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2014年07月31日(木)

8月の海

テーマ:

塩を含む水に滲みながら
深い青の高みを求めて
群青の面影を追って海に潜れば


海底に築かれた城から

小さな気泡が ひとつ またひとつ

音の無いコトバのように浮かび上がる

あれは誰の息?
あなたの 
それとも 私の?

いいえ 海に沈んでいる歴史の


哀しみに湧いた泡は
ゆっくりと水面へと浮上し 波間で割れて
空気に混じって
少年たちの胸に吸い込まれる

繰りかえす 感情の連鎖と
砲撃と流血と 涙と
また 8月がめぐり来るというのに



PHOTO  山本てつや


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2014年07月26日(土)

夏の宵

テーマ:

湯上りの首すじに

アリュールの香粉 薄くのせ

浴衣は 白地に浅葱の朝顔
紫紺の帯 弛めにしめて 


下駄音ひびく路地を抜ければ
代官屋敷の塀は 夜目に白く

待ち合わせた あなたの影が

未だ冷めない地熱に揺れる


夢のように 時は過ぎて
めぐり来る夏の残りを想う頃
それでもまだ この胸に
風と交わる 風鈴の音の鳴く



PHOTO HIDE

2014年07月22日(火)

Happy Birthday To You

テーマ:ブログ


「 きみの星の人々は、ひとつの花園に5千ものバラの花を育てているけれど、自分たちがなにをさがしているのかは、だれも知らない・・・。 だけど、さがしているものは、たったひとつの花の中にも、ほんの少しの水の中にも見つかるはずなんだ。
でも、目では何も見えない。心でさがさなくちゃね・・・。」

          

   『星の王子さま』サン・テグジュペリ著 三田誠広訳



Happy birthday to you
にんげんたちはね

もう なにをさがしているのかわからなくなっているよって

ただ せっかちにおなじところを

ぐるぐるまわっているだけだよって

そうおしえてくれた ちいさかったきみ


Happy birthday to you 

さらさらと ちゃいいろのかみ かぜにゆらしながら 

かわいたさばくにひかる いどをさがして  

まっすぐに まっすぐにすすんでいった

いつも すこしだけ 

かなしそうなめをしてた ちいさな おとこのこ

Happy birthday to you 
たったひとつのはなのうちに
ほんのすこしのみずのうちに
もとめている いどがあることを
いま 
わたしのまえにしめして
やわらかにほほえむ きみ


Happy birthday to you 

ありがとう

あいがどんなものかを

いつもきみが いちばんたくさん おしえてくれる

おたんじょうび おめでとう

そして きみのバラによろしく














PHOTO 山本てつや



2014年07月13日(日)

人魚姫

テーマ:ブログ

時間なら

まだ 少し残っている
ほんとうに
愛し合うための

想いの澱が沈殿する前に
薔薇色のマニキュアの指先で 
心を攪拌し 泡立てよう
あなたを 私の上澄みで愛さないように


核と核で結ばれるために
限界まで夾雑物を取り除いて
透明な水の中で愛し合うことを望んだ

その願望の不義


生に混じり込む不純物を取り除いた羊水
そこに胚胎するのは もう私でも あなたでもなく
私たちは永遠に出逢うことがない
どこまでも透き徹って いつか見えなくなってしまうだけ


時間なら
まだ 少し残っている
ほんとうに
私たちが出逢うための




PHOTO HIDE


2014年07月10日(木)

蔓草のうた

テーマ:ブログ

見上げれば

其処には 変わらぬ光ありて

同じ光注がれ
愛に生きた人のうたう言葉あり


己が重さを支えきれず
地を這う日々がめぐりきても

生命の先端は いつかまた
光に向かって こうべを上げる


其の突先に宿るのは
新鮮な意志と 湧き出でる
祈り
同じ光受けて 蔓草はうたう

透る命の言葉 眩く放ちて




PHOTO HIDE


クローバー 出逢ったばかりの美しいひと・・・
  詩人、故 永瀬清子姉を想いつつ。 スノウ

2014年07月04日(金)

眠る森

テーマ:ブログ

深い思い眠る 深い森の眠り 
不戦への希求を抱いたまま
沈黙の森に
眠リ続けることを選んだ言葉たち


嘗ての少女が見てしまったもの
戦いのなかで 戦いのあとで
痛みとともに封印された
小さな声が呟いた言葉たち


時の洗礼を受けながら
解き放ちの合図を待って

眠る森に眠る 幼い深傷から滴る 祈りの言葉たち


嘗ての少女たちよ
もう怖れることはない
告発を罰する大人たちは死に絶えた


さあ 目覚めよ

時満ちたと合図の鐘が鳴る
老いた肉体とともに 内なる少女の言葉を葬ってはいけない



PHOTO 山本てつや

2014年06月29日(日)

くちなし

テーマ:ブログ

儚げに 甘く くちなし匂う夜気が 

仄白く滲む 朧な月のように
何処かで 薄闇を照らして咲く花を告げて



咲いた先から 枯れゆく 白の

触れた先から 変わりゆく 白の 

香気立つ 命の息が この胸に混じる



肉厚な花弁に宿る 艶やかな生
其のアロマを
惜しげなく放って薫る 短夜の夢が 
眠った街を柔らかく包む 六月の終わり





PHOTO HIDE

2014年06月22日(日)

囁く海 ⅱ

テーマ:ブログ

あなたという海を知っている 

無数の原子が描く

大きな循環の系に立ち現れる青の

その光と闇と流れと渦とを


移ろいゆく凡てを 

そのままに抱いて 

あなたの息は 青く 蒼く 碧く

囁く


その呼気を この胸に深く吸い込んで 

朧げな光合成を繰り返しながら 

私は言葉と出会う 命の流れの水際で

月のように 満ち欠けながら



PHOTO HIDE




2014年06月17日(火)

囁く海 ⅰ

テーマ:ブログ
 

時間軸に沿って 満ち欠けながら

一方向に進みゆく 生命のプロセ

其処に発生する あなたという美しい現象の

一回性と 唯一性を痛むほどに抱いて
海は
薄暮を前に夕凪ぐ



見るために 目を瞑り 

聴くために 音を遮断して
引き潮の懐かしい揺れに身を委ねれば

白く淡月の透く空に 太陽は残り
月と太陽を宿した海は囁きはじめる



PHOTO HIDE



2014年06月12日(木)

星月夜 

テーマ:ブログ

Starry, Starry Night

噂好きな誰もが寝静まった頃


そっと 月の光を浴びるために

胸に秘めた想いは目覚めはじめる


Starry, Starry night

夜の底をくぐり抜けて


青い星屑たちが降る路面に

甘く夜露は囁きを繰りかえす


Starry, Starry Night

静かな 静かな星月夜


言葉はいつも声にならない

ただ 想いだけが 月下にうたうだけ




PHOTO 山本てつや


あじさい 雨の日が続いていますね。
  何故か 星空が恋しい今宵です・・・。 スノウ



追記
この詩は、私の時間をそのまま切り取ったものです。
部屋に繰り返し流していたのはJoanna Wang の歌う『Starry,Starry Night』という曲。ですから、この詩にある同じフレーズは私の耳が聴いていたフレーズそのままです。
この曲の副題は『Vincent』・・・画家のヴィンセント・ヴァン・ゴッホに捧げた曲です。Don Mcleanの楽曲ですが、私はJoannaのカバーが好きです。『The Starry Night 星月夜』はゴッホの有名な作品の名でもあります。

あじさい この曲のYOUTUBEアドレスを以下に貼り付けますので、文字をクリックして、ぜひ聴いてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=CI9-9ZzYJEI&list=PL46278609B2B65D2B



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