カニさんのお話編
妻「毛ガニって美味しいけど、食べるの大変ね」
私「うん、ウチの母が言ってたけど、『最初にカニを食べた人はよっぽどお腹空いてたんだろうね?』だってさ。」
妻「うん、『食べ物』に分類してる時点で凄いわ」
私「美味しいけど、費用対効果が合わんよなぁ。
特に毛ガニはトゲが痛いし。」
妻「ねぇ、カニって何で生きてるの?」
私「いきなり哲学的やなぁ?
自分の生きる意味をまだ模索してる段階で、カニさんのことまで考える余裕がありません!
何の為?
『泡吹く為』か?
『横歩きする為』か?
『いつか前に向かって歩く為』てのはどうや?」
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私「あさりの中に小さいカニが入ってる時あるよね?」
妻「そんなのあるの?
何で助けないの?
そのカニ育てようよ?」
私「あさりを茹でて、パカッと開いた時に初めて気づくから手遅れや!」
妻「そのカニはあさりの中で生活してたの?
どうして入りこんだの?」
私「あさりに食べられたんちゃうん?」
妻「カニさんがあさりを食べようとしたんじゃないの?」
私「どんだけチャレンジャーやねん?
洞窟に飛び込むインディ・ジョーンズか?」
妻「そのカニさんは ずっとあさりの中で生活してたら、いつか貝殻をパリンて打ち破るの?」
私「急成長し過ぎやろ!
あさりも、途中で吐き出すか、消化するかどっちか選べや。」
妻「平べったいあさりの貝殻が、中に大きすぎるカニが入ってるせいでまん丸になってパンパンに膨れてるの?」
私「だからそうなる前に何とかせいや!アイスのガリガリ君の顔みたいにパンパンになる前に
『もう無理!もう無理!』
ってわかるやろ!」
妻「そのタイミング逃したら?」
私「パリンて破られるんやろ?
今、調べたら『カクレガニ』って種類で、貝の中に寄生して生活してるんだって。」
妻「殻に閉じ籠ってるの?」
私「自分の殻じゃなくて他人の殻にな。
あと内面性とは関係ないからな!」
終り。