先日は、IFRSの大きな特徴である、
コンバージェンス、アドプション、そして原則主義
についてお話しました。
原則主義のもとでは、今までにも増して
経営者がIFRSを正しく理解して適用し、対外的に説明
する責任を負うことになりますので、責任が重大です。
近い将来全面適用になる可能性が高いとしても、
それはいつなのでしょうか?
1.導入スケジュール
実をいうと、全面採用の導入スケジュールについては
まだ結論が出ていませんが、
① コンバージェンスを終わらせる
② まずは日本基準との選択適用から
③ いつ適用するかを決める。
④ しばらくの間は全面採用のための準備期間
⑤ 全面採用
というのが大きな流れです。
①がコンバージェンス、
②以降がアドプションにむけた動きです。
2.まずは選択適用
IFRSをスムーズに導入できるよう、
2011年までにコンバージェンスを
ひととおり終わらせたあとは、
しばらくの間は日本の会計基準と国際会計基準の
どちらかを選択適用するかたちで導入し、
その後、強制適用に移る方向のようです。。
2010 年3月期の決算期から、
国際会計基準を(全面)適用することが
できるようになります。
ということは、3月決算の会社であれば、
なんと今期から、
国際会計基準で財務諸表を開示する会社
が出てくる可能性があるのです。
国際的に事業展開する会社であることは間違いないですが、
1号はどんな会社になるのでしょうね
新聞などに出ると思いますので、
チェックしてみてください。
3.強制適用するかはいつ決まるの?
国際会計基準を強制適用するかどうかは、
アメリカの1年後、2012 年中に決定される予定です。
そして、実際に強制適用になるまでに
最低、3年間の準備期間が設けられていますので、
(決算の時期がいつかにもよりますが、)
最短で2015 年頃には強制適用となる可能性が高そうです。
皆さんは、準備期間3年をどのように考えますか
時間があるようにも思いますが、この間に
会計処理の確定、内部統制システムの整備や人員の確保、
教育などすべてを行う必要があるのですから、
あっという間に過ぎてしまうと思います。
余裕はないのではないでしょうか。
4.どの会社に必要なの?
肝心な適用する範囲ですが、
まずは"上場会社の連結財務諸表"
に対してのみ適用されます。
もともとIFRSが設定された理由は
財務諸表を国際的に比較可能にする、
ということでしたよね。
単体財務諸表にも国際会計基準を導入するか、は
今後議論が進められる予定です。
【KeyWord】今回は特に新しい専門用語はありません。
このブログでは、今後はIFRSに関して
・原則主義以外の大きなインパクト
・財務諸表ががらりと変わる
・不動産がリスク資産に!?
・内部統制構築で注意しなければならない点
などについてコメントしていきたいと思います。