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2015年05月18日(月)

ショーペンハウエルという名の白ウサギ  Ⅰ

テーマ:ブログ

 

 このブログに写真参加しているHIDE氏とは彼此38年来の付き合いになる。ここでのコラボレーションとは別に、HIDE氏は私のポートレートを長年定期的に撮り続けているため、私が何時突然に天に召されたとしても残された親族は私の遺影写真に困ることがない。


 だからと言って、彼とはお互いに知り過ぎたくらいの感はあっても決して信じ切れる相手ではない。女性がHIDE氏を信じたなら、命が幾つあっても足りないかもしれない。(笑) 元来、信じても良い男性となるには少々資質が足りないのだ。もっとハンサムでなくてダンディーでなくてモテないことが必要だ。


 HIDE氏とは美と食に関する好みが一致するので、一緒に旅するには最適な相手ではある。だが、私にとっては肝心な文学や思想にHIDE氏はカケラも興味がなく、小説は推理モノさえ全く読まず、私の詩を読んでも「意味不明だ」と公言して憚らない人物だ。(笑) 

 

 そんな彼が読む本といえばHOW TOモノ一色だったのだが・・・ここ一年余りで劇的な変化を遂げた。切っ掛けは映画レ・ミゼラブル。映画館で号泣しきりだった彼は、新潮社文庫レ・ミゼラブルを読み始めたのだった。


 ご存じの方もあるかと思うが、新潮社文庫レ・ミゼラブルは5巻にも及ぶ長編小説だ。しかもHIDE氏は5巻までを読む間、私が知っているだけでもゲーテやユーゴーやリルケの詩集・テグジュぺリ「人間の土地」・トルストイ「光あるうちに光の中を歩め」などを平行して読んでいた。

 いったい彼に何が起こったのか・・・彼は人生最大の困難に直面していた。人間の残忍、卑小、狡猾、そして悲惨・・・それでも生きるための力を探していたという。その探求は彼を劇的に変化させた。


そして、ある日。
38年の付き合いの中で一度も尋ねられたことのない質問がHIDE氏の口から出た。「スノウは十代で生きる意味を探し始めたんだろ?幸せなカワイ子ちゃんに生きる意味なんて興味ないはず。なんで生きる意味なんて欲しくなったの?どういう方法で探してきたの?」


・・・・・この質問に38年間の友として真面目に答えようとして、私は自分の青春を振り返る。いったい何時何処から生きる意味なんて問いが飛び出してきたのか、誰も知らなかった私の中のワタシがいた頃を振り返る。

                              

                                    Ⅱに続く・・・



PHOTO  HIDE


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2015年05月12日(火)

立夏 ⅱ

テーマ:ブログ



まっすぐの土手を闇雲に走ってゆく

野球少年の背中が 眩しくて 目を伏せた 


泥だらけの白が放つ 夏のはじまりの匂い
挫折を知ったばかりの少年だった頃の あなたに出逢いたい 


立夏の風に吹かれて佇む 対岸の人
もう日が暮れるというのに 帰れないままの私たち




PHOTO HIDE

2015年05月07日(木)

立夏 ⅰ

テーマ:ブログ



土から立ち昇る夏の匂いは 風を纏い

草色の記憶を呼び覚ましながら 野を渡る 


ほら あの匂いが今 野を渡る

今日一日で死ぬ カゲロウのような想いも 


翌朝にはまた新しく生まれると信じ切っていた あの頃の匂い
今も同じ風が 立夏の野を渡る 




PHOTO HIDE
2015年05月02日(土)

なにもないひ

テーマ:ブログ


あなたとかわしたコトバのひとつひとつを おもいだせるだけ おもいだして 

いいじんせいだったな なんてつぶやいてみる なにもないひ
ほほづえつくトキがおしえてくれた ミチルまでまつことのイミと

おろかなまでに しんじきることのアイ   これからも ずっと 


PHOTO HIDE

2015年04月27日(月)

海のコトバ

テーマ:ブログ


青に抱かれるために選んだ海は

サナトリウムの記憶を残して 凪ぐ 

潮風にすべてを委ね ただ海に聴けば 

体内に流れる塩水が 月に引かれて

裸足の爪先に 小さく打ち寄せる 



描かれた直線の青い静謐を

からっぽの胸に深く吸いこんで 

生まれる前のコトバに耳を澄ませば
どこからか来た 今へのYESが広がってゆく 

声にならなかったコトバを告白するために



PHOTO HIDE
2015年04月23日(木)

青い影

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ゆく春を 薄暮の空に映して 
あなたへとうたう 青い影
今宵の月は 雲に隠れて
愛を語らせまいとしていても 



今 唇を掠めてゆく 風のうたが
あの渇いた唇に涼やかに触れますように 

悔いて心優しきものたちの あの哀しみの唇に
自らの重みにしなやかに揺れる木々の香もて




PHOTO HIDE

2015年04月17日(金)

未完の夢 ⅱ

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うつろいゆく花を愛でるように
うつろいゆく愛を愛でて

散らぬ花 枯れぬ愛は偽物と笑う あなたの

その口元にうっすらと浮かんだ影


うつろわぬ愛を求めれば
うつろいばかりが見える法則に抗い
あれほどまでに本物を探した あなたが
自分を説き伏せるために出した答えの皮肉


未完の夢の途上で
出逢える答えは まだ幾つもある
あなたに もうひとつの答えをあげよう
うつろい枯れるならば ただそれが愛ではなかっただけ



PHOTO HIDE


あじさい たった今、突然の激しい春驟雨が走り去ってゆきました。
洗われた草木が、心地良さそうに残り風に吹かれています。
ひと雨ごとに緑が鮮やかさを増すシーズン。

あなたはいかがお過ごしでしょうか・・・。

早春の梅に始まった 時花の移り変わり。

椿・木蓮・ミモザ・桜が 野を街を彩り、初夏へと花の季節は続きます。

その時々の花は 時満ちて咲き 散りゆくものですが、ひとつひとつが 大きな命の流れに在る貴い存在であることを思わされています。
うつろい枯れて何も残さない花はないように、虚しくうつろうだけの愛もないはず。 もしそれが愛であるならば・・・と。


私のベランダでは枝垂れ桃の白花が満開を過ぎ、野鳥たちの水場に花びらを浮かべています。 過ぎ去ってもなお、命の汀にそっと花びらを浮かべているような記憶に恥じなく生きたいと祈ります。

未完の夢の途上で・・・   スノウ

2015年04月13日(月)

未完の夢 ⅰ

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夢の入口に咲く花は

逢いたいひとに遇うために
眠り続けようとするひとの
未完の夢が咲かす花 


眠りの海に映る月 

滲んだ光は朧げに
遠いまなざし 想わせる
たゆとう心 誘うように

あなたの夢の行き先に
小舟を浮かべて待ちましょう 

眠れぬ夢の眠りのために

静かな水がうたう夜は



思い草へ PHOTO  山本てつや

2015年04月09日(木)

春の翼

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昨日までと違う鳥の鳴き声で目覚めた朝

まだ眠いベッドの中で サヨナラと小さく呟く

蜜を求めて 花とともに北上した愛しい翼たちの

ありのままに求める 其のクチバシの美しさへ



頬づえつく想いを脱いで 背中に翼を思い描く
春が呼ぶ方向へ この翼で蜜を求めて飛べるだろうか

花深く差し込んだクチバシを 花粉の黄色に染めて 
ありのままに 命の喜びにくちづけるために



PHOTO  山本てつや

2015年04月05日(日)

イースターの朝には

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生まれたての心を抱いて あなたへと街をゆこう 

空に花に鳥に あなたを愛していると告げながら 


春が過ぎていっても あなたを愛している
夏が過ぎていっても 秋と冬が過ぎても


心の卵が孵る朝には あたらしい私が帰ってくる 
花にくちづける鳥のように あなたを愛したい私が帰ってくる



PHOTO HIDE


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