瀬野です。
えーっと。
最後の方に追記はあるけど、
今回は新しい記事じゃないのです。ごめんなさい。
初め、前回の記事と今回の記事は一つのエントリだったのですが、
どうもあまりに長すぎる気がして仕方なかったもので、二つにぶった切りました。
いやー、すっきりした。
あと、プロフィールやサイトへのご案内なども整理しました。
なんか、自己紹介とか、アクセスアップを意識して妙に飾った文章を書いてたんですよね。
でも無理すぎる気がしてきました。
瀬野的にとてもいい感じになりましたよ！
* * * * *
さて、前回のエントリに関連して、
タイトル「あたしこのパイ嫌いなのよね」についての話。
これはあの「魔女の宅急便」の中のセリフです。
ジブリのアニメ映画の方だからね！！
ほとんど言わずもがなだけど、いちおう状況を説明するよ。
主人公は宅配の仕事を始めることにした。
で、あるとき、ある上品なお婆さんに頼まれて
お婆さんのお手製パイを、お孫さんの誕生日パーティーに届ける仕事を引き受けた。
お婆さんは超いい人で、しかもパイを焼くのにオーブンが壊れて困ってたので
主人公はパイを届けるのみならず、パイを焼き上げるのを手伝ってあげた。
焼き上がったパイを届ける途中で大雨が降ってきたので、
主人公は大事なパイを濡れないようにしっかり守って
そして大変だったけど、無事に誕生日のパーティーにパイを届けることが出来た。
で、「あたしこのパイ嫌いなのよね」てのは、
そのパイを受け取ったお孫さんのセリフ。超有名だね！
あのね、
初めてこのシーンを見た時、瀬野は「このアバズレひでえ女だ」と思った。
瀬野の父ちゃんもそう思った！
まあ、これはこの映画を見た大体のよい子のみなさんがそう思う所だけどね。
ただね、ここではね、
ちょっと、このお孫さんの立場で考えてみたいんだ。
あのね、
このお婆さんは決して悪くない。とてもいい人だ。
そしてパイを届けた主人公も決して悪くない。いい人だ。
また、主人公がお婆さんを助けたくて、パイを一緒に作ったことも、全然悪くない。
でもね、
だからといって、
このパイ子さんにとって、「あたしこのパイ嫌いなのよね」ということは
「絶対に思っちゃいけないことではない」のです。
これはパイ子さんの素直な気持ちだ。むしろ否定しちゃいけない。
いくら周囲の人にパイ子さんを不快にさせる意図が皆無だったとしても、
パイ子さんが送られてきたパイにうんざりすることや、
自分で自分に「あたしこのパイ嫌いなのよね」と考えることは
全然OK なのだ。
まあ、もうちょっと器用な子なら、
主人公の前で口で言ったりなんかしないところだね！
昔の瀬野はね、こういう時、
「だれも私を傷つけようとしていなかったのだから、
私も『このパイ嫌い』だなんてこと思っちゃいけない」
って、自分の気持ちをなかったことにするタイプだったんだな。
でも これって自己否定 なんだよ！
昔の瀬野よりも、このパイ子さんの方が
ちゃんと自分を肯定できてる、自分の気持ちに素直な子だったのだ。
* * * * *
さてもう一発、
もうちょっとツッコんで考えてみよう。
この時点で、このパイ子さんにとっては、
主人公はただの「パイを持ってきただけのずぶぬれの見知らぬ女の子」だ。
この女の子が、よもや自分のお婆さんと仲良くなって
この持ってきたパイを一緒に焼いていただなんて、
この時点のパイ子さんには ま っ っ っ っ た く 知らない。
だからパイ子さんはふと「あたしこのパイ嫌いなのよね」と口走って、
そして主人公は痛く落ち込むことになる訳だけど、
でも、パイ子さんにとってこの時点の主人公はそんなに大事な人じゃない。
多分、それでもおばあちゃんの方がパイ子さんにとっては大事な人。
今の瀬野はね、
「あたしこのパイ嫌いなのよね」をお婆さんに直接言ったりなんかして
お婆さんとの関係をこじらせたりとかはしてなさそうな分、
このパイ子さん実は割といい子かもよと思うのだ。
その分、なんか主人公が傷つく成り行きになっちゃったんだけどね。
とにかく、あくまで
パイ子さんが「あたしこのパイ嫌いなのよね」と思うことはOKなのだ。
自分の本音に素直になること、自分を肯定することは、
それは、ときには誰かを傷つけてしまうことがある。
でも、関係者の誰にも悪意がないのなら、
それは、どうしても仕方がないことだ。
それでも、
「あたしこのパイ嫌いなのよね」と
自分が感じてしまったことは、なかったことにしてはいけないのだ。
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