自閉症ショウエイさんのブルグミュラーコンクール参加を通じて早期療育・ピアノ療育の大切さを再確認
みなさんこんにちは、明るく楽しい横浜市『福田音楽教室』ピアノ講師・音楽療法士の福田りえです。先日、自閉症のショウエイさんが、一般枠としてブルグミュラーコンクールに参加されたので、活動報告として記事にしておきます。生徒:ショウエイさん(19歳,社会人,重度自閉症)日時:2020年11月1日(日) 18:30~18:45参加:ブルグミュラーコンクール 横浜3地区ブルグミュラーコンクールは、5年前の2015年よりスタートした比較的新しいコンクールです。日頃レッスンで使うピアノ曲、ブルグミュラーの作品を中心に学び、 「何歳からでも挑戦できるコンクール」として、ピアノ学習において、 より豊かな表現を追求する素地を養うことを目的とした、全国で展開されるピアノコンクールです。ブルグミュラーコンクールHPより引用実はこのブルグミュラーコンクールには、5年前に一度ほかの生徒さんと共に参加していたのですが、しっかり仕上げていないと予選通過できない中級以上のコンクールの様に感じ、障がい児者の生徒さんが多いのもあって、その後遠ざかっていました。しかし今回、重度自閉症であるショウエイさんと共に、一般選考枠として参加しようと思った主な理由は2つ。同じく自閉症である、音楽教室もみの木のうたのくまモンくんが参加されることをお母さまが知り、ショウエイにも挑戦させたいとご希望をいただいたことがひとつ。それを受けてショウエイさんの不得意な部分…強弱を出す速いテンポの曲曲想がガラリと変わる曲指の強化…これらの克服のため、課題曲である『18の練習曲 Op.109 大雷雨』が適しているのではないかと、考えたことがもうひとつです。しかし練習が始まってすぐ、「速いテンポ」の曲に大パニック! 途中LINE動画が送られてきたのですが、泣きそうな顔で「もうイヤです……ムリ…お世話になりました!」と一礼。え~!?大丈夫?😨導入初期は精神的にやられてしまったようで、このままいっても大丈夫なのかなぁ……と、ちょっと不安になりましたが、今思えばこの時が初めて乗り越えた「大きな山場」でした。知的障害もある後退型自閉症のショウエイさんは、2歳頃から突然しゃべれなくなり、獲得したスキルがどんどん失われていくという「折れ線型自閉症※」特有の症例が現れ、お母さまは毎日怖い思いをされていたそうです。⇒ ※折れ線型自閉症:自閉症児の早期徴候と折れ線型経過に関する報告 - 福島県立医科大学神経精神科 星野仁彦(PDF)そのため非常に多くの早期療育をされてこられました。まさに息つく暇もなかったと言う幼少期は、様々な療育プログラムで彼のスキル後退を必死に抑えてきたそうです。それら早期療育の中で一番効果があり、本人も楽しいと思えたことが、ピアノでの療育だったといいます。途中からはピアノ一本に絞られたことも、ショウエイさんのためには良い方向に働いたのかもしれません。▲この笑顔が自然に出るまでが長い道のりなのですところで、自閉症をはじめ発達障害を持つ彼らが、大人になってから問題になるのが、「時間を持て余すこと」なんです。学校生活を経て就労や作業所などそれぞれの道へと進むまでは、授業や療育などで日々時間は埋まっています。しかし一旦卒業してしまうと、帰宅後や休日など空いた時間をどう過ごしていいのか、実は意外と難しい問題なのです。これらは余暇活動と呼ばれるのですが、幸いなことにショウエイさんは、時間が空いたらすぐにピアノに向かい、しかもスマホで自分の演奏を撮ることも趣味となりました。また今回のブルグミュラーコンクール参加のように、何かしら短~中期の目標が明確にあることで、それに向かって集中して取り組みことができます。自ら積極的に楽しんでおこなうことができる、有意義な時間の使い方。それも保護者の方も安心していられる余暇活動であること。これが持てていることは、彼の一生の財産となります。▲有意義な時間の過ごし方ができることは大切なスキルです発達障害の診断前後の場面では「もうしばらく様子をみましょう」と言わることもある聞きます。しかし折れ線型自閉症はほっておくと重症化しやすく、そのまま鵜呑みにせずに早期療育に取り組むことが大切になってきます。まさにショウエイさんがそのパターンでした。今回ブルグミュラーコンクールに参加した彼を見て、早期療育の大切さ、そして後の余暇活動につながるピアノ(での療育)の大切さを、再確認することができました。最後までお読みいただきありがとうございました。FUKUON 福田音楽教室 福田りえ"}-->🏠 ピアノ教室🧒 障がい児ピアノレッスン🎹 楽しくピアノ📊 お教室運営📢 お知らせ