固唾を呑む・・いよいよ始まりました..(|| ゚Д゚)
◆小出裕章ジャーナル~第45回
【これ以上、毒をまき散らしてはいけない。 この国は本当に恥ずかしいなぁと思います...】
http://youtu.be/B_6lAISmY14
聞き手:
(2013年)10月28日、経済産業省は原発の使用済み核燃料から出る高レベルな放射性廃棄物を地中深くに埋める廃棄する、これを地層処分と呼ぶそうなんですが、技術的な信頼性を再評価する作業部会をスタートさせた、と。まず、この地層処分について小出さんはどのようにお考えですか?
小出さん:
ウランという物質を核分裂させて、今、原子力というものをやろうとしているわけですね。ウラン自身も放射性物質でして、元々危険なものです。その危険なものを燃料にして今、原子力をやっているわけですが、ウランを核分裂させてしまいますと、その途端に、放射能の強さが1億倍に増えてしまうのです。
ですから、超危険物を作ってしまうわけですね。その超危険物を何とか無毒化できないかと、もちろん初めから思ってきましたし、今でも、その方策を探っているわけですけれども、無毒化する手段は残念ながら、持っていないのです。70年近く研究を続けているわけですけれども無毒化はできない。となればどこかに隔離するしかない、と思いました。
いわゆる、人間、他の生きている生命から隔離しようとしたわけで、様々な方法が提案されてきました。例えば、宇宙に捨ててこようということが初め考えられましたけれど、ロケットって時々失敗して落っこってくるので、これは無理だろうということになりました。
それから、深い海の底に埋めてしまえば何とかなるんじゃないかとか、南極で捨ててしまえばいいんじゃないかとか、様々な方法が提案されたのですけれども、もし失敗した場合には、地球全体あるいは南極が汚れてしまうということになるわけで、地球あるいは南極が、原子炉の恩恵を受けた国だけのものではないということで、それもすでに国際条約で禁じられてしまいました。
そうなると一体どうやって隔離するのかということになって、もう仕方ない、地面に埋めてしまおうということになって、地層処分という考え方が現在、これしかないという形で残っている唯一の方策なのです。
聞き手:
小出さんね、小出さんはこの地層処分しかないというお考えですか?
小出さん:
もちろん、そんなことはありません。例えば、日本というこの国では安定な地層なんてないのです。世界一の地震国でして、世界中で起きる大きな地震の1割2割がこの日本で起きています。そして、日本で言われている地層処分というのは、300~1000メートルの深い穴を掘ると言っているわけですけれども、地震というのは深さ何キロメートル、何十キロメートルというところで発生するわけで、それが岩盤を割りながら地表面まで断層を表すという、そういう現象なのです。
ですから、300メートル、1000メートル深いというようなことを原子力を進めてきた人たちは言うわけですけれども、決してそんなことはないわけです。おまけに埋め捨てにしたところで、一体何年間そこにじっとしておいてくれたらいいのかというと、100万年なのです。
聞き手:
100万年!?
小出さん:
例えば、東海地震というのはほぼ100年ごとに襲ってきているということがわかっているわけですけれども、100万年に東海地震が何回起こるかというと、1万回も起こってしまうわけですね。それで、なおかつ安全だと言えるような場所が日本にはありませんし、そんなことを保証できる科学は元々ないのです。私はそんなものは到底やってはいけないと思います。
聞き手:
今すでにある高濃度の放射性物質はどうすればいいですか? 小出さんのお考えを少し教えて下さい。
小出さん:
もちろん、一番望ましいことは、私たちの世代で作ったゴミですので、私たちの世代で無毒化するという責任があると思っています。何とかそうしたいと思いますけれども、70年間、研究を続けてきてできなかったというのは、壁が猛烈に厚くて高いということですので、簡単にそれが可能になるとは私には思えません。
そのため、まず成すべきことはこれ以上、毒物を作らないということです。つまり、原子力をやめるということを決断すべきだと思います。
ただし、そうしたところで、すでにこの日本だけでも広島原爆が撒き散らした放射性物質、私はセシウム137という放射性物質を尺度にしているのですが、広島原爆の130万発分もの毒物をすでに作ってしまっているのです。
即刻、原子力をやめなければいけないけれども、すでに作ってしまったそれをどうするのかということに対しては、私たちは真剣に考えなければいけないと思います。
そして、私は地層処分に反対していますので、じゃあどうするのかとやはり問われてしまうのですね。はっきり言うと、すいませんが私も答えがわかりません、という答えなのです。でもそれでは困るので、まずは私たちの黒い目で監視を続けるというのが唯一できることだろうと思っています。
ですから、どこかに少しでもマシな閉じ込め場所というものを地上に作って、そこで長い間、何百年になるのか、何千年かになってしまうのか、わかりませんけれども、きちっと監視を続けるということが今、残されている唯一のやり方だろうと思います。
聞き手:
今日のゲストの本橋さんとは前からお知り合いだそうで…。
小出さん:
本橋さんが『ナージャの村』とか『アレクセイと泉』というような、チェルノブイリを取り上げた優れた映画を作って下さって、その映画の鑑賞会の時に対談をさせていただいたこともありますし、本橋さんがやっているポレポレという映画館があるのですけれども、そこにお邪魔したこともあります。
本橋成一さん(ゲスト): 今の話を聞いていて最近、日本がトルコとかね、原発を輸出しようとしているのは本当に何なんだろうと考えてしまうんですね。
むしろ、原発をなくす技術を日本はうんと訓練して、学んで、そういうのを輸出する方が、本当の3・11の収穫として世界中に寄与できることだろうと思うんだけれど、それをまた新しい原発を輸出するというのは、小出さんはどういうふうに思われますか?
トルコ災害緊急事態管理庁 地震地図
小出さん:
もう本橋さんがおっしゃってくれた通りです。ホント、呆れます、この国は。恥ずかしいなあと思います。
聞き手:
本橋さんの映画、それから小出さんのお話を、是非ラジオをお聴きの皆さん、見たり聞いたりしていただいて、自分の目と耳で確かめて、やはり小出さんが先ほどおっしゃったように、もうこれ以上毒物を増やさない。私たちの孫、ひ孫ですら、解決できない問題を私たち背負っていくしかないですよね?
小出さん:
残念ながら、孫、ひ孫どころか、何万世代、何十万世代、と背負わなければいけないことを今、私たちはやってしまっているというわけですね。
核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み核燃料
NHKスペシャル_“核のゴミ”はどこへ~検証・使用済み... 投稿者 gomizeromirai
再処理などできない、地層処分もできない
(KAZE to HIKARI)
http://www.kaze-to-hikari.com/2013/11/post-62.html
●六ヶ所再処理工場に貯蔵している使用済燃料が、搬出元の発電所に返送されるとした場合に、いくつかの(原子力)発電所において使用済燃料プールの管理容量を超過し、順次、発電所の運転を停止せざるを得なくなる------内閣府原子力委員会、2012年。
六ヶ所再処理工場が『事業困難』になったとき、容量を超えて運ばれた3362トン(容量3000トン)は、搬出元の原発に返すことが青森県と取決められています。挿絵の横棒グラフは、使用済核燃料が各原発に返された時の、運転可能期間を示します。たとえば福島や九州の玄海は、プールが満杯になって運転不能になります。
全国の原発54基の保管プールには、使用済核燃料が現在14200トンあります。六ヶ所の分と合わせると17000トン(2万5千体相当)を超えます。肝心な六ヶ所再処理工場は相次ぐトラブルのために、先月29日、20回目の完成延期を発表しました。現状では、六ヶ所は事実上、共同貯蔵施設となっています。
『再処理』とは何でしょうか。海外の原発は、使用済核燃料は10万年などをめどに、そのまま地中深く保管することになっています(ワンスルー方式)。日本ではこれを『再処理』し、もう一度燃料として使う『核燃料サイクル』を計画しています。独自技術がないので、フランス製の再処理施設を購入し、1971年から東海村に、1993年から六ヶ所村にと作りました。六ヶ所ではすでに「4兆円近くのコストオバーが生じています」(慶応大学 金子勝教授)。
大量の使用済核燃料は、ここで延々と待機しているのです。
こうした中、先月28日、経済産業省は使用済核燃料からでる高レベル放射性廃棄物(数千シーベルト/h)を、10万年管理する『地層処分』について、課題や実現性を「白紙状態」から議論する作業部会を、14年ぶりにスタートさせました。専門家からは、「地震学では10万年先のことは全く分からない」などと地層処分に否定的な意見が相次ぎました。私たちはさらに、「白紙」と言うのならば核燃料サイクルから議論すべきだ、と主張します。
再稼働させ、さらに使用済核燃料を増やすべきではありません。ところが東京電力は、六ヶ所は満杯だとして、5000トンの中間貯蔵施設(乾式貯蔵)を2010年から下北半島で建設し、事業開始を今年10月にするための申請を出しています。さらに今月11日、与党は政府に福島の対策とあわせて「中間貯蔵」建設への国費投入を提言しています。「中間貯蔵」の意味が問われます。
福島市長選新人圧勝:放射線対応 住民「裏切られた」
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20131118k0000m010087000c.html
東京電力福島第1原発事故の放射線被害に苦しむ福島市民の選択は「変革」だった。17日投開票された市長選で、地盤も組織も持たない新人の元環境省東北環境事務所長、小林香氏(54)が、自民、公明などが支援する現職の瀬戸孝則氏(66)をダブルスコアで破った。市民一人一人の現状への不満が大きなうねりとなり、地滑り的な勝利をもたらした。
福島市東部の山あいに位置し、市内でも放射線量が高い大波地区。瀬戸氏にとって出身地の近くにある地盤だが、沿道には小林氏のキャッチフレーズ「変えよう!福島」と書かれたのぼり旗が目立つ。「表立っては言えないが、今回は瀬戸さんには入れない」。住民の一人は声をひそめて話した。同地区では事故後、子育て世帯の自主避難が相次ぎ、児童が二十数人いた市立大波小は6年生1人だけに。来春には休校の見込みだ。しかし、市から地区振興策が具体的に示されたことはない。このままでは地区が消滅しかねず、避難自治体の「仮の町」誘致を模索する動きもある。
瀬戸氏を支持してきた農業の男性(64)の自宅は、除染で毎時1.2~1.5マイクロシーベルト程度あった放射線量が同0.2~0.3マイクロシーベルトに下がった。しかし、裏山で採れるキノコからは基準値(1キロ当たり100ベクレル)の20倍以上の放射性セシウムが検出され、放射性物質への不安から沢水も使用できなくなった。「被害は無い」「安全」と強調する市の姿勢に「実態を調査しようとしていない」との不信感が生まれた。変化を求めて小林氏に投票した。
大波地区に隣接する渡利地区で中学2年と小学5年の子ども2人を育てる会社員、菅野吉広さん(45)も現市政に失望していた。放射線量が局所的に高いとして「特定避難勧奨地点」に指定されれば、避難費用や月10万円の精神的賠償を受けることができる。しかし、市は「避難よりも除染を優先する」として国に指定を求めなかった。菅野さんは「住民の側に立って政府に何を要望してもらえるかに期待していたが、裏切られた」と話した。
【深津誠、蓬田正志、喜浦遊】
石破幹事長の「原発新設検討」は再稼働を既成事実化するための見え透いた政治的ハッタリ(秋葉龍一)
http://akiba1.blogspot.jp/2013/11/blog-post_17.html
自民党の石破幹事長が「原発の再稼働がよくて新設がだめだという話は成り立たない」と述べた。
これ、ハッタリかましてるよね。
この発言のねらいは「新設」ではなく「再稼働」なのだ。
再稼働を目論むため、新設をもってきたわけだ。
むろん、原子力ムラの本音というか願望としては、新設したいはずだ。だが、現情勢のなかで、原発が新設できるなんて考えられない。
この発言、まず「原発の再稼働がよくて」と前ふりしているが、ここがキモ。
いったい、いつ、だれが「原発の再稼働がよくて」なんてことにした?
だれも「再稼働がよい」なんて、言っていないし、想っていない。
事実、国民の圧倒的多数は再稼働に反対している。
再稼働がよい、と考えているのは原子力ムラの構成員だけだ。
それを「原発の再稼働がよくて」と、あたかもそれが既成事実のように述べて、「原発新設」というトピックなネタをもってくることで、再稼働はもう決まった話、としたいわけだ。
で、なぜ再稼働を既成事実化したいのかといえば、再稼働することへの政治的懸念があるから。
原子力ムラとその傀儡である安倍政権は、再稼働を具体的に提示した瞬間、安倍政権への支持率が急落することをおびえているのだ。
また、あの「再稼働反対」の集会・デモが沸騰することへの危機感もあるだろう。
再稼働したい、でも再稼働したら政治的にやばい――。
この葛藤と焦燥から「原発の再稼働がよくて」発言となったのだ。
あの言っておくけど、「再稼働」はもちろん、原発の存在そのものも認めていないんだからね、そこのところ忘れないようにね。
それにしても、こういう見え透いたハッタリを、それをそのまんま報道するNHKって、なんなのだろうね。
自民・石破幹事長、原発新設を全面否定せず
http://youtu.be/CbZ9fcyMPDU
(再掲)
小出裕章:4号機燃料プールが崩壊すれば日本は おしまい です
http://youtu.be/xUeFbVn0SZU
福島第一原子力発電所4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業の進捗状況について(東京電力)
http://photo.tepco.co.jp/date/2013/201311-j/131118-01j.html
構内用輸送容器の吊り上げ
後藤政志 福島第一原発4号機燃料取り出し技術的問題と1号機格納容器のサンドクッションドレン管の漏えいについて
http://youtu.be/7z3t1S4HwhE
後藤政志のblog http://gotomasashi.blogspot.jp
【福島第1原発】
いよいよ開始される4号機核燃料棒取り出し作業
~固唾を呑む世界各国、能天気な日本~
(暗黒夜考~崩壊しつつある日本を考える~)
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/8004e3ee97067d2e53c9b94af4d0add3
明日(11/18)より、いよいよフクシマ原発4号機燃料プールからの核燃料棒取り出し作業が開始される。
日本の将来を左右しかねない重大な作業にも拘らず、当の東電は万全の準備をすることなく、直前にまったく緊張感の感じられない予行演習をしたのみで不安極まりないという体たらくぶりであるが、指導的役割を果たすべき政府・経産省(原子力規制委)も同様、一体何を考えているのだろうか?という能天気ぶり対応である。
そして何より心配なのは、以下の「THE NEW CLASSIC」記事にて指摘されているように、4号機燃料プールに損傷した燃料棒が3本あり、現時点で東電はこれを如何にして取り出すかについて何ら具体策を持っていないという点である。
さらに1号機に70本、2号機に3本、3号機に4本の損傷した燃料棒があることが明らかとなっており、改めてフクシマの収束が如何に困難を極めるかが思いやられる次第である。
それにしても万一のことがあれば日本全土、そして北半球が未曾有の放射能汚染に晒される恐れがあるというのに、この国は何と呑気な空気に包まれているのであろうか?
それもこれも、政府や大手マスコミが4号機燃料プールからの核燃料棒取り出し作業を”矮小化”してきたせいであることは言わずもがなであろう。
ロシア・トゥデイが指摘しているように、「今回の作業が極めて過酷で危険な作業であり、1つでも誤ちを犯すと恐ろしい量の放射線が大気中へと放出され、当初の災害よりも多数の爆発を引き起こすことになる」という事実を国民一人ひとりが認識しなければならない話である。
ここに至っては無事にすべての核燃料棒が回収されることを祈るよりほかないのやも知れないが、「やれるだけのことはやった」という実感が全く持てない中で、こんな危険な作業が開始されることに改めて強い憤りを感じる次第である。
最後に、皆さんに是非とも認識しておいていただきたいことは、311直後同様、万一の事態が発生したとしても政府も東電もその事実を隠蔽し、一般市民への避難勧告が適切になされることなどまずもってないということである。
即ち、万一の際は国民の安全・生命よりも国体の維持が優先され、SPEEDIによる放射性物質の拡散予測が周辺住民の避難に活用されることなど期待するだけ無駄ということである。
兎にも角にも、明日以降、いざという時に備え、よくよく耳を澄ませて福1の状況を見守ることが肝要であろう。
※参考「【再褐】 福島第一原発4号機が「爆発する危険性」 3000万人に避難勧告、そして日本は終わる」
(転載開始)
◆福島第1、明日から燃料取り出し:アメリカも支援
Nov 17 2013 THE NEW CLASSIC
東電は、いよいよ明日18日より東京電力福島第1原発4号機の燃料貯蔵プールから燃料の取り出しをはじめる。つい先日にも、すでに東日本大震災以前から1号機の燃料棒が大量に損傷していたことが明らかとなったが、東電の情報開示や安全への対策については不信感が強まっている。こうした中で、大掛かりな燃料の取り出しという事業が進められることで、ミスや事故がないままに作業を終えることが出来るか注目が集まる。
○廃炉工程の第一段階
今回の作業は、すでに廃炉が決定した1~4号機のプールから本格的な燃料取り出しをおこなう事故以来初めての試み。廃炉作業には30~40年がかかるとみられているが、その第一段階になるとともに1年近くかかる燃料取り出しという一大プロジェクトが始まることを意味している。新燃料202体、使用済み燃料1331体が保管されているプールから、放射線量の少ない未使用燃料よりとりかかる予定で、東電は「重大な事故になる可能性は低い」と述べている。
しかし、使用済み燃料のうち3体は破損しており、これらをクレーンでつりあげて「キャスク」と呼ばれる容器に治めるのは困難であることから、後回しにされる。破損のないものであっても、この作業は少しのミスによって致命的な事故に繋がる可能性もあり、これまで以上の慎重さが求められる。
○海外は大きな注目
この作業は、日本においてはそれほど注目されていないかもしれないが、一方でアメリカなど国際社会からは非常に関心が高く、「大掛かりな作業(major operation)」のためにアメリカ合衆国エネルギー省が支援を行うことが決定している。同省長官や当局者らは、11月初頭に福島第1原発を訪れて汚染水や貯蔵タンクなどを見学し、18日から始まる作業にむけて意見を交換した。
また、ロシア・トゥデイは今回の作業について以下のように伝えている。
4号機における燃料の除去は、東電にとって最も過酷で危険な作業だと言われている。1つでも誤ちを犯すと、恐ろしい量の放射線が大気中へと放出され、当初の災害よりも多数の爆発を引き起こすことになる。
◆震災前から1号機の燃料棒70本が破損:東電
Nov 17 2013 THE NEW CLASSIC
福島第1原発1号機の使用済み燃料プールの中にある燃料棒70体が、東日本大震災前からすでに損傷していたことが明らかになった。これは、プールの中に保管されている使用済み燃料292本の約4分の1であり、これほど大規模な問題について事実関係が15日まで明らかになっていなかったことで、東電には再び批判が集まっている。
○廃炉作業などにも影響が懸念
現在のところ、損傷した燃料棒を取り出す技術は確立していないことから、2017年をめどに始まる燃料取り出し計画などに影響が懸念される。すでに、今月18日からは大規模な燃料取り出しが4号機プール内で始まり、わずか3本の損傷した燃料棒を取り出すことにも慎重な対応が求められている。
これで福島第一原発には、1号機に70本、2,4号機に3本、3号機に4本の損傷した燃料棒があり、東電は新たな施策を迫られることになった。今回の問題について、同社はすでに国に報告をおこなっていると説明しており、「1号機は当社で最も古い原発で、燃料棒の製造時、品質管理に問題があり粗悪品が多かったと聞いている」と述べた。
初の燃料棒取り出しが4号機ではじまることを前に、東電に対する不信感は再び高まっている。
(転載終了)