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2014年04月20日(日)

イースターの朝に

テーマ:ブログ


あたらしい朝には 
あたらしい光が降る
あたらしい私になって
雨に洗われた街を
あなたに逢いにゆこう


ひらくことを怖れていた花も

あたらしい顔をもたげて
きっと 空にむかって謳いはじめる
光に洗われた街を
あなたに逢いにゆこう



PHOTO HIDE

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2014年04月17日(木)

透色 

テーマ:ブログ


薄い花弁 春に透かして
胸に咲いた 麗らかな花が風に揺れている
どこかで微笑んでいるひとを想っては
海へと渡ってゆく 柔らかな風に揺れている

心地良いばかりが恵みではないと知ればこそ

今ここにある 光の貴さに心透かして



PHOTO 山本てつや                     

2014年04月12日(土)

トニオ・クレーゲルへの手紙

テーマ:ブログ

深い記憶の湖の底から
小さな一粒の気泡が

ゆっくりゆっくり浮かび上がり

空気に触れて 音も無く割れた

其処から漂いでた 懐かしい名前が

朝霧のように 湖面を静かに広がってゆく
それを目で追いながら 私は湖畔に独り佇む


トニオ・クレーゲル

青い憂鬱と甘い痛み匂う 其の名

嘗て 私の中に住んでいた少年

あなたへの愛が 私をここへと運んできた

其の青ざめた頬への喜びのために

もうひとりの大人のインゲボルグになって

大人になったあなたに微笑みかけるために


トニオ・クレーゲル

あなたにひとつ教えてあげよう

そんなに単純に人間を分類はできない

例えば 少女だった私が

内に あなたを住まわせながら

外では インゲボルグ・ホルムを装ったように

あの無邪気で社交的な少女が 同時にあなたで在り得たように


トニオ・クレーゲル

あなたを後ろ手に隠しながら踊った 懐かしい痛み
「 ぼくは眠りたい・・・
なのに君は踊らずにはいられない 」
いつも あなたは私の中でそう呟いた
トニオ  あなたへの愛が 私をここに運んできた
もうひとりの大人のインゲボルグになって
大人になったトニオ・クレーゲルに微笑むために




PHOTO 山本てつや


クローバー 何故か......トニオ・クレーゲルに手紙を書きたくなりました。
『トニオ・クレーゲル』は、トーマス・マンによって1903年に発表された中編小説です。マンの作品では『魔の山』や『ヴェニスに死す』などが有名かと思いますが、マンのファンの方には『トニオ・クレーゲル』に心酔する方が多いとお聞きします。私もそんなひとりです。


 私は17歳でこの作品に出逢いました。丁度、何か自分の内側が急激に変化してしまい「普通に明るく可愛いスノウちゃん」でなくなっていく自分に戸惑っていた頃。これまでと変わらぬ私を装いながらも、文学にのめり込み、学校をサボって一日中本を読んだり、小説の真似事のようなものを書いたりの日々...。

 

 無邪気で快活な女友達や、お勉強が出来てスパニッシュギターが上手で英語の発音も素敵で背が高くてハンサムなバスケットマン(笑)のボーイフレンドが愛しているのは「明るく可愛いスノウちゃん」だと思うと...。そんな私の心友だったのがトニオ・クレーゲル、私を分ってくれる大好きな男の子でした。


 4月に入ってから葬儀がつづき、懐かしい方たちと悲しみの時間をともに過ごしました。少しセンティメンタルになっているのかもしれません......。
あなたは今をどんな心持ちで過ごしていますか?
『トニオ・クレーゲル』 読んでみていただきたい一冊です。
                                           スノウ

2014年04月09日(水)

対岸の人

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ながいあいだ

私たちは広い河を挟んで歩いてきた
互いの存在を対岸に意識しながら



その距離を掟として 私たちは見つめ合い

その距離が あなたであり私であることを守り

その距離が 私たちであることを押しすすめた



そしてあの日 大きな哀しみが地を覆い
命の一回性に目覚めた私たちは
今 

軽々と河を飛び越える 互いを祝福するために





PHOTO 山本てつや

2014年04月06日(日)

春の日に

テーマ:ブログ

高みの枝に咲く花を

手に取ることなく愛でるように

遙かな人の心象を抱けば
永遠の気配が この身を包む

ただ あなたが在たということ

その美しさに満ち足りて

春香 風に混じる春の日に




PHOTO 山本てつや

2014年04月04日(金)

私というもの

テーマ:ブログ


いつか咲く花
今 咲いている花

かつて 咲いていた花


未来 今 過去 

未来は いつか今になって そして過去になる

そうして降り積もった過去の花弁が

私になる

私になる




PHOTO 山本てつや


桜 激しい春の雨の翌朝。
桜花たちは、少し大人の顔になって風に揺れています。
吹く風に混じる花弁の、まるで自らのその美しさを知っているかのような舞い。

この春、私はそこに満ち足るを知ることの美を見ています。
散りゆく哀しさではなく。


先週の土曜日の朝。
若かった頃に大変お世話になった方の危篤の知らせがあり、突然のことに取るものも取り合えず、入院先の埼玉医大に駆けつけました。数十年ぶりにお会いした其の方は、すでに眼球の動きだけで反応することしかできない状態でしたが、それでも暫らくお側に置いていただき、記憶を辿っては、共に過ごした桜の
思い出など分かちあう時間に恵まれました。
その日は、奇しくも彼の82歳のお誕生日でした。


翌日の夕。
ご子息から電話をいただき、其の方が天に召されたとのご報告を受けました。

そして春雨に濡れる桜満開の昨日、ご葬儀に参列いたしました。

白群の煙となって空に昇ってゆかれる方を想うに、西行の句がふと心に浮かび…。 『願わくば 花の下にて 春死なん その望月の如日の頃』


スノウ


2014年03月31日(月)

意味

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たとえば 咲くことに意味を問うても
花は何も答えないでしょう
それと同じこと



もう 愛することに意味などいらない

もう 生きることに意味などいらない



ただ 今ここを心込めて愛して
ただ 今ここを心込めて生きて
或る日 心から満ち足りて死にたい




PHOTO HIDE

2014年03月26日(水)

朝開く花

テーマ:ブログ


甘雨 花弁を濡らし 

天よりの滴が集める光に 草木の命眩く 

来る朝ごとに この身洗われて生きれば
捧げられる祈りの香り 立ち昇る空から

今朝も降り注ぐ あなたのまなざしの群青



PHOTO  HIDE

2014年03月25日(火)

春の夢 ⅱ

テーマ:ブログ


母よ 恋した果てに実ったものが

不義の果実であったことを嘆きやまず

夫が死して十年の今日を迎えた人よ


母よ 齢の八十を越え

いまだ 亡き人への燃え立つ想い身に秘して

決して許さないのが あなたの愛


母よ 許すことで重荷を降ろせると知りながら

許さぬは死んでしまった男の支配の下と知りながら

それでも許さないのが あなたの愛 


母よ その赤い血を呼ぶように

ああ、あなたの愛した人が幼い私に歌った声聞こゆ
命短し 恋せよ 乙女……と 


母よ こうして二人 あの人の命日に
命の短さ知った女同士で 小さく謳ってみませんか

それでも 恋せよ 乙女…… と心声のままに



PHOTO HIDE


2014年03月24日(月)

春の夢 ⅰ

テーマ:ブログ


母よ 花曇りの里山を二人ゆけば

天を仰ぐ梅木 白く淡霞み

薄紫に かたくりの花は俯く


母よ 夢のように日々は過ぎ去り

若かった私の両手足を縛った重く錆びた鎖
あなたの桎梏さえ 今は甘い痛みとなって熟す不思議



母よ こんな麗な時が二人に巡り来て

今日は良い日だと 幾度も幾度も呟くあなたとゆく道は

すべてが まるで春の夢




PHOTO HIDE

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