サルサ! (1999年 フランス/スペイン)
フランス人の天才ピアニストのレミは
ニューヨークへの留学を蹴ってまで
情熱の音楽サルサに惹かれていた
以前1年ほど居候させたことのある友人で
キューバ人のフェリペのいるクラブへ
出向きサルサバンドに入れて欲しいと
頼むが白人は雇えないと断られる
変わりにフェリペから伝説のダンサーと呼ばれる
バレートを紹介してもらったレミは
バレートの店で世話になることになったが
バレートの店は来月には閉店しなきゃならないほど
経営が苦しくレミはバレートを助けるため
少しだけかじったサルサで教室を開くことにした
しかしパリではサルサ=キューバ人のイメージが
強いためフェリペからキューバ人になりきる為に
喋り方や踊りなどを教わり、肌の色まで黒くして
名前もボンゴに変え念願のサルサ教室を開くことになる
そして街頭で宣伝をしてビラをまいている所に
ある老婆が偶然そのビラを見て
家族と孫の婚約者家族まで巻き込み
ボンゴ(レミ)のサルサ教室へ通うことになった
その老婆の孫ナタリーにボンゴ(レミ)は
一目惚れをして次第に互いに惹かれ始めたが…
名前からしてダンスもののミュージカル映画かと
思って観たら思ったのと違い映画としてストーリーも
しっかりしていてダンスが詳しくなくても楽しめる映画でした
そしてこの映画は心に響くセリフの宝庫でした
キューバ人を通して黒人差別がどれだけのものか
会話だけで感じさせてくれたシーンでは
いつも明るく笑顔のフェリペにレミが尋ねる
「なぜいつもハッピーでいられる?」
フェリペは真面目な顔して
「幸せだと思うのか
キューバ人になりたいのなら苦しみは笑いで隠せ」
どれほどの苦しみのなかでも
笑うことでその苦しみを乗り越えようとする
そんな黒人社会特有の偏見を表している
そしてバレートがレミに教える言葉は
「女は嘘つきだが 他人の嘘は嫌う」
「赤の他人であろうとも演奏を聴けば心が分かる
心で演奏しなさい」
など含蓄のある言葉で心に響いた
この映画を観て感じたことは
人種や国籍などは記号にしか過ぎなくて
愛情と欲情とは別のもの
本当にその人を愛していれば
記号などは関係なくなるものなんだと思いました
久々に良い方へ裏切られて感動できたので
macoto的にはオススメできる映画だと思います
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