太陽のようなひと―本田美奈子. | 星詩-ほしうた-暮らし

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星占いと詩作(ことば)のコラボ生活...およびいわゆる占いウォッチャー(笑)+「占星音楽-ほしうたうらない-」コンテンツ発信に向け、現在ゆる々絶賛奮闘中

昨年放送された、故・本田美奈子.さんの

追悼番組の録画ビデオを見ました...


番組では実際の闘病生活の様子が、

無菌室の病室で撮影された写真や

直筆の詩、または後に同じ病院に入院

してきた、知人で作詞家の岩谷時子

さんとの交流録音テープの彼女自身の

肉声などで、克明に綴られ語られていた。


そこにあった彼女の信じられないほど

明るい笑顔や、人なつこい喋りなどが、

とにかく印象的だった...実際には彼女は、

急性骨髄性白血病という、200万人に1人と

いわれる難病に侵されていたというのに。



なんという偶然か?奇しくも彼女も

獅子座。1967年7月31日、AM11:17、

東京都葛飾区出身。あらためて彼女の

チャートを見てみたが、私自身も持って

いる、「ゆりかご」という意味の台形型の

クレイドル(私の場合は+頂点を持つ

Tスクエアが複合したクリスタルという

形)を、持っている方だった。


月と海王星のオポジション(180度)に対し、

MCに近い水星は月と60度、海王星とは120度。

そして11室にある世代アスペクトである天王星

冥王星+金星の合は月とは120度、そして

海王星とは60度となり、両側から上記の

月と海王星オポジションを調停している形。


芸術的な天賦の才と、そして周囲の人々の

愛情にも数多くめぐまれた、明るさや優しさの

感じられる座相。クレイドル自体、周囲からの

援助そのものが期待できるという、比較的

ポピュラーな台形型の特殊アスペクト。


そして、なんといっても目を引くのが、その

中心の10室(MC)に鎮座する太陽と木星の

ゆるい合...その天頂に位置する獅子座の

太陽は蠍座にある火星とスクエア、そして

木星は、牡羊座の土星とトライン(120度)。

さらに太陽と牡牛座の月もゆるいスクエア。


台形型のクレイドルだけだと、割と弱く

どっちつかずの印象だけど、そこに

ほぼ真ん中に位置する10室の太陽と

木星は、かなりのインパクトを彼女に

授けている。ある意味これらは、私の

持つクリスタルと同様の意味がある?

というより、少々ゆるめのクリスタルと

見た方がよいのかもしれない。(海王星と

太陽木星はアスペクトを取っていないけど


しかもそれらが、10室の太陽は1室火星と

90度、そして同じく10室木星は6室土星と

120度。10室も6室も仕事を意味するハウス

である。この木星と土星のアスペクトは、

それぞれ社会的な惑星なので、あまり

個人のプライベートなことには、直接

関与して来ないが、それでも社会的に

活躍し、成功できる素質が十分。


そして彼女の獅子座太陽と蠍座の火星との

スクエアは、彼女自身のエキセントリックとも

思える、他に埋もれてしまいたくない、強い

独立心と自己主張を暗示しているかのよう...

アイドル時代のへそだしルックなどは、その

最たるものかも。元々芸能の素質もあり、

芸能界への進出は、このクレイドルの形や、

エンターテインメントの星座である獅子座の


太陽(しかも社会的な成功を意味する10室!)

と木星をみれば一目瞭然。しかも彼女は成人後、

アイドルからミュージカル女優へと華麗なる脱皮

をはたし、ここにもしっかりと、この太陽木星と、

チャレンジ精神を促す火星や着実に前進する

力を与える土星の加護の下にあったことが窺える。


それに月と金星の60度、さらに月と冥王星の120度

は、母親との絆が、とても深いことも如実に暗示。


明るく周囲を照らすような人当たりのよい人気者

の彼女。11室にある金星などからも、多くの人から

の援助や人気などが彷彿とさせられる。そして1室に

あるエネルギッシュな火星が示す通り、常に新しい

目標をめざし、それに向かって一歩一歩前進する。

そんな彼女をなぜ、突然の病魔が襲ったのか...



昨年1月、彼女が自身の病名を告知された

時、ちょうど試練の星・土星が、彼女の10室

の基点であるMCの蟹座25度付近を通過中

だった。奇しくも彼女の蟹座のMCは、天秤座

アセンダント(ASC)とスクエア。なので、MC

への土星合のヒットと同時に、ASCに対しては

このトランジットの土星はスクエアとなり、


かなり厳しい星回りだったのだと...しかも、

その時、その天秤座アセンダントには、

なんと木星も同時に合。元々持っていた

アセンダントとMCのスクエアについては、

正しい解釈は判らないけれど、それでも

生まれつき困難や逆境に晒されやすい

人生となりやすいような気がする。


※アセンダント(ASC)=本人の見た目の

印象や体質などを含めた気質のような

ものを表す。ホロスコープ上の東の

地平線に位置する。上昇宮ともいう。



そのASCとMCスクエアに、運命の悪戯の

ように乗ってしまった土星木星のスクエア...

元々社会性を意味する惑星同士だけに、

そのスクエアは社会的な困難を示すが、彼女

の場合、確かにこれまで順調に歩んできた

ミュージカルの舞台を、あきらめざるを得ない

という状況に病魔によって立たされたのだが...


よくよく見れば、昨年1月のトランジット

チャートでは、木星の乗った彼女の

アセンダントに対して、対岸の牡羊座の

土星が180度に。度数自体は6度差で

タイトなオポジションではないけれど、

それでも生まれつき月土星180度を

持っており、それに蟹座MCを加えると、

Tスクエアの形になってしまう。


ASC・MC・土星のTスクエア...

そして、これらに乗った形となった、

土星と木星スクエアの昨年の座相...

これらは奇しくも、彼女の最も弱い

部分を直撃した格好になってしまった...



白血病は、血液の癌といわれ、

血中の造血作用のある白血球が

極端に失われてしまう病気。しかも彼女

本田美奈子さんの場合、染色体にも

異常をきたすという、難病中の難病だという...


そういえば、彼女の月は遺伝を表す、

8室にある...その牡牛座月と獅子座の

木星がゆるいスクエア。そして対岸の

蠍座海王星とは、強いオポジション。


獅子座にある太陽と木星の合から

考え合わせても、やはり心臓や血液、

それから脊髄に関係する病気というのは、

獅子座の方が最も侵されやすい病とも

いえるかもしれない。しかも火星は、

急性の病気を意味し、蟹座や木星は

ずばり癌を意味したりもするよう。


獅子座の太陽と木星、その太陽と

火星のスクエア、そして蟹座のMCに

重なったトランジット(T)土星と、同じく

ASCに乗ったT木星... 彼女の病気は、

この時、必ず来るべき運命として、

彼女自身の人生を覆ってしまったのか...



しかしその後、へその緒や胎盤などに

造血作用を促す細胞が多く含まれる、

臍帯血移植を施すことによって、一時期

重篤だった彼女の容態は奇跡的に回復。


そして、自身の誕生日前日の7/30に、

待望の退院。この日彼女がこれまで

お世話になった医師やナースの皆さん

の前で歌った「アメイジング・グレイス」

は、まるで天使の歌声のようだった。


この日のトランジットチャートを見ても、

依然、網目のようなスクエアの赤い

重なりは消えないものの、金星は

彼女の火星に対して60度、そして、

月は彼女の牡牛座月付近にあり、

母美枝子さんとの絆を示すだろう、

冥王星とのトラインを強調していた。



これまで病魔に侵されても、周囲には

泣き言ひとつ漏らさず辛い治療に耐え、

そればかりか母親・美枝子さんの心中を

案ずるほどのやさしさと芯の強さ、そして

何より、人前で明るい笑顔をいつでも

絶やさなかった朗らかな美奈子さん。


まさに太陽のように周囲を照らす獅子座

そのものの生きる力の源ともいえる血液が、

再び彼女の身体の中によみがえった瞬間...


臍帯血とともに、何よりその笑顔と生きようと

する前向きな気力こそが、彼女自身の身体の

中に生命力そのものを生み出したという錯覚

さえ覚える。たとえ血液=生命力を奪われる

病魔に侵されたとしても、彼女自身の心に

存在し根付いている大切なものまで、この

病は奪うことはできなかったのかもしれない。



彼女の容態を心配して連日見舞いに訪れ、

ガラス窓に隔たれた無菌室のガラス越しに

電話機で話しかける家族や恩師、友人たち。

(ちなみに実の妹の律子さんは水瓶座...


特にミュージカル仲間や歌手仲間からの

励ましの言葉、あるいは、彼女のために

作られた曲を演奏する皆の姿が収められた

ビデオ映像などには、辛い病魔に侵されても、

彼女は決してひとりではないことが表れていた。


それらの人たちや母への感謝の思いを

綴った直筆の詩には、「ありがとう」「笑顔」

というタイトルが... 病気になって初めて解る

愛情やそのありがたみ。元々そのことに

敏感に育った彼女が感じた、あたたかな

ものは、いかばかりだったのだろうか。



彼女自身が、「皆を照らす太陽のような

存在でありたい」と、心のうちを語った

言葉に、涙よりも悲しみよりも、あぁ...

やはり。という感慨と感動とが、しみじみと

胸に込み上げてきた... 本当にこの人は、

太陽の明るさとあたたかさを持って

生まれてきた純粋な獅子座なのだ、と。


獅子座の守護星は、すばり太陽。

地上の命に生命力を与え育む、そんな

やさしさが、常に彼女という人を包んでいた。



しかし7月末の退院から、ちょうど

一ヶ月後の8/31。何度目かの検査で、

白血病の癌細胞が再発していること

が発覚。再び彼女と彼女の家族は、

奈落の底に突き落とされてしまった...


その年の初め、全く実感が湧かぬままに、

「なぜ?」という言葉を繰り返すしか術

のなかった母親に再び悪夢が蘇った。

でも、彼女はもう一度、病と闘う決意をした。


この時、彼女のチャートでは、獅子座の

太陽にトランジットの土星が重なっていた。

そして蠍座の火星とも同時にスクエア。

火星と土星のスクエアは特に非常に危険...


さらに、あいかわらずアセンダントに

重なっているT木星にT金星までが合に。

それが彼女のMCにもスクエア。まさに

癌細胞の増殖を彷彿とさせる配置だ。


しかもMC直前にある水星と牡羊座の

土星、そして上記のASCへの金星木星

合とで、Tスクエアが形成されていた。

さらにこの日、MCを月が通過...幾重にも

このTスクエアの困難を強調していた。


しかし、彼女の牡牛座月にはT火星があり、

MCに対しては60度、そして母との絆を

示す冥王星と月とのトライン(120度)を

同時に強めてもいた。絶望的状況に屈せず、

そこに、どこまでも生きる力、生きたいと願う

心を失わなかった彼女の姿が垣間見られた。


母・美枝子さんと共に、最後まで病魔と

闘い、生きようとする意思を忘れなかった。



それでも日に日に、病巣は彼女の身体を

蝕んでいく... 秋が深まったある日、彼女は

一時帰宅を許された。自宅窓からケヤキの

樹姿を眺めるのが、幼いころからの彼女に

とっての日課であり一番の心の安らぎだった。


その樹から、彼女は生きるということの

素晴らしさ、日光を受けてきらめく緑の葉の

生命力そのものを常に感じ取っていたのだろう。

そこから、彼女の牡牛座の月が彷彿とさせられる。


太陽と、そして大地に根を生やした大樹。

その両方に生きる喜びを感じていた美奈子さん。

そのケヤキの樹は、もしかしたら、彼女の

太陽と月のある、獅子座(太陽)と牡牛座(大地)

をつなぐ象徴のようなものだったのかもしれない。



口惜しいことに、ビデオテープの残量が足らず、

番組は、そこまでしか録れていなかった。でも、

ある意味最後まで見なくてもよかったのかも?

彼女の命が尽きる瞬間まで見なくてよかった...


本サイトのどこかでも以前書いた覚えがあるが、

どうやら彼女は、昨年11月以降のグランドクロス

(牡牛座火星、獅子座土星、蠍座木星、水瓶座

海王星、そして+蠍座太陽)の余波を受けてしまった

よう... 無慈悲にも、その天の十字架が、彼女の持つ

太陽木星、火星、月などのスクエアと重なっていた...

('05.11月6日 AM4:38 ―享年38歳



しかし何より重要なのは、彼女の死という

事実ではなく、彼女がどれほど強く生きようと

したか、その真実の記録(レコード)にあると思う。

生と死の境目で、どれほど大切なことを

彼女なりのメッセージとして、私たちに

伝え、教え与えてくれたかということ。



自分より他人を思い労わる。治る可能性が

とても低いからこそ明るく振舞い、希望を一時も

忘れず一瞬一秒を大切に生きる。命は儚いもの

だからこそ... そんな彼女の生き方が、あの美しくも

清らかな、天使の歌声に裏打ちされていた...


以前、別の番組で見た、舞台で力強く

歌う彼女の歌に、とても感動したことが

思い出される... まさにみなぎる生命力

そのものの、生きる力と勇気とを、その

体中から発するオーラで私に与えてくれた。


あんな華奢な身体の一体どこに、

と思うほどの力強いエネルギー。

それは300日間の闘病生活からも、

同様に感じられ驚愕を与えられた。



特に印象深かったのは、退院翌日の

誕生日の日、退院を祝ってくれる家族や

仲間たちに囲まれ、特に自分を産んで

くれた、彼女の母への感謝の気持ち。


「産んでくれて、ありがとう」

「今日まで育ててくれてありがとう」...

難病に侵されたからこそ悟った、生きている

ことの実感、生きているということの素晴らしさ。


その思いが、母・美枝子さんへの「ありがとう」

の言葉に昇華する。それは、彼女を取り巻く

家族や友人など、周囲の人たちへも同様に...



彼女の獅子座の太陽は、まさに彼女に

太陽のように生きることを教えてくれた。

それは彼女の力強い生命力の証。

人を思いやり助け合う、やさしさの証。


彼女・美奈子さんの美しい歌声は、

いつまでも人々の心に生き続ける。

太陽のあたたかい日差しを感じたら、

きっとこれからは、彼女を思い出すだろう。


奇しくも彼女の享年年齢の誕生日と、

同じ歳を迎える、私自身のバースデーの

2日前に、この番組で彼女が生きた姿を

目に焼き付け、あらためて生前のその

歌声に耳を澄ますことができてよかった。


ありがとう、本田美奈子.さん...



彼女はあらためて、心に深く焼きついた

気高く美しい獅子座のひとりとなった。


あらためて、ご冥福をお祈りいたします...