フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

ネット社会はとても便利なものですが、それと

 

引き換えに我々が『彼ら』に売り渡しているものは…。

 

極端な『パーソナライズ化』が利益をもたらすのか? 

 

それとも…というのは神のみぞ知るというところです。

 

 

 

 

 

かつて、自由な場所といわれていたインターネットの

 

世界もそれは昔の話。いまやアルゴリズムの急速な

 

進化により、われわれに提供される情報はより

 

パーソナライズ化され、たとえば、僕の見ているグーグルの

 

ある言葉に関する検索結果とあなたの見ている結果が

 

違っていたり、Facebookに流れるニュースフィードは俗に

 

「エッジランク」と呼ばれるアルゴリズムで、運営者側が

 

「あなたと親しい方はこの方ですか?」

 

という風に投げかけられた情報を見ていたり、Amazonでは

 

購入したりクリックした商品を元にあなたにお勧めのものを

 

表示してくる…。

 

いまやこういう時代になったのかと読んでいて複雑なものを

 

覚えてしまいました。

 

かねてから、ネットの世界で「無料」というものに対して

 

対価として払っているのはわれわれの個人情報であるという

 

話はちらほらと聞いておりましたが、いわゆる「メジャー級」に

 

知名度がある会社ではありませんが、アクシオムなどの

 

個人情報を取り扱う会社が目立ちはしないもののこれで

 

莫大な利益を挙げているということも本書から知ることが

 

できました。

 

ネット社会がこのような傾向になっていくのは「ギークス」と

 

呼ばれる開発者たちの思考回路がたとえば、世界が自分の

 

思惑とは別の方向に進みかけているときでも


「自分が間違っているのかもしれない。」


とは考えずに


「世界が間違った方向に進んでいる。」


と捉える傾向がある、という記述も


「あぁ、なるほど。彼らはそういう風にして『世界』を

 

みているのか。」


という意味ではいい悪いは別としてとても参考になる

 

ものでありました。

 

『フィルターバブル』の問題は今後もわれわれに付きまとって

 

くるとは思いますが、それに対してどのような態度で臨んで

 

いくのか? そのヒントとして本書はとても読み応えのあるもので

 

ございました。

 

 

 

 

 

 

人気ブログランキング←1クリックお願いします。