ファインチューニング!~マリアにお願い 17 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
あなたの今日が価値ある一日でありますように

「三好さんも、自分が熱を上げてる男性の言うことなら素直に聞くでしょう。
そして電気屋の赤尾さんという女生徒のアイドルが、司祭を志す私達に近い人間と知ればお説教の効果は倍増でしょう。」

「確かに助祭としての赤尾さんと再会した時の衝撃はすさまじいでしょう。
しかし、修道院長…。当の三好さんは赤尾さんのことを…。」

「あら、私の見立てが違ってましたか?」

「いえ…。」

後藤梨恵は篠山五月の事を話せなかった。
五月が赤尾に寄せてる好意を守りたいだけではなかった。
それ以上に頭をよぎったのは、五月の事を想う真理亜の気持ちだった。
後藤はある仮説を立てた。

(三好さんは修道院長が赤尾さんを呼んだ時点で私達の意図を即座に見抜くのではないか?
そして赤尾さんを好きなのが篠山さんということを隠す為に大人しく振る舞うのでは?)

「上手く行くでしょうか?」

「上手く行かなくても、赤尾さんに押し付け…いえ、お任せすれば、文化祭の間くらいまでは私が楽かな?と思いまして。」

「楽って言った!そこは訂正しないんですね。」

****
「三度も…この門をくぐることになるとは…。
しかも助祭としての私を期待して…。
頑張らなくちゃ…。ここで実績を積めば、今年こそ司祭に…。」

「赤尾さん、ようこそ。さぁ、全校朝礼が終わらない内にこちらへ…。」
****

「山際、山際は何処ですの?
全く…あの土建屋が来てから別人のようですわ。
演劇部の公演までもう日が無いというのに…。
三年生として完璧な演技を披露して、あの庶民と私の違い見せつけてやろうと思っていましたのに…。」
****

「真理亜~。修道院長様がお呼びだって~。」

「う~ん、今日は何だろう?理事長じゃないってことは、そんな大したことじゃないと思うけど…。
文化祭の出し物で相談してたことかな~?わかんないわ。」

「ちょっと、真理亜!あんたまさか『懺悔室パブ』を強行するつもり?去年、無断で『聖歌隊キャバクラ』をやって、散々お仕置きされたの忘れたの?」

「私もそこまで馬鹿じゃないわよ!理事長には一年生の時に大反響だった『ミニスカシスターカフェ』を今年もやっていいですか?て妥協案を提出しといたの。」

「それで妥協案なの?一昨年だって、全校生徒の嘆願がなかったら、首謀者の私達はお仕置きされてたんだからね?
私、絶対に赤尾さんを招待したいんだから破廉恥なことは真理亜一人でやって」