マチャアキの旅。 | 夜遊びする頃を過ぎても

夜遊びする頃を過ぎても

映画を観たり、編みものしたり。←どちらも停滞中。。。
日々の記録帳です。←もはや日々でもなく。

「街の灯」を観にラピュタへ。
チャップリンじゃないよ、マチャアキです。

高木壮太さんがおもろいってツイートしていたらしい森崎東作品なので、初めて観てみました。
おかしみと切なさをかき混ぜて作ったような映画、面白かった。
と思ったら、チラシにもおかしみとペーソスと…と書いてあり、まんまの感想を持っちゃった。
駆け巡るマチャアキの冒頭シーンで、いきなり画面に引き込まれ、期待が高まるも、
その後の展開がどっかおっとりしてるのは松竹風味なのでしょうか。監督の作風なのか。。
映画会社によって明確にカラーが違うんだなあ。
東映だったら、もっと煮詰めて濃縮状態にしちゃいそうです。
あと、キャストのせいかテンポのせいか、芸能界~って感じが、作品の印象です。

始終、画面いっぱいに転げ回っているマチャアキが、すごい!
コミカル芝居も繊細な演技もうまくて、芸達者ぶりに驚いちゃった。
おもえばこの人、サラブレッドじゃん…と再確認です。
特に女子プロレスラーにぶちのめされるシーンは、一番インパクトありました。
あまりにもやられすぎて天晴。あれで死なないのが不思議…。
度を過ぎた時に理屈抜きに笑ってしまうように、爆笑のツボを押されて大変でした。
話にはあまり関係もないシーンなのに…と思ったけど、花子の心がわかる大事なシーンだったのかな…。
☆3つ~ッ!

おんぼろおでん屋の吉田日出子、そこに半居候状態の財津一郎とマチャアキのコンビは、
金持ちのひひじい相手にポン引きをしている。
奇妙なドリカム状態だけど、3人とも戦争孤児という設定。

ちなみに金持ちひひジジイは森繁、社長シリーズと地続きに見えちゃう。
フツーの会社員なんかの方がよっぽどフツーに悪い事してると思う、と言ったのはたしかリリーフランキー。

やるせないブラジル帰りの笠智衆。朴訥としたお父さまやおじいさんじゃない笠智衆はすごくいい。

ほかフランキー堺と研ナオコ、田中邦衛などなど登場。

74年って、まだありありと戦後なのだ。
ゼロから出発し、ひょんなことから夢に手が届きそうになるがやっぱり届かなくて、でも生きてかなきゃみたいな。
そういう話が多い気がするなあ。
儚くハジケ飛ぶマチャアキの、夢のような旅~。
CMガール栗田ひろみの、「元気で生きていこうね~!」のガッツポーズが泣ける。

ガロって、ボ~ブ~ディラン~しか知らなかったんだけど、挿入曲は、カントリー調でロードムービーにピッタシ。
本人達も集団万引き役でちょい登場。

面白いけど変ちゃ変な映画だったなあ。
ポスターのセンスからも感じられるけど、ポン引き家業のわりに、やさぐれ度ゼロでホームドラマ的無難さ。
なにか胸に突き刺さらないのは、このお上品感なのかも。

ラストのマチャアキの「なんか変だぞ!?」が頭にループしながら映画館をあとにしました。

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