ビジネス書でもよく引用される「孫子の兵法」に、
「彼(敵)を知り、己を知れば、百戦危うからず」
という格言があるけれど、先日お話ししたネットワークビジネスの勧誘で、リーダー格の男は、まさに相手を知るために「キャリブレーション」というテクニック使っていた。
それが天性のものなのか、勧誘マニュアルによるものなのか、はたまた経験値として身につけたのかは分からない。
けれども彼は、先入観(思い込み)を持たずに相手を観察することで、呼吸の深さや、姿勢、椅子の座り方や表情などを観る…ということをしていたんだ。
この時点では、まだ相手の心のなかを覗くようなことはしない。
※慣れてくると、自然に察知してしまうけど、まずは意識して相手のフィジオロジー(生理機能)に注目する。
そして、キャリブレーションをしながら、同時にもうひとつ重要なテクニックを使っているのに気づいただろうか?
「相手と同じように深く息をしながら、同じように脚を組んで椅子に深く腰掛けて、じっと相手を観察していた」つまり、相手と同じ呼吸、同じ姿勢をする…というものだ。
これは、セラピーやカウンセリングなどで使われる、相手との潜在意識の繋がりを構築するためのテクニックで、「マッチング」と呼ばれている。
何のためにキャリブレーション(思い込みを排除して相手を観察すること)をするのか…それは、次の一手である「マッチング」を仕掛けるためだ。
![女の子に次の一手を仕掛ける](https://stat.ameba.jp/user_images/20130224/19/lovestrategist/ed/fb/j/o0600040012433005560.jpg?caw=800)
photo by Alaskan Dude
前述のカップルの話を思い出して欲しい。
お互いに好意がある彼らは「自然に」その言動が似てくる。また、恋人同士だけじゃなくて、仲の良い友人や家族・親子なんかも、自然と似たような行動、思考をすることが多い。
キミにも思い当たるふしがあるはずだ。
たとえば、共通の趣味を持っている仲間とは、自然と見るもの、聞くものが似てくるし、そのため言動や立ち居振る舞いが似通っているはずだ。
それは、彼らの間に潜在意識レベルで繋がりがあることの表れだが、その逆もまた真なりだ。
心理学では、
「似ているものはお互いに好意を持つ」
という基本原則があるが、マッチングは、先に知覚可能な言動を擦り合わせることで、女の子の潜在意識に「あなたと私は同類だ」というメッセージを送るテクニックなんだ。