幻の都 Ⅰ | 思い草へ              

思い草へ              

               ・ 




    

揺らぐ 時の波間に

写り込む 美しいものたち



ああ  あなたの

その儚げな姿に宿る成熟した精神さえ

永遠ではないことへの眩暈が私をおそう



愛しいものよ

嘗て 静心に咲いた 時の花よ

その麗しい横顔の淡き色した口びるに

賛美の旋律あれ



思い草へ                                 今ここから思うこと
PHOTO 山本てつや