入り江にて | 思い草へ              

思い草へ              

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往く夏のなごりに 入り江をいけば

風は どこからか物語を運んできて

聞き耳を立てていた 背高のっぽのススキが

私の視線に気づいて 咳払いをする



静かね もう 誰もいない

でも 寂しくないよ

すべての青の中に あなたは居る

ほら 世界は 青でいっぱい



思い草へ                                 今ここから思うこと PHOTO 山本てつや