2月8日。
十年に一度の大雪と予報され、
見事に真っ白に染まった東京。
朝から雪。
まるでトーマの世界だな…
なんて思いつつ、大丈夫かなぁと不安の中、劇場に向かう。
劇場に入ってからは、最終調整とゲネプロの準備で、一時天候のことを忘れるも、ゲネプロ終了後、誰からともなく
「ヤバい、めっちゃ雪降ってるよ!」
と声が上がる。
楽屋口から表に出る。
おおう、積もってるし、めっさ降ってる!
この時新宿は大雪警報。
きっと今日の初日に止むを得ず来られなくなってしまったお客様もいるんだろうな…
それでも、幕は開けなきゃならない。
ゲネプロ終了後、さらに調整、稽古を重ね、スタンバイに入ったのは5時少し前。開場まで30分ちょっと。
そして、初日。
来られないお客様が沢山いるのだろうと不安の中での開演。
でも、予想に反して、客席は後ろの方までお客様でいっぱいでした。
びっくりしました。
みんなびっくりしました。
そしてそれ以上に、
いらして下さった皆さんに、応えなきゃ嘘だ。そんな風に感じていました。
少年十字軍という作品。
少年たちが中核の一端を担うので、
経験の浅いフレッシュたちも、本公演としては異例の仕事量の多い役で多数参加しています。
でも、若手公演に先輩枠として参加する度感じる、経験の浅い彼らだからこそ生まれるもの、出せる気持ち、エネルギーのようなものが、確実に芽生えていると思うのです。
そのがむしゃらな芝居に対する彼らの情熱が、少年十字軍がエルサレムをを目指す、という状況となんだか重なって、まだまだ拙い彼らに、ほんのちょっとだけ心打たれてしまうのです。
それがなんだか嬉しくて、大人役として参加している僕は、子供たちのシーンを舞台袖から覗いては、なんだか笑顔になってしまうのです。
皆川先生の描く少年十字軍は、本当にミステリアスで、最後の最後までドキドキの作品です。
その世界を、舞台の上で台詞を発するだけでもドキドキの若手たちが生きる。
さらにそれを、笠原さん、石飛さんを筆頭とした先輩方が、板の上で見守り、支える。
やっぱりここはスタジオライフなんだな。
今更ながら、そんな風に思います。
終演後。
再び楽屋は雪の話題でてんやわんや。
止まっている路線も多々あって、劇団員もみんなちゃんと帰れるかわからないような状況で、退館。
「お客さん、よう来てくれたなぁ」
一緒に楽屋を出た芳樹さんが呟く。
「そうですね、ちゃんと帰れるかもわからないのに」
「来るのだって、大変だったやろしなぁ。有難いな」
「本当ですね」
同じく一緒だったまつしんが、携帯で電車の運行状況を調べ、帰路につく。
なんとか三人とも帰れそうだった。
駅で、藤森、澤井のコンビを発見し、声をかけたりしながら、全員が帰れることを確認して別れる。
「ちゃんと帰れるな?」
若手にそう声をかける芳樹さんは、なんだかお父さんみたいだった。
本日の初日に大雪の中駆け付けて下さった皆様、本当にありがとうございました!
大袈裟じゃなく、胸がいっぱいになる想いでした。
皆様が無事にご帰宅されるよう、心より願っております(>_<)
明日はナーウィス初日です。
また足元も悪く、交通機関の乱れも予想されますが、全員一丸となって、素敵な初日の幕を開けたいと思います!