湾岸戦争から早いもので20年になります。クウェートでは今あの戦争のことをどう思っているのでしょうか。
国際的にはサダム・フセインが一方的に悪者にされ、結果的にはこの世から葬り去られてしまいました。
しかし独裁政権が悪だと言っていたらキリがないのは明白で、半分の独立国は崩壊してしまいます。中近東は全滅するでしょう。結局はアメリカと仲がいい国が善なのでしょう。
それはさておきイラクがクウェートに侵攻したそもそもの原因はなんだったのか。クウェートだけが最後までOPEC(石油輸出国機構)で決められた石油生産量を無視して、石油価格を押し下げる石油増産を続けたことで周辺の石油に依存していたアラブ諸国の反感を買ったのがそもそもの原因だといわれています。
アラブ諸国の分裂を招いた原因がクウェートにあるのは明白なわけです。なのでイラクによる侵攻で表だった被害者面ができないのがクウェートの本音でしょう。
それが町の中心部に戦跡が残されていない原因の一つなのではと思えてなりません。一刻も忘れ去りたいのでしょうか。
そんなことを考えながらクウェートにやってきました 。
クウェートの中心部は高層建造物がそびえ立っています。
クウェート唯一の見所であるクウェートタワー。クウェートを象徴する建物です。
唯一の戦跡がクウェート南部のフィンタスという町に残るので今回訪問してみました。
誰も知らない無名の博物館のため、たどり着くのに苦労しました。
最終的に博物館まで利用したタクシーの運転手はバングラディシュ出身でした。クウェートに出稼ぎに来て10年になるらしいのですが、この運転手も湾岸戦争関連のこのような博物館が近くにあったことは驚きだったようです。
そんなわけでやってきた「アル・クレイン博物館」
アル・クレインという住宅街の一角にクウェート兵がイラクとの戦いで立てこもって抗戦した住居が破壊されたままの状態で残っています。住居の中は博物館になっているのですが、国際的には知られておらず、あくまで国内向けなのかもしれません。
内部は侵攻当時の写真などが展示されていました。大変興味深い内容です。
庭には銃弾を受けた車両が展示されていました。