佐田星明の回顧録~セキララ 26 | 最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

最後の哲学者~SPA-kの不毛なる挑戦

このブログは、私SPA-kが傾倒するギリシャ哲学によって、人生観と歴史観を独断で斬って行く哲学日誌です。
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「佐田星明(さだ せいめい)23歳雑貨屋店員です!」

余がウルエル姉さんの恋人役とは…何とも皮肉なものだ…まさしく、道化の姉弟ということか?

いやいや、余には奈々子が、ウリエル姉さんには近藤刑事が…。
ウリエル姉さんの大切な近藤刑事が危険に晒されてる以上、余は自分に出来ることをするのみ…。
それがいち早く余を「弟」と認めてくれたウリエル姉さんへの恩返し…。

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二千数百年前。

「ミカエル!どうしてなの?」

天使長ルシファーは魔界をさまよっていた。

全能なるヤハウェに弓を引いたルシファーは、大天使ミカエル殿によって返り討ちに遇い、右腕を切り落とされ、アビス(奈落)に落とされたからだ。

しかし、ミカエル殿は憎しみでルシファーを切ったのではない。
誰よりもルシファーを愛していたからだ。

ルシファーは誰よりも生真面目だった。
媚びへつらい、讃美歌を歌うだけで出世する熾天使と違い、傲慢なるヤハウェが許せなかったのだ。

ミカエル殿も実直過ぎるほどルシファーを愛していた。

だからこそ二人が直に剣を交えることは避けられなかった。
「せめて生きてさえいてくれれば」

海よりも深いミカエル殿の愛は、味方を欺き、ヤハウェを欺き、ルシファー本人も欺いた。

心意と真意を伝えなかったことでしか、愛する者を守れなかったミカエル殿。
それほど全能なるヤハウェは、自分に歯向かう者を許さなかったからだ。

ミカエル殿はルシファーをアビスに落とした後も、自ら魔界に赴き、ルシファーと天界に帰還することだけを望み、捜索し続けた。

そのミカエル殿の傍らには常にルシファーの姉、ウルエルが居た。

「天界の美人四姉妹」と呼ばれるほど、長女ガブリエル、次女ラファエル、末娘のルシファーと美しかったが、三女のウリエルの天真爛漫さは、その美しさをより際立たせた。

魔界でルシファーは傷ついていた。

「裏切られた。」
「捨てられた。」
「味方をしてくれなかった。」

何度も同じことを繰り返し、何百年も二人の愛を疑った。
そして…ルシファーの心の中から、男性である余は生まれた。

「一敗地に塗れたからといって、それがどうだというのだ。すべてが失われたわけではない。
まだ、不撓不屈の意志、復讐への飽くなき心、永久に癒すべからざる憎悪の念、降伏も帰順も知らぬ勇気があるのだ!」

大魔王サタンが産声を上げたのだ。
ルシファーの心は封印された