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2016年08月24日(水)

プライド

テーマ:ブログ

晩夏の熱を洗う嵐が通り過ぎ 
返事の来ないメールを打つ 
夏色のマニキュアの指先に 
季節が また巡る 

どこか 誰もいない駅のホームで 
あなたの後姿が 肩を落とし
前屈みに うつむいている 
そんな幻像が心に浮かぶ夜 

本当の孤独を知っている者だけが 
唯一のひとりと出逢うことができる 
私にまだ 孤独が足りないなら 
もっと  もっと与えてください 

水に映った うつくしい世界に焦がれ 
駆け抜けてきた 幼い憧憬が罰せられても  
きっと 私は胸を張って微笑む 
その時だけは 世界の誰よりも うつくしく 


PHOTO 山本てつや

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2016年08月20日(土)

ふる里の夏

テーマ:ブログ

あの子に会うために
蝉しぐれの森を抜け
夏草匂う 土手まで走った 

白いブラウス 水玉のスカート
土手に座り込んだまま
流れの対岸を見つめている あの子
まだ少女だった頃の私が ゆっくりと振り向く

あの子の小さな肩先を 黒いトンボが舞う 
耀く青いカラダを風に乗せて 蝶のように舞う
あの子が そっと 人差し指を立てると 
黒い翅が ふわりと幼い指先に止まるのが見える

振り向いた あの子の視線は 
トンボも 風も 空も  私も越えゆく 
どこか遠く もっともっと その向こうにある何処かへ
あの子を押しつぶそうとする 今ここに抗して 

私は あの子を見つめている 
駆け寄り 抱きしめたい衝動をじっと押さえ 
あの子が探している言葉を この手の中に握りしめて


PHOTO  HIDE

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2016年08月18日(木)

出会いの果実  山内孝一氏

テーマ:ブログ
夏休みを桐生の母の家で過ごしておりました。
今日は、その時間が実らせてくれた出会いの果実をご紹介致します。

私の育った桐生市はアーティストを育てる気風のある街です。
文学では坂口安吾が疎開先として逗留し作品を残しましたし、
歴史家の羽仁五郎、講談社の創設者である野間清治も桐生の出身。
(私の高校時代同期の野間子孫である「野間ちゃん」はシャイな色白美人で芸大を目指す美術女子でした。)

また、古くからの織物の町ですので、近年では素材の共同開発で三宅一生氏や山本耀司氏をはじめとする世界中のファッションデザイナーの活動を支えて参りましたし・・・と、お国自慢は尽きませんが。

そんな気風の桐生では、市の青年会議所・新聞社・ラジオ局などが後援し、大抵の休日には有鄰館という重要伝統保存施設で様々なアーティストによるイベントが開催されております。

私は帰省する度に有鄰館に足を運ぶようにしておりますが、
今回の帰省ではArt Complex 2016 が開催されておりました。
桐生市出身美術家による19人展です。

・・・と、前書きが大変長くなりましたが。(笑)
今回の帰省で、私は桐生出身長野県下伊那在住の山内孝一さんというアーティストとの出会いに恵まれました。
詩的な思索から生まれる作品は、鑑賞する者に肩の力を抜いた自然との交流体験を生んだり、個と個が響き合う場を開く可能性を見せてくださいます。

また、山内さんは下伊那周辺の数校の美術講師も兼任しておられるそうで、教え子の話をなさる彼の笑顔に、ふと難波田龍起先生の面影。
美術の先生が生徒に伝えるものの大きさにまで及ぶ会話に…。

彼は、様々な分野のアート作品を制作しておられるようですが。
何と、鏡シリーズの作品に私を映し、山内さんご自身が撮影してくださいました。とても神秘的で素敵に撮っていただきましたので、皆さまにご覧いただこうと思います。

様々な事情を考慮し(笑)
私が殆ど判別できないような写真を選びました。
どことなくクリムトな仕上がりかと・・・無邪気に喜んでおります。(笑)


PHOTO 山内孝一 


 リンクを張りましたので、宜しければお訪ねください。

☆山内さんのHPへ→ 
現代アート 山内孝一HP

☆有鄰館のHPへ→ 
有鄰館

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2016年08月12日(金)

特別な朝に

テーマ:ブログ

闇から 光は生まれる
生まれた光は 記憶の闇をも照らし直し 
新しい意味を与えて 未来を導く 

あなた
を想えば  
いつも  どこからか頬笑みは来る 
そう信じる そう信じて生きている 

雲の切れ間  
目に見え
ない高みから洩れる 光の束
その 銀色に透る先端から零れ落ちる一滴が 
小さき野花の命を 今朝も潤して耀く   

生まれたての朝 ここにある今  
あなたを胸いっぱいに吸い込む 
世界は こんなに美しい 
あなたが在る世界は こんなにも美しい 


PHOTO  HIDE


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2016年08月09日(火)

長崎忌

テーマ:ブログ

その朝  
教会へと上る石畳の坂に響いた下駄の音 
その日  
教会から下る石畳の坂に もう響かなかった下駄の音 
その朝  
許しの秘跡を求めて坂を上った 信じる者たち 
その日  
許しの秘跡の直中で天に召された 信じる者たち 


彼らは 何も知らずに死んだだろう 
死して彼らは総てを知り 許しただろう 
己が罪をも知るがゆえ  許された自分をも知るがゆえ

天主堂 被爆マリア像の焼けただれた御顔に残るのは
人間を知り尽して尚失われなかった 微かな頬笑み 
そして 聖母は遥かな天を見上げる

幾度悔い 幾度許されても 過ち続ける人間の性
その生臭い息が 今日もマリアの御顔を被爆させ続け 
2016年8月9日の長崎に 祈りの声は響く



PHOTO  HIDE

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2016年08月06日(土)

八月の蝉 

テーマ:ブログ

昨日とは違う 蝉の声の激しさ 
君たちには 八月が解るのか 

幼虫になって 初めての脱皮後 
目もないままに 人知れず地下に潜り 
国土から記憶のコトバを吸って 数年を生きてきた命よ 

或る晴れた 夏の日の夕 
黒い目を得た君は地上に出て 夜へとゆっくり樹木を登り 
背を割って 薄緑の透明な翅をもった 白いカラダを生む 

そして朝  褐色に光る最後のカラダを得た君は呼ぶ 
土になった者たちの八月の記憶を 空へと激しく 
そして昨日とは違う 蝉の声の激しさ 

君たちには 八月が解るのか 
ことさらに激しく呼べよ  70年後を生きている命たちへ 
今が 戦前と呼ばれぬために 

                               再掲 (2015.8.1)


PHOTO 山本てつや


   
2016年8月6日、広島忌。
蝉たちが高らかに命を歌う日本の夏。
この朝、8時15分。 平和への祈りの時をむかえようとしています。 
当たり前の日常の尊さを、心身に深く刻まれてきた民の希求です。

昨年8月1日ブログ掲載の詩、『 八月の蝉 』を再掲いたしました。
数名の方々から、この詩を8月6日に再掲して欲しいとのメッセ―ジを賜りました。過去記事にこのようなリクエストをいただく恵みに感謝しつつ。

                                        スノウ

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2016年08月04日(木)

そして 八月の海は

テーマ:ブログ

地は揺れ  大雨は山を崩し 
人は殺し 人は殺され 
弱者が 更なる弱者を凌辱し 
声高に裁く者 憐れみを捨てた者が歓声を浴びて

世界は悲しみに溢れている
 
国々は 己が利益と発展の追求を「正義」と呼び 
「正義」のため 民の利益と権利さえ搾取する策を練り 
仮想敵を創り出しては 戦争の準備に余念なく 
その影で利権を得た者たちが ほくそ笑んで 

世界は 悲しみに溢れている 

そして 八月の海は波立つ 
海底に沈んだ記憶たちの悲しみをすべて抱きとめて 
深く 群青く 激しく波立つ


PHOTO  HIDE

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2016年07月30日(土)

アメジスト

テーマ:ブログ

最後の陽光が
暮れはじめた地を 紫水晶に染めて
すぐそこまで来た夜が溜め息を漏らす 

大きな胸に背中から抱かれるようにして
まもなく 光は夜の深い青に吸い込まれ 
やがて 静かな闇に沈んでゆくだろう 

そうして 
日に一度づつの生き死にを繰り返し 
時は流れる  あなたに わたしに 

暮れゆく空に 小舟を浮かべ
櫂を持たずに流されて 
哀しみの海に沈む あなたにたどり着きたい 

最初の陽光が 
淡く 現し身を透かして融かし 
一輪の百合になるように 



PHOTO 山本てつや

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2016年07月26日(火)

秘密

テーマ:ブログ

咲くことを懼れている 固い蕾が
このまま枯れてしまうのは哀しい 
頬杖つく指先 夏色の爪を噛めば 
いつしか一巡りした季節が 
ノースリーブの腕を撫でて 囁く 

空は曇り空 
あなたの青さだけが眩しくて 
私は目を伏せる 
触れたがる指先を 
握った手の中に そっと隠して 


PHOTO HIDE

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2016年07月22日(金)

Happy birthday to you

テーマ:ブログ

Happy birthday to you 

私の果実よ 

あなたを想えば すべての悔いは消え去る 
古い傷跡の疼きさえも 

Happy birthday to you 

私の果実よ 
生まれたてのあなたの小さな甘い匂いの唇が 
私の張った乳房の痛みを癒してくれたように 

Happy birthday to you 

いつか 時が過ぎて 
最期のさよならを云う時がきても 
あなたを想えば きっと私は満ち足りて微笑むから

Happy birthday to you 

私の愛しい果実よ 
私の救いの印よ


PHOTO  HIDE



今日は愛する一人息子のお誕生日です。
なんと2012年以来のことで、今年は息子本人が日本おります。
4年ぶりに一緒に誕生を祝う恵みに浸っている母スノウ。(照笑)
とは云え、月曜日には日本を離れてしまいますので・・・
すでに涙脆い困った母親と成り下がっており、始末に負えませんww

今になれば、時が経つのは早いものだと感じます。
この子を産んだあの日から29年が過ぎただなんて・・・。
いろいろな事がありましたが、辿り着いた今ここに感謝が溢れます。

そして・・・すべては今も継続中。
(このスタンスは、漱石&憧れの方の受け売りです。笑)
これからまだまだ様々に人生は展開することでしょう。
息子も私も、同じく途上の人ということです。

人生の課題も、探求も、悩みも、恋も、愛も、詩作も・・・etc.
生まれて以来のすべてが今も継続中。
つまり、今も私たちは青春の続きを生きているわけです。 
29回目の息子のお誕生日にあって、あらゆる継続中に感謝しつつ。
                                      スノウ

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