お菓子作りに使うボウルの材質別特徴・サイズの選び方 | 型にはまったお菓子なお茶の時間

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主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

お菓子作りに欠かせない道具のひとつである、ボウル。
材料を混ぜたりこねたり計ったり、料理にもお菓子作りにも、使わない日がありません。

お菓子の仕上がりは、材料や技術だけでなく、使う道具によって変わってくることも多々あります。
例えばハンドミキサーを使うのか、手動の泡だて器を使うのかで生地やクリーム作りの作業性があがったり、仕上がりも目に見えて変わるということは想像がつきますよね。
ボウルを見直すことって普段少ないと感じるのですが、泡だて器と同じくらい、サイズや材質によって作業性や仕上がりが違ってくることがあります。

最近ボウル選びについてご質問いただいたことがありましたので、今回は様々な材質やサイズ別のメリット・デメリット、向いている作業についてなどをご紹介します。
普段のちょっとした悩みの理由がわかったり、ボウル選びのお役に立てますと嬉しいです。

◆お菓子作りにおける材料の働きや作業の意味/型の材質別の特徴や向くお菓子はこちらから
 →http://ameblo.jp/lovable-kitchen/entry-12128501443.html





【ボウルの主な材質・それぞれの特徴】
 お菓子作りに使うボウルは、長く使える18-8ステンレスかガラスがおすすめです。
 安価なものが良ければ、ポリカーボネートのものも充分使えます。


■ステンレス(金属製)
 軽くて丈夫で、手入れしやすく衛生的。
 熱が伝わりやすいので、湯煎したり氷水につけて冷やしたい時などに向いています。
 食洗器使用可、ハンドミキサーによる磨耗にも耐えます。
 様々な種類がありますが、家庭では『18-8』を準備すれば間違いありません。
(”18-0”や、”21-0”などの数字は、クロムとニッケルの配合量。18-8なら酸に対しても強く安心なのです)

 ただしレンジには使えず、熱伝導率の良さから湯煎の後には素手で持てない場合があり、コンロの近くに置いておくのも避けたほうが無難です。
 傷がつきやすいので、最初に金だわしで傷をつけて余分な金属カスが出ないようにする方もおられます。
 ハンドミキサーのホイッパーを直接当てなくてもちゃんと中のものは混ざりますが、それでも金属音や削れが気になるようであれば、樹脂製のホイッパーを使うと問題ありません。


■耐熱ガラス/陶器
 厚みがあって重いので、落としたりぶつけたりすると破損の危険があります。
 熱もステンレスに比べると、すぐには伝わりにくい傾向にあります。

 ただ重みがあるからこそ、適切に使うことで安定しやすくなります。
 特にガラスは透明なので中の状態がわかりやすいですし、陶器とともにデザイン性が高く、食卓で器として使っても栄えます。
 食材の成分と反応することもないので、様々な食材に使うことができ、レンジ・オーブン・食洗器・消毒にも対応。
 更ににおいがつきにくく、汚れはおちやすく、衛生的で使い勝手は抜群です。


■ホーロー
 下地は熱伝導率が良い金属製のものが多いのですが、ガラス素材でコーティングされているため、落下や破損などの衝撃には全面ガラスのものよりも注意が必要で、レンジには非対応です。

 しかし先のガラスと同じようににおいが付かず、汚れも落ちやすく、オーブンで使用でき、直火にかけられるものも多くあります。
 でも重すぎず、質感も素敵です。


■プラスチック
 安価で軽量、デザイン性が高かったり、レンジに対応しているものもあり、気軽に使うことができます。

 ただ耐熱温度は商品によりまちまちですが、高くはないのでオーブンや高温の湯煎には耐えられません。
 ハンドミキサーなどで傷がつきやすく、そうなるとにおいや油汚れも落ちにくくなります。


■ポリカーボネート
 プラスチックの一種なので、軽量で衝撃に強く、透明なので中身の状態を見ることができます。
 可用温度の幅が広いため、レンジや湯煎に使用することができます。

 ただしレンジの使用はあくまでも耐熱温度以内での使用に限ります
 カラメルづくりなど、耐熱温度以上になるものに使用すると変形・破損します。
 また小傷はつきやすく、使い方や年数によっては劣化が早まるためしょっちゅう使用する場合は長く持てるものでもありません。


■耐熱性シリコン
 お菓子作りにはあまり向かないと思われるのですが、材料が離れやすく、耐熱性があるので型として使えるとうたわれているものもあります。
 柔軟性があるので落下などの衝撃にも問題なく、折りたためるものは収納スペースもとりません

 ただし傷が入りやすく、油汚れは落ちにくく、材料を入れて時間をおくと色写りしたり、においを吸着すると落ちにくかったり、ボウルそのもののにおいが取れにくい場合があります。
 熱伝導率が悪いので湯煎には向かず、バターを練ったりこねるなど力を入れて混ぜたい時には、しなりすぎてうまくいきません。
 もしお菓子作りに使いたい場合は用途がかなり限られるため、個人的にはおすすめしません。


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【サイズについて】
 お菓子作りでは、同時にボウルを使うことも多くあるので、様々なサイズや容量のものがそろっていることが一番望ましくはあるのですが、最低でもこの3つがあれば結構なんとかなります。
 その場合は一般的にどのキッチングッズコーナーでも見かける、18・21・24cm前後のものがおすすめです。
 ほか計量用や、持ち手付きの小さなボウルがあるととても便利です。



 ただ同じ口径でも、底の形や深さで、こんなに容量が違います。
 特にクリームや卵白などの流動性があるものを泡立てる場合は、底のカーブが緩やかな深めのタイプのほうが、中身が飛び散らず、幅広い混ぜ方に使えます。





 何より作るお菓子に合わせて、レシピの材料が全て入った時に、充分に混ぜられる余裕がある大きさのボウルを使うというのが大きなポイントです。
 例えばドレッシングをサラダにからませたい時に、ボウルいっぱいに野菜が入っていると、ドレッシングを加えて底からまんべんなく混ぜたり、全体に行き渡らせるのは難しいですよね。
 お菓子作りでも、例えばバターケーキを作っていて粉を混ぜる際に、全量ちゃんと入っていても毎回粉が飛び散ってしまう場合はボウルが小さいということになります。

 また生クリームを泡立てる際に飛び散って仕方ない場合にも、ボウルのサイズが小さすぎるといったことが考えられます。
 とは言えボウルが大きすぎると、底にクリームが広がってしまい、ホイッパーが空気を抱き込むことができないため泡立てにくくなります。

 そして卵白がうまく泡立ちにくいといった悩みもよく耳にしますが、よく言われる泡立てのコツのほかにも、ボウルのサイズが大きすぎるなどということも考えられるかもしれません。
 何を作るにしても、作業性があがってストレスなく作るには、適したボウルのサイズ選びは重要なポイントのひとつです。