19の頃逢えるような気がした 青い絵の具の匂いの中で パレットには 数え切れない種類の青 青 青 違う彩度 違う明度 違う顔して ひしめき合って それでも たどり着けないもどかしさにまみれながら 無数の青の中に探していた青がある 空の青も 海の青も違う 神秘の青石も 薄青の巨大な氷塊も この涙も 蒼ざめた母よ あなたも違う 持っていた何もかもを鷲掴みにして捨てた19の頃 ごめんなさい 私は 私の青に逢いたかっただけ 19歳 私の物語は まだ はじまったばかり PHOTO 山本てつや