ファインチューニング!~マリアにお願い 28 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「プルッ…♪」

「はい、加納です。
こんばんは、氏家さん。
いいえ、全然大丈夫ですよ。
文化祭のチケット届きました?
はい、良かったです。ご連絡ありがとうございます。
無くさないでくださいね、入れなくなりますから…。

ええ、そうなんですよ。
真理亜は聖母マリア役でも相変わらず破天荒な演技を…。
五月は…はい、もう一人の親友はユダ役の男装がハマり過ぎてるし、元々聖歌隊で抜群に歌も演技も上手いから、この舞台では真理亜より人気かもしれません。
え?私ですか?私は出ないですよ…。
真理亜が演劇部に行ってるから、聖書研究会は私が展示の資料を纏めて…。

え…?どういう意味でしょうか…?

あぁ、はい…。私も氏家さんと二人で校内をゆっくり回れる時間があるのは嬉しいです…。」

****

「今宵は満月…。
先生の対価の銀貨30枚に相応しいシルバームーンだ…。」

(後輩)「篠山先輩カッコイイ…。
胸が締め付けられるような鬼気迫る演技…。本気なんじゃと思う様な半狂乱ぶりがステキ♪」

「お前はお前の望む通りにしなさい。
神が自らそう望まれるように、私はお前を許し、お前が苦しみから解き放たれることを望んでいる。」

(後輩2)「赤尾先生も本物のキリストみたい。
これが大人の魅力よね。」

「神よ…これが変えられぬ運命だとしても、これから息子に降り注ぐ苦しみを、ほんの僅かでも私が分かち合えるなら、私は喜んでこの身を捧げます。」

(剣崎監督)「悪くないわね。戸惑う母親から、息子の未来のその先を見詰める母親の強さだわ…三好真理亜…そうでなくちゃ…。」

「あぁ、我が息子イエス。そしてぺテロ、ヤコブ、ユダ。
この晩餐は終わりではありません。始ま…。
う~ん、駄目。
気になったら言わずにいられない。」

「急に台詞を忘れましたの?ちょっと褒めると庶民は…。」

「ううん、違うのよ、監督。
私、閃いたの。
この舞台、やっぱり一番輝いてるのは五月だわ。」

「わかってますわ。
ですから赤尾先生と貴女の指導に私は苦心して…。」

「違うの。そうじゃなくて…せっかくだから、一番輝いてる五月を主役にしたら?」

「ちょっと、真理亜。褒めてくれるのは嬉しいけど、今更私がキリスト役なんて…せっかくユダがシンクロしてるのに…。」

「僕も今から新しい台詞を憶えるのは…。」

「わかってるわ。だから大胆にアレンジするの。タイトルは『その男、ユダ』よ」