

鷲谷のトンチンカンな「こんなことして何になるの!」も、うざかったのですが、
彼女は、ラストに自分の信じていたものを根底から覆されちゃうという悲劇に見舞われますよね。

このラスト辺はすごく好きなんです。
人の心の善を信じ、信じたいと思い、それを縁(よすが)として生きてきた鷲谷。
その信念が崩壊していく鷲谷。


ぐらぐらと揺れる心を抱えながら、鷲谷も、茶屋も生きていかねばならない。

思っていたよりは、ちゃんと作られてて面白かった。
だからこそ余計に、
もう少しこうしてくれれば…な部分が多かったです。


でも、出来が悪かったか…と訊かれれば、
そこそここんなもんでええんちゃうのん?と言ってしまう出来上がり。

ああ、駐車場がなければ、
もうちょっと点数上げられたのに!
惜しい、惜しいわ!!

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