えむ心理研究室 臨床心理士えむです。


ご覧いただきありがとうございます。


今回はPTSD(外傷後ストレス障害)の症状と治療について、ご説明します。



PTSDとは


PTSDとは、外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder)の略称です。


米国精神医学会(APA)のDSM-IV-TR(精神疾患の分類と診断の手引)※1では、

次の3点がPTSDであるかどうかのチェックポイントになっています。


***

①外傷的な出来事に遭遇している

②外傷的な出来事を再体験し続けている

③体験した外傷と同じような出来事に対して、回避したり、反応が麻痺したりしている

***



①の「外傷的な出来事に遭遇している」とは、次のようなことを意味しています。


 ・身の危険を感じるような出来事を、体験したり目撃したりした。

 ・その出来事に直面したとき、恐怖・無力感・戦慄を経験した。





②の「外傷的な出来事を再体験し続けている」とは、次のようなことです。


 ・つらかった出来事を、思い出そうとしていないのに何度も思い出してしまう。

  同時に、体験したときの感覚や考え、風景なども脳裏によみがえってしまう(フラッシュバック)。


 ・つらかった出来事についての夢を繰り返し見る

  (子どもの場合は、内容がはっきりしないけれども、恐ろしい夢、悪夢として現れることもある)


 ・つらかった出来事がまるで再び起きているかのように感じたり行動したりする。


 ・つらかった出来事と同じことや似たことに対して強い苦痛を感じる。


 ・つらかった出来事と同じことや似たことに直面すると、身体的にも苦しくなる。

  (パニック状態のようになる)




③の「体験した外傷と同じような出来事に対して回避したり、反応が麻痺したりしている」とは、

 次のようなことです。


 ・つらかった出来事と関連したことについて、思考や会話をしないようにする

 ・つらかった出来事を思い出させるような場所や人物を避ける

 ・つらかった出来事の一部を思い出せない

 ・自分が重要だと感じる活動を、面白いと感じなくなったり、参加しなくなったりする

 ・周りの人から疎遠になっている・孤立していると感じる

 ・「愛することができない」など、感情の範囲が狭まる

 ・「結婚は期待しない」「仕事に希望が持てない」など、未来が短縮したような感覚がある



これらの①~③のうち、

①は2つとも、

②は1つ以上、

③のうち3つ以上、

あてはまると、PTSD(外傷後ストレス障害)の可能性があります。





PTSDの症状


PTSDの症状は基本的には「持続的な覚醒亢進症状」です。


「持続的な覚醒亢進症状」として、次のうち、

2つ以上の症状が見られると、

また、症状が1ヶ月以上続くと、

PTSD(外傷後ストレス障害)の可能性があります。


 ・なかなか寝付けない。または寝てもすぐに目が覚めてしまう。

 ・イライラしている。爆発しそうなほど怒るときがある。

 ・集中できない

 ・警戒し過ぎる

 ・過度に驚愕する反応をしてしまう




PTSDの治療


PTSDの治療の多くは、心理療法を用います。

カウンセラーとの信頼関係の中で、

外傷的な体験についてや生活上のことについて語り、

心を整理していきます。


カウンセラーは、外傷的な体験を持つ方が、

その体験をその方なりの方法で受け止めつつ、

穏やかな日常生活を送っていけるようにカウンセリングします。


不安が大きいや眠れないときには、

カウンセリングだけでなく精神科のお医者さんと連携し、

薬物療法を併用します。






「PTSDかな?」と思ったら


PTSDだと思うけれど心療内科等には抵抗があるとき、

PTSDのことを誰にも相談できなくてつらいとき、

PTSDと判別がつきにくいとき、


えむ心理研究室へ、いつでもお気軽にご連絡ください → メールフォーム


PTSDの方、PTSDかもしれない方に、適切な助言をさせていただきます。


心揺さぶられる体験をするのは非常に苦しいことです。

特にそれが急激に襲ってきたり、自力では避けられない体験だったりすると、

心に傷を受けたままうまく立て直せないこともあります。

心理的な援助を受けたほうが、より早く、外傷体験をする前と同じ日常生活を取り戻せます。


どんな方でも、大変な出来事があれば心が揺れ、一時的にパニックのようになります。

通常であれば、数日で嵐のような心はおさまり、

抱えきれる程度の悲しみや怒りとして経験されていきます。

かと思えば、何日も何年もたった後に、急に怒りや悲しみが思い出されることもあります。


他の人にとっては特に「つらい」とは思わない体験も、

ある人にとってはとてもつらいと感じられる体験もあります。


外傷体験となるかどうかは人それぞれですし、

PTSDになるかならないかも、タイミングによることもあります。


「こんなことでPTSDになるなんて、おかしいんじゃないか」

「PTSDになるなんて、心が弱いせいなんじゃないか」

とは思わないで大丈夫です。安心してください。


PTSDは、体験した心の揺れを、どう受け入れようか迷っているだけです。

心の揺れがおさまり、外傷体験が整理されれば、不快な症状も解消します。

そして必ず、以前よりもっと成長することができています。




PTSD(外傷後ストレス障害)について、でした。


ご不明点、ご質問等、ございましたらお気軽にメール でお問い合わせください。



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※1 精神科のお医者さんの多くが、患者さんを診断する時の主な基準として用いています

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