映画「君の名は。」を観て語ったことを書いた。
今日は、観ていない友人と語っているうちに見つけたことを書きます。
「君の名は。」はエンタメ作品としてよくできた映画で、多くの人が楽しめるはず。
でも、残念なところもあったなあ、という点について、この記事では書いてみます。
ネタバレも含むかもしれません。しかもネガティブ方向からの記事なので
これから観る予定の方は、あとからお読みくださいませ。
さて、残念ポイントは3つ。
1)ラストシーン
ラストシーンの風景があまり美しくなかった。
そこまでの風景描写が素晴らしかっただけに、え、これがクライマックス?という肩透かし感。
バックも構図も、ありきたりな印象。
そしてセリフも、、、、残念。
2)セリフ
タイトルが期待させるほど、文学性が高くない。
だけどこのわかりやすさが受けている要因のひとつなのかもしれない。
3)キャラの薄さ
女子たちは全員、記号的な役割を忠実に演じていて、生きている感じがしない。
と思ったところで、主人公瀧もまた、薄いことに気づく。
男子の中では、てっしーが一番、人間らしい感じがした。
この3点が私の残念ポイントなんだけど
じゃあなんで楽しめたかというと、
このキャラの薄さは
「地味な椅子」効果をあげているのではないか……?
地味な椅子には抵抗なく座れる。
前回の記事にも書いたように、例えば私なら「地方で閉塞した女子高生だった」という共通点でもって、スムーズに三葉の横に立ち、そのまま三葉席に座り、シートベルトを締める。
するとガタンゴトンとジェットコースターは助走をはじめ、そのまま壮大なビジョンを次々展開してってくれる。
私達は身動きもせずにそのエンターテインメントを2時間堪能する。
椅子が地味だとも意識しないくらい自然にそこにあって
それよりも派手な宇宙の星たちや花火、自然、街の描写と不可解で刺激的なドラマ(入れ替わりとか、町が消えるとか)に巻き込まれていく。
そうか~
強烈なリアリティや魅力を発するキャラクターでなくとも
地味な椅子のように引き寄せて、物語に引き込むということもできるんだ。
これは新たな発見でした。
決して作品がよくないと言っているわけでなく
むしろ「やられた!」。
地味な椅子にまんまと座ってしまったよ。
そしてスペクタクル堪能したよ。
そんで、最後に失速して降り口に乗り物が止まった時に物足りなさを感じたよ。
そういうことだ。
最新技術の最速ジェットコースター、3Dビジョンつき。
それが映画「君の名は。」
もうひとつ思いついた。
トークには自信ないけど、彼女を夜景の美しいところへ自慢の車で連れて行く善意の男子
それが映画「君の名は。」
ちなみに、私の個人的な体験で。
素晴らしいセリフとともに、夜景の素晴らしいところへ連れていってくれた男子が過去に居た……。そのセリフは夜景とともに私の脳内想い出箱に20年経ってもまだ残っている。
だから、新海誠監督に次回期待すること。
キャラの薄っぺらさはもしかしたらまだそのままでもいいのかもしれないけど
「20年後にもまだ刺さっているセリフ」を
美しい映像と
派手なドラマとともに繰り出す作品を。
原作、脚本、監督のうち、脚本にもう少し「言葉を研いでいる人」のエッセンスが入るとよいのでは……。と思ったのでした。
※新海監督、ファンのみなさま、この映画を気に入っているというみなさまには大変失礼いたしました。一個人の勝手な感想です。勝手な感想を自由に発言できる世の中でありますように。
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誰そ彼どき。
私は逢魔が刻、という表現が好き。
誰かと入れ替わったり、時空がねじれるようなことも、この時間には起こりそう。