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2016年09月25日(日)

リコリス Ⅱ

テーマ:ブログ

しめやかに 時は過ぎゆく 
あなたの長い嘴の鋭さに忘我したまま 
絹糸のような雨の囁きが 世界を遮断している 
ここで  

淡香の夢遥かに 
深緋に燃ゆる花 咲きいでて 
見ることの叶わぬ  ロゼットの線葉を恋い慕う 
ここで  

花は葉を想い 葉は花を想い  
決して出逢うことなき 相思の花  


PHOTO HIDE

 皆さまへ
ぜひ上の写真をクリックし、拡大してご覧くださいませ。
このブログのサイズには入りきれない範囲に
すばらしく優雅な存在が写っているのですが…
拡大しなければ、ご覧いただけません。
それをこそ、ご覧いただきたいのです。
                            スノウより



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2016年09月21日(水)

リコリス I

テーマ:ブログ

彼岸の入りの濡れた山寺  
白く秋雨に霞みながら あなたを想えば  
夢に咲いていた花の名を思い出せないまま  
夢を忘れてゆく もどかしさに似て  
音の無い竹林の青に 忘れられない名を小さく呼ぶ  

内に湧く激しさは 待ち構えた理性に働きかけて  
自分の役目を終えたかのように 引いてゆくだろう  
それでもどこかに 澱のように降り積もる何かこそが  
この生の涯てに 私の喜びとして残るだろう  

知らぬまにあがった雨に後押しされて 野をゆけば   
突然、眼前に広がる リコリスの群生  
艶やかに燃え立つ 目の眩むような緋色の燦 


PHOTO HIDE 


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2016年09月09日(金)

COSMOS ひとり

テーマ:ブログ


晩夏の残り香にふりむけば       
野分き立ちし痕に  秋桜ひとり  
儚げな細い茎に流れる想いを  
時の雨風にしならせて ひとり  
曇天の奥にある 瑠璃の青を見上げて ひとり  



PHOTO 山本てつや
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2016年09月03日(土)

Happy birthday to you

テーマ:ブログ

ジョン レノンが拳銃で撃たれて死んだ日 

公衆電話からのあなたと 泣きながら話した 
60歳になっても本気のキスしていよう 、って 

時は  夢見がちな仕草で流れていた 
あなたと交わした 幼い約束は  
すべて  いとも簡単に守れる気がした 

あれから  幾度も 自分との約束を破りながら 
それでも  どこかで約束を忘れないまま 
今ここを生きている 

Happy birthday to you  
ながいながい時間をくぐり抜けて  
今も あの日の続きを生きてくれるひと 

Happy birthday to you  
あと2年、60歳になっても本気のキスをください 
Just like starting over あなたのいる世界が好き 



PHOTO HIDE

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2016年08月30日(火)

銀色のダナエ  

テーマ:ブログ

鈴虫が呼ぶ 湿った夜の静寂 
青い闇に紛れた 雨の足音が聴こえはじめ 
嵐の激しさを浴びるために開け放った窓から  
空のミストを抱いたまま ゼウスの風が吹き込む 

銀色の雨に閉ざされた世界で 
私たちの夏が終わろうとしている 
それは 次の季節の中でまた新しく巡り会うため 
だから悲しまなくていいんだと  あなたの声がする  

窓外を見渡せば 遥かに霞みながら 
愛を孕ませて過ぎゆく ゼウスの大風  
その抱擁に掻き乱され 解き放たれて今 
ひとり眠る 銀色のダナエ 


  PHOTO HIDE
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2016年08月24日(水)

プライド

テーマ:ブログ

晩夏の熱を洗う嵐が通り過ぎ 
返事の来ないメールを打つ 
夏色のマニキュアの指先に 
季節が また巡る 

どこか 誰もいない駅のホームで 
あなたの後姿が 肩を落とし
前屈みに うつむいている 
そんな幻像が心に浮かぶ夜 

本当の孤独を知っている者だけが 
唯一のひとりと出逢うことができる 
私にまだ 孤独が足りないなら 
もっと  もっと与えてください 

水に映った うつくしい世界に焦がれ 
駆け抜けてきた 幼い憧憬が罰せられても  
きっと 私は胸を張って微笑む 
その時だけは 世界の誰よりも うつくしく 


PHOTO 山本てつや

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2016年08月20日(土)

ふる里の夏

テーマ:ブログ

あの子に会うために
蝉しぐれの森を抜け
夏草匂う 土手まで走った 

白いブラウス 水玉のスカート
土手に座り込んだまま
流れの対岸を見つめている あの子
まだ少女だった頃の私が ゆっくりと振り向く

あの子の小さな肩先を 黒いトンボが舞う 
耀く青いカラダを風に乗せて 蝶のように舞う
あの子が そっと 人差し指を立てると 
黒い翅が ふわりと幼い指先に止まるのが見える

振り向いた あの子の視線は 
トンボも 風も 空も  私も越えゆく 
どこか遠く もっともっと その向こうにある何処かへ
あの子を押しつぶそうとする 今ここに抗して 

私は あの子を見つめている 
駆け寄り 抱きしめたい衝動をじっと押さえ 
あの子が探している言葉を この手の中に握りしめて


PHOTO  HIDE

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2016年08月18日(木)

出会いの果実  山内孝一氏

テーマ:ブログ
夏休みを桐生の母の家で過ごしておりました。
今日は、その時間が実らせてくれた出会いの果実をご紹介致します。

私の育った桐生市はアーティストを育てる気風のある街です。
文学では坂口安吾が疎開先として逗留し作品を残しましたし、
歴史家の羽仁五郎、講談社の創設者である野間清治も桐生の出身。
(私の高校時代同期の野間子孫である「野間ちゃん」はシャイな色白美人で芸大を目指す美術女子でした。)

また、古くからの織物の町ですので、近年では素材の共同開発で三宅一生氏や山本耀司氏をはじめとする世界中のファッションデザイナーの活動を支えて参りましたし・・・と、お国自慢は尽きませんが。

そんな気風の桐生では、市の青年会議所・新聞社・ラジオ局などが後援し、大抵の休日には有鄰館という重要伝統保存施設で様々なアーティストによるイベントが開催されております。

私は帰省する度に有鄰館に足を運ぶようにしておりますが、
今回の帰省ではArt Complex 2016 が開催されておりました。
桐生市出身美術家による19人展です。

・・・と、前書きが大変長くなりましたが。(笑)
今回の帰省で、私は桐生出身長野県下伊那在住の山内孝一さんというアーティストとの出会いに恵まれました。
詩的な思索から生まれる作品は、鑑賞する者に肩の力を抜いた自然との交流体験を生んだり、個と個が響き合う場を開く可能性を見せてくださいます。

また、山内さんは下伊那周辺の数校の美術講師も兼任しておられるそうで、教え子の話をなさる彼の笑顔に、ふと難波田龍起先生の面影。
美術の先生が生徒に伝えるものの大きさにまで及ぶ会話に…。

彼は、様々な分野のアート作品を制作しておられるようですが。
何と、鏡シリーズの作品に私を映し、山内さんご自身が撮影してくださいました。とても神秘的で素敵に撮っていただきましたので、皆さまにご覧いただこうと思います。

様々な事情を考慮し(笑)
私が殆ど判別できないような写真を選びました。
どことなくクリムトな仕上がりかと・・・無邪気に喜んでおります。(笑)


PHOTO 山内孝一 


 リンクを張りましたので、宜しければお訪ねください。

☆山内さんのHPへ→ 
現代アート 山内孝一HP

☆有鄰館のHPへ→ 
有鄰館

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2016年08月12日(金)

特別な朝に

テーマ:ブログ

闇から 光は生まれる
生まれた光は 記憶の闇をも照らし直し 
新しい意味を与えて 未来を導く 

あなた
を想えば  
いつも  どこからか頬笑みは来る 
そう信じる そう信じて生きている 

雲の切れ間  
目に見え
ない高みから洩れる 光の束
その 銀色に透る先端から零れ落ちる一滴が 
小さき野花の命を 今朝も潤して耀く   

生まれたての朝 ここにある今  
あなたを胸いっぱいに吸い込む 
世界は こんなに美しい 
あなたが在る世界は こんなにも美しい 


PHOTO  HIDE


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2016年08月09日(火)

長崎忌

テーマ:ブログ

その朝  
教会へと上る石畳の坂に響いた下駄の音 
その日  
教会から下る石畳の坂に もう響かなかった下駄の音 
その朝  
許しの秘跡を求めて坂を上った 信じる者たち 
その日  
許しの秘跡の直中で天に召された 信じる者たち 


彼らは 何も知らずに死んだだろう 
死して彼らは総てを知り 許しただろう 
己が罪をも知るがゆえ  許された自分をも知るがゆえ

天主堂 被爆マリア像の焼けただれた御顔に残るのは
人間を知り尽して尚失われなかった 微かな頬笑み 
そして 聖母は遥かな天を見上げる

幾度悔い 幾度許されても 過ち続ける人間の性
その生臭い息が 今日もマリアの御顔を被爆させ続け 
2016年8月9日の長崎に 祈りの声は響く



PHOTO  HIDE

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