「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」「東京大空襲」 (KCデラックス) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

ベトナム戦争を経験したアレン・ネルソン氏の

 

物語をコミック化した作品と、東京大空襲と

 

敗戦後の日本人の心を慰めた『リンゴの歌』の

 

2本が収録されております。

 

改めて戦争の悲劇を思い知らされました。

 

 

 

 

 

 

以前、原作であったネルソン氏の手記は読んで

 

いましたが、これは『週刊少年マガジン』で掲載された

 

コミック版と東京大空襲の後に街に流れた

 

『リンゴの歌』にまつわるエピソードと2本立てで

 

収録されております。

 

ベトナム戦争で行われた悲劇は形を変えて世界各国で

 

行われているということを改めて実感させられました。

貧しい生まれのアフリカ系アメリカ人である

 

ネルソン氏は職を転々とした後に米軍のリクルーターに

 

誘われて海兵隊員としてベトナムに派兵されます。

 

初めての戦闘に恐怖を覚えたネルソン氏は相手の

 

ことをグークス(見せ物小屋にいる異形の人。

 

そこから転じて東洋人を差別する言葉)とみなし、

 

徹底的に殺しまくります。

 

そんな壮絶な日々を送る彼にある『変化』が起こった

 

のはある戦闘の際、敵からの攻撃を逃れるために

 

ネルソン氏が入った防空壕の中で出産しようとする

 

少女と遭遇したからでした。

そのときのことで決定的に考えを変えたネルソン氏は

 

最低限の先頭のみを行い、除隊をするのでした。

 

しかし、彼を待っていたのは重いPTSDで、家族と

 

ともに過ごす事さえできなくなった彼は様々な治療を

 

試みるも効果はなく、途方にくれたところに同級生で

 

あった学校の教師に勧められ、自身の戦争体験を

 

子供達の前で語るようになります。

 

さらには彼を救うことになる精神科医の

 

ニイル・ダニエル先生との対話によって、彼は

 

人間性を回復するのです。

第二部は東京大空襲とその事件を生き残った

 

並木路子さんが『リンゴの歌』で敗戦で傷ついた

 

人間の気持ちを癒していくというお話でした。

 

これもまた、読んでいて胸に迫るものが

 

ございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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