小枝。 | まきおの隠れ宿

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劇団スタジオライフの牧島進一です。
皆様との交流の場をコソッと増やそうとブログを始めてみました(^_^;)
内容は徒然、不定期更新になると思いますが、
宜しくお願い致します!

皆さんお久しぶりです!

稽古に熱が入れば入るほど、更新が途切れる牧島です(^_^;)

暖かかったり冷え込んだりする毎日ですが、皆さんお元気ですか?

初日まであと一週間を切り、文字通りの朝から晩までの稽古が続いておりますが、今日は少し前のエピソードを。


ある日の稽古終了後。
連絡事項の確認中、翔音が挙手。

「小道具なんですけど、近くに森とか山とかある方いませんか?」

一同キョトン。

「あ、あのですね、小道具でちょっと枝が欲しいんですけど、近くにそういうとこあれば拾ってきてもらえないかなと…」

流石に森や山は…みんな都心に住んでるしねぇ…

ん、待てよ…

うち、近くにおっきい公園あるから、枝あるかも。


かくしてある晴れた日に、稽古前の午前中、軍手に巨大な袋を手に公園に侵入。かなり怪しげだが、仕方なかろう。


入り口から程近くに既に沢山の木々を発見。これなら枝も大量だな…

と、足を踏み入れようとすると、

photo:01



うお!

めっちゃハトいる…

軽く100羽は超えている。
鳥は苦手じゃないけど、これだけいるとちょっとビビる。

俺が侵入したら、みんな逃げちゃうんだろうな、なんかナワバリ荒らすみたいで申し訳ないな…

とかなんとか思いつつ、勇気を出して踏み込む。

と、予想外のことに、ハトは逃げない。いや、これはむしろ…

『キュピーン!』

と音が聞こえるくらいの鋭い視線が刺さる。ハトが一斉に気付き、僕を振り返り、次の瞬間には僕の周りは一面ハトだらけになった。

完全に、エサやりオジサンと勘違いされている!Σ(゚д゚lll)

「はうあ…違うのだよ…俺は違うのだよ…」

ハトにまとわりつかれながら枝を拾うまくしも。
いい時間故に、公園にいらしている子供やお母さんの視線も痛い。

と、突然ハトたちが踵を返して一方向に向かって大集結していく。

おお、わかってくれたか…

と視線をその方向に向ける。

「なるほど…」

そこには僕が枝用に持参した袋と同じような大きめの袋を持った、ホンモノのエサやりオジサンが。

「彼を待っていたのだな…だが、助かった」

ハトから解放され、枝拾いを再開。
30分程で袋一杯になる。

稽古場に向かう電車の中でもまた視線を感じたが、ハトで鍛えられたまくしもにはなんでもなかった。


稽古場で翔音に枝を託す。

これが小道具として加工されて使われることになるのだが…

実はさほど重要ではありませぬ(笑)

シーンとしては大事だけど、枝自体は…


「あの、小枝、ありがとうございました」

その日の稽古中、小道具の枝を扱う某劇団員が、少し申し訳なさそうに僕のところにやってきた。

その「小枝、」
という言い方がちょっとだけ可愛くて、一瞬、

「俺、チョコなんてあげたっけ…?」

と思案してしまった。
すると、

「あ、あの小道具の、」

「あ、ああ。家から駅までの途中にある公園だから、全然(笑)」

ハトの話でもしようかと思ったけれど、余計恐縮しちゃうかな、と思い、やめることにする。


ハトの話はその後、海司さんに打ち明け、ひとしきり笑ってもらえたので満足(笑)


少年十字軍をご観劇の際、まくしもがハトまみれに拾った枝、見つけてみて下さい。

いよいよ稽古も明日まで。
明後日には劇場に入ります。

頑張るぞぅ~