マリア!マリア?マリア!!~ファインチューニング 32 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「う~ん、篠山さん。やはり『師匠』や『イエス様』よりもシンプルに『先生』とお呼びした方が宜しいかと思いますわ。」

「流石はお嬢様。見事な演出です。
台詞1つで篠山さん演じる表情が変わりました!
愛と忠誠の狭間で苦悩する様子が見違えるようです!」

「山際、パリサイ派にイエスを銀貨30枚で売り渡す決断をする前と後でメイクを変えなさい。
心労からヤツれて蒼白く!」

「はっ。」

(もう!表情が変わるって当たり前じゃない!
憧れの赤尾先生(ホントは赤尾助祭と呼ぶべきだけど)を舞台の上でも『先生』って、読んだら『これはお芝居なんだ』『この人はイエス=キリストで、私はユダなんだ』って思い込めなくなるじゃない!
駄目よ…。ユダが師を慕う気持ちが愛情に変わり、イエスもエルサレム生まれのユダを頼り、金銭管理はユダに丸投げだったし…。
必要とし合う二人が惹き付け合うのは当然よ…。
ユダはイエスを愛していた。
愛故に憎しみ、愛故に裏切った。
愛故に後悔し、愛故に自ら命を断った。
私も同じ気持ちだよ。
この舞台が終わっても…。貴方が電気屋さんでも、司祭に合格しても…私は貴方をひっそりと愛し続けます。
真理亜と弥生が教えてくれるまで知らないなんて、私バカだね…。
うん、神父さんは生涯独身だもんね…。
私が先生の夢を邪魔しちゃ駄目…。
でも、赤尾先生が誰とも結ばれないってことにちょっと安心しちゃった。

今、凄く…ユダのやり場の無い気持ちがわかる…。

だって…このやり場の無い敗北感。
下賤な元売春婦にギリギリの所で出し抜かれるなんて!」

「男のおままごとも潮時ね、ユダ!
ごめんなさい、あたし妊娠してるの。
つまり、選ばれたのは、あ・た・し!」

「カット~!そこの庶民!過剰に修羅場の演出するなと言ってるでしょう。
似合い過ぎですわ…。
もう、高校生の色気じゃありませんわ…。」

「その部分では流石にお嬢様も負けを認めましたね。」

「まだ負けてませんわ山際!あんなの直ぐに老けてババアに…あら…失礼。」

「てか、真理亜!あんた聖母マリア
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役なのに、何しれっとマグダラのマリア
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と二役やってんの?」

「あら、前回、『役…マリア』としか書いてなかったでしょう?」

「こら、メタフィクションはやめて」