コンフェデレーションズ・カップ戦記 (その4)

シュートに見る ジャパンの一分の差

2013.6.21Y.K

今回は,対ブラジル戦,及びイタリア戦を観て,この一分の差を手探りして,気付いた点を箇条書きで述べる.

1)シュート技術

 何時もは,①事前に有利になる動作が下手である.②タイミングを逃す.③シュート動作が遅い.④シュートボールのスピードが彼らと違う.⑤コースがメッチャ悪い./の5つの弱点があった.

今回のイタリア戦では,先取点に繋がった岡崎のスピード,2点目の見事な遠藤FHセットの岡崎のヘッド,そして3点目の香川のクイック反転シュート,これらは,世界トップレベルである.素晴らしい出来だ.しかし,このシュート技術は,何時でも・どこでも・誰でも/ となっていはいない.今一である.それが,このゲームの3本のシュートの外れとなっている.

2)「ゲームの流れを読む力

相手ディフェンス戦術を読んで,オフェンスン戦術・ポジショニングを選択すべきである.NHK現地解説者になっていた中田英寿氏が「ゲームの流れを読む力」の差を指摘していたが,これは慧眼である.

 大事なことは,ゲームの流れの中で,オフサイド戦術のとり方を変化させ,それを読み取って,こちらの戦術を変えて行ったのかどうか.この具体例として上がる.イタリアの2点ビハンドのときのラインの上げ方,それに対応した戦術に切り替えていたのかどうか.相手の攻勢時と守備重視を明確に分けて採っていたが,そのどちらとも,それに対応したオフェンス戦術がある.それを意識してチームが採ったかどうか.

 明らかに,イタリアは,過ってのカテナチオと言われたディフェンス力を落としたと見受けられるが,その思想とノウハウ,そして技術の財産は,ある.それを我々は学び取ってないし,その「細部に神宿る」という極意を我々は捉えてないのである.その一つとして,オフサイド戦術の巧みさ: 吉田のゴールが,オフサイドになった場面はその典型である.

3)相手ディフェンスのブロックシフト破り

相手ディフェンスがブロックシフトを採ったときの戦術が,やっとつかみえたかな.対ブラジル戦は全く悪い.これは,以前からの日本の弱点であった.今回のイタリア戦の後の宮沢ミチェルさんの解説でやっと「横→横で回していては,何もならない.大事なことは,縦に入れてチョン横→縦である」と指摘していた.解説者のこの指摘は,日本代表戦のゲームでの解説としては,実は初めてではないか,そう思える.



スペインのゲームを観る〈ブロック破りの戦術

スペインのゲームを観ると,「オオ~ッ これがブロック破りの戦術か」と悟りが開く.その極意を幾つか述べる.

※次の拙ブログをご覧頂きたい.

サッカー・ホッケー戦術・技術論の研究 2012.10.19付

サッカー国際親善試合 日本VSブラジル (2012.10/16)

0:4で完敗 日本 シュート形戦術の選択が間違っている




相手ブロックディフェンスを破って

シュート・ゴールを奪う 5ヶ条のプリンシプル



A: ブロック破りの最高の心得は

相手ディフェンスのブロックを破ってもいないのに,突っ込みドリブル・パスをして相手ボールで反転速攻されることである.

B: ブロック破りの最高の戦術は

ブロック体制をとられないうちに速攻で攻めることである. 

C: 瞬間ランチェスターの法則:

 局所エリァに一瞬の飛び込みで人数を投入せよ!

シュートポイントに設定したエリァには,1人ではなく,複数を飛び込ませる・動きでつくる: 

ポストによる落としで,第2プレーヤーの飛び込みシュート

ポストによるシューティングエリァ・ポイントのクイックの変更

ワンツーリターンによる瞬間オーバーナンバーをつくる.

D: 一瞬を作る・一瞬を読む・一瞬を突く

現代サッカーのシュートがゴールとなる場面の6割は,ダイレクトプレーである

このカップ戦内でも,その典型を上げると,

◆対日本戦イタリアの1点目ヘッディング

◆対イタリア戦ブラジルのネイマールによるボレーキック

◆そして準ボレーとなる,対イタリア戦日本の香川による〈反転落ちる間際ボレーシュート

★この解析データをコンフェデ・カップに限ってでも必ずとってほしい.日本の選手には,この認識がない・意識して重視してないプレーとなっていないか.

★そして,それに伴う技術がどうか.ミドルシュートでも,国際大会で日本がミドルでゴールした場面は見たことがない! フロントキックの技術で,①パワーと ②ボールの重心とキックポイントのズラシ ③スピン この3つの要素の判断がないのではなかろうか.ないというより,そこまで技術がないといっていいのだろう.日頃の所属リーグ戦での熟練が必要である.

タイミングの穴,スペースの穴,コースの穴をつくる

そしてこのつくられた隙を見逃さないで突く感覚である



E: 相手のブロックディフェンスを崩す方法の極意は NBAにあり

      その極意は,USアメリカのバスケットボールNBAにある.特に,フィルジャックソン時代のマイケル・ジョーダンらがやっていたオフェンスには,密集戦でのシュートの極意が詰まっている.サッカー選手は是非ぜひ見て,練習実践で研究してほしい.幾つかの事例を紹介する.

E1: 高いレベルの相手ブロックを破るには,スリーメンオフェンスしかない.

E2: 相手ブロックには,こちらもスクリーンブロックを

E3: 変化・変化・変化,Change  Change そして更にもう一つ加えてChange

パスとドリブル: 横パス・横ドリブル,縦パス・縦ドリブルの使い方,その連結の妙

方向のチェンジ: 個人のプレーにおける方向のチェンジ:ターン等

入口のチェンジ: 表からだけでなく,バックドアという入り方あり.









コンフェデレーションズ・カップ戦記(その3

1対1のコンタクトプレーで 世界を抜きん出る技がある

この1対1のコンタクトプレーで,世界で抜きん出ないことには,現代の激しく高度な競り合いとなっているゲームで勝てない.〈1対1のコンタクトプレーのオフェンス〉では,既に最も進化させたプレーは,ブラジルサッカーであろう.その典型は〈ジンガ〉である.そこには,①ボールで踊るといいうことと,②マリーシアの個人プレー版が凝縮し,この2要素が結びついて,このスタイルとなったものであろう.

それで,サッカーを一途にやっておられる方は,全くご存じないだろうが,世界で抜きん出る技が日本には,ある!

それは,日本の中世において発達した古武術である. 相手FWジャッケリーニや,ネイマールの1対2の間抜きプレー,あるいは,日本の香川の対イタリア戦での反転シュートには,日本の古武術と通低したものがある.それを現代に生かした古武術家甲野善紀流の柔術・武術がいる.そこに,世界を抜きん出る技の核心がある.そこに1対1のコンタクトプレーにおける極意を感じとることができる

★先ずは,ビジュアルで実際に見てほしい.

  □NHK特集『2011.11.10爆問学問 古武術で体革命』をオンデマンドでどうぞ.
甲野善紀(古武術) 62歳の細身の男が、柔道金メダリストを軽々と?!
今回は、古武術のすごさ、奥深さを体感する。合気道から手裏剣まで古の武術を学び、独自の身体操作術を追究してきた武術家・甲野善紀。元巨人軍の桑田真澄投手を指導したり、日本古来の省エネの歩き方「ナンバ歩き」を紹介したことでも知られる。
その甲野が、バルセロナオリンピック金メダリストの柔道家・吉田秀彦と対決。禁断の異業種格闘技が実現する。爆笑問題が目の当たりにしたのは、小さな力で相手を崩し、ひっくり返す、「虎ひしぎ」「平蜘蛛返し」など、仰天の秘技のオンパレード。なぜこんなことが可能なのか?
甲野の技を最先端のロボット工学で分析すると、「常識では考えられない身体の使い方」をしていた。重いものを持ち上げるとき、普通はぐっと足を踏ん張るはずなのに、甲野はむしろ「浮いて」いたのだ。体全体の力をうまく連動させて、相手と一緒に飛び上がるようにして持ち上げていたのである。それは「蹴らない、ねじらない、ためない、うならない」という、今日の常識とされている近代スポーツ理論とは全く異なる身体の使い方なのだ。
介護や荷物運びなど日常の動作を劇的に楽にする技や、指の形ひとつで緊張を解く方法など、驚きの技の数々を伝授。これを見れば今日からあなたの身体も変わる!

  □このDVD版

  古の武術を知れば動きが変わるカラダが変わる―NHK人間講座

  『古の武術に学ぶ』の甲野善紀・34の技をDVD120分収録! (MC mook) [ムック]

サムライジャパンは,伊達にサムライであるのではない.こうした日本における戦闘技術文化を生かして,対人プレーの技術において,世界比較で抜群にすることである.対イタリア戦の4失点全てに共通して関わるディフェンスの最も核心の問題がここにある.

 〈1対1のコンタクトプレー〉で現代の世界水準を超えるために,是非,古武術家甲野善紀氏の為せる技を見てほしい.その武術思想は,現代のサッカーの対人近接プレーの新たな境地に引き上げるだろう.「こんなのって役に立つの?」と思われる人もおられるだろうが,この重要性に気付いて近代スポーツのバスケットボールに実際に生かしておられる指導者がいる.その高校は,超一流の大学進学校であるにも関わらず,都大会優勝全国大会出場も果たしている.大変な実績である.

 これが不思議と,サッカーの1対1プレーに妙に生かされるのだ.世界に抜きん出るための個人のディフェンス力を構築・習得するためには,必要である. 

 文献としては,次のものをお勧めしたい.選手自身が,サッカーという一つの競技において,1対1の接触プレー技術・フィギアーを獲得・習熟して,実践で発揮すべきことである.

 □ 河野善紀 共著 『古武術の発見』 光文社 1993年

  甲野さんの著作でたくさんさんある中で,これ辺りが一番,入門的に読みやすいだろう.相手の攻撃的な動きを逆手にとって,イトモ簡単に相手を倒してしまう.この不思議な技に驚嘆する.サッカーにおいて,このような技の境地に到達すれば,世界のトップに成れよう.少なくとも,ナショナルメンバーを筆頭にして,Jリーガーは挑戦すべきである.

 □ 甲野善紀・前田英樹 『剣の思想』 青土社 2001年

  思想的にも高度にして,本格的な日本武術の探求書である.対人コンタクトスポーツの画期を為さんとするならば,読んで思索することをお勧めしたい.ドウカナ.

 ナショナルの課題は,その国のサッカーの課題

ナショナルというのは,その国のサッカーのトップを世界に表現することである.ナショナルの到達したレベルというのは,その国のレベルをそこまで引き上げることになるということである.ナショナルが未熟なのは,その国のレベルが,今まだ未熟なのだ.ナショナルの課題は,その国のサッカーの課題なのだ. ナショナルメンバーというのは,そういう使命をもっている.

 サッカー評論家の金子達仁氏がスポーツ紙で主張する「1年後の未来図より 代表に呼ばれない危機感を」は,大変鋭いが,選手個人への厳しい励まし:精進を求めることとしてはいいだろうが,問題は何かを技術的な問題と個人戦術判断力の問題において,明確に指摘してあげるべきである.それも,何が問題なのかを指摘するだけでなく,そのトレーニングの指針もあわせて示すべきである.

日本のサッカーという文化が,発祥イングランドから地球を回って,極東の国日本において,花開いた日である/ という日は何時であろうか.それを期待している

コンフェデレーションズ・カップ戦記(その2

〈詰めの残り一分の差〉を日本の得点・失点シーンを中心に状況観察をしてみる.

  

イタリアの得点は,全て日本のミスにつけ込んでの得点である.そのミスをつくりだす強引さにイタリアの強さがあった.日本は,これに対して〈オットリ軍団〉と言えないか.

詳しく見てみよう.

※以下の分析で,この〈あと一分イチブの課題〉,あるいは〈差一分イチブ〉となるコメントを★印で指摘しておきたい.

□1点目;前半40分

CKで「水分補給に行っていて」と言うが,日本のディフェンスが整ってなく,ゴールのど真ん中5mエリァが空いていて,そこにピンポイントで放り込んで飛び込んで,ヘッドで合わされたものである.

これでイタリアは,前半を1:2として折り返した.彼らは,ゲームの展開から,この得点で,ひっくり返して勝てる見通しが立ったといえる.

★マークについていた長谷部の問題ではなく,最も美味しい穴を開けてそこに飛び込まれたのであり,問題は,そうなったこと,勝負に掛ける〈日本のオットリさ〉にある

□2点目;後半5分

相手のライン裏スルーパスに,余裕で吉田が着くが,ゴールライン近くでの相手のシツコイ絡みで,クリアしようとしたミスが相手の入れ替わりとなり,GK前へショートのセンタリングになり,そのボールに対して,内田が飛び込んでクリアしようとしたがオウンゴールとなったものである.ショートセンタリングのコースの後ろには,イタリアの2人が飛び込んでおり,例え内田が足を伸ばせなかっても,ゴールされていただろう.

これでイタリアは,2:2でセイムとして,ゲームを攻勢に被さる条件をつくった.

★吉田の技術の問題ではなく,また判断の問題でもない.相手のシツコイ強引さ・粘っこさである.ここには,日本の個人のディフェンス力の技術問題がある.

★まだ確実にクリアされてないときに,ゴール前のディフェンスは,ゴールのスペースを塞ぐために,吉田のゴールラインへのダッシュと連動して,下がるべきである.ゴール前の自分らのポジションの〈上げ下げのムービング〉に〈あと一分の課題〉がある.ここでも,1対1の闘いの場面での〈日本のオットリさ〉の問題がでてくる.

□3点目;後半6分

ペナルティ・エリァ近くで,相手と競り合った長谷部のハンドでPK.この場面でも,長谷部の技術的,あるいは判断問題ではなく,1対1の場面での相手の強引さ・粘っこさ・しつこさがこちらの反則をつくる要因となっている. 

これでイタリアは,3:2として逆転してしまった.後半5分と6分の立て続けての失点を日本は食らったのであり,〈何という愚かしさか〉である.これでは,真剣勝負での戦いに弱い〈オットリ軍団〉である

□4点目;後半41分

日本のディフェンスラインの裏へのスールパスを,イタリアが走って,それに後ろからトップランで追いかけて,それにチョン振りをしてシュート・ゴール

★相手に自陣の30m裏スペースをスルーでとられるというのは,本来は〈ディフェンスの初歩問題〉であろう.何故何故このようなことが起きたのか.単に今野個人の問題ではない.

イタリアは,日本に先行して失点を食らい,その2点のビハインドを跳ね返して,3:3とした.その後半の終了間際の時間帯で,彼らは勝負どころを逃がさないで,フルアウトしてきたということである.おそらく日本は,この残り5分の時間帯で,「引き分けでもいい」と思ってプレーしていたのではなかろうか.

サッカーのルーツに関わるイタリアの対人プレーのしつこさ

戦闘場面での日本のオットリさ

そこには大きなサッカー文化の違いによるスタイル:フィギアルの問題がないのか

  そして,1対1のコンタクト・プレーの技術問題があるのではなかろうか.

イタリアの対人プレーのしつこさは,日本の相手陣30m近辺アタッキングエリァでの,こちらの2対1の切込みに対しても,粘っこく着いて潰すことでは,勝っている.これが,サッカー文化の違いということならば,その根は大きいと見なければなるまい.サッカーという競技は,彼らにとっては,ボールをめぐって,フィールドで入り乱れる・対人格闘する競技なのだ

これが分かるのには,イタリア伝統のサッカーのルーツともなっている〈カルチョ〉という街対抗お祭り行事のゲームを観てほしい.

※一度,NHKの特集記事ともなっているので実際に見てほしい.

そこでは,ボールをめぐる集団による泥んこの格闘技である.それが,ルールを持って競技となり,技術が高くなって,対人反則とならなくなったのである.しかし,そのフツフツとたぎる熱きものは変らない.日本の永らくの稲作水田農耕・定住・協同の民族のルーツとの違いがある.その精神性:サッカーのプレースタイルに対抗するには,奥深い体質は変るものではない.それを超えるのは,〈後一分の課題〉を技術探究して高め,戦術で明確にして,その上で,プレーのスタイルの変更と戦術作戦,そして戦略設定をすることで乗り越えられる.

本田君が一生懸命ムキになって対抗しようとしているが,日本サッカーの奥深い体質を変えるということはこういう探究が必要であることをチームとして理解することが求められよう.

日本のサッカー

一分の差ではない. 道半ばの重要な課題あり

そうなると,サッカーの1対1プレーにおいては,こうした根底の文化に関わる精神:プレー行動を主導するメンタルの問題である.それはスタイル・フィギュアであり,1対1の技術・戦術における質の問題である.

具体的な場面パフォーマンスの事例で言えば,今回のコンフェデカップ,対イタリア戦後半5分の日本の失点シーンで,相手FWジャッケリーニが為したプレーである.〈コンタクトな1対1プレーにおいて,一瞬スッル・ヌルッと変わり身してボールを奪った術〉である. 

 これは,吉田個人の技術の問題ではない.ここでのプレーの差は,1対1プレーにおいて,反則とならないで,しかも高度にハイレベルのプレッシングができて,ボールアタックができること,オフェンスならば,ブラジルVSメキシコ戦で見せたネイマールの1対2の間抜きプレーである.こうしたプレーができる技術:1対1の戦術・スキルを身につけるべきである.

サッカージャパン

一分イチブの差を見極めること

コンフェデレーションズ・カップ戦記 (その1)

2013.6.21Y.K

 

 差を詰めた残り一分,それが道半ばに等しい

2013.6.20(日本時間)FIFAコンフェデレーションズ・カップ 日本VSイタリア戦3対4の惜敗

イタリアの得点は,全て日本のミスを突いたものであり,日本の得点は,PK取得も含めて,見事な技術・瞬間行動のパフォーマンスによるものであった.この日の試合は,見応えのある試合であり,ゲーム解析・戦術・戦略分析が最も興味のあるゲームであることは間違いない. 

このところ,世界との差を国際試合のたびに見つめてきた.そして今日の対イタリア戦に驚いた.試合結果ではなく,その敗れた試合で,世界のトップチームとの差が一分である/ことを知ったことである.この一分が何であるのかを見極めて課題とすることが大事であろう.〈悔しい〉の感情が出ようが,その差は,何かを正確にとらえないといけない.日本の2:0からの結果逆転負けは,個人の選手は,既に世界レベルである/と言われていたが,その差は,まだ最後の最も重要な一分が残っている.それは,①1対1の対人プレーの技術 ②そして,チームの戦術・ゲームコントロール, ③そして戦略の把握 の3段階の場面での,対戦チーム比較で,未だに,一歩抜きん出たレベルに到達してないということである.この問題をゲームDVDデータから解析し,そのレベルアップのエクササイズを提起して練習修練することなくしたは,1年後のワールドカップには,今回と同じ結果となろう.

今回の3回にわたるこのブログシリーズれは,これを考究し,解明することを目指したい.

 コンフェデ・カップの3つの問題点

コンフェデ・カップにおけるジャパンの評価について,マスメディアに掲載されたサッカー評論家・スポーツ紙評論では,大きく言って3点の指摘がされている.①イタリア・メキシコ戦,対戦相手との比較でみるゲーム運びの未熟さ:ゲーム展開,ゲームの流れでの時経過での戦略的な戦術問題が『スポニチ』でデータを掲載して触れられている. ②第3戦が終わったところで,選手の中からも出てきた問題として,〈ディフェンシーブ&カウンターアタック〉か,それとも〈高いラインを敷いて攻撃的に〉か,どちらがいいのかが議論となったという.これはまさにゲーム戦略問題である.③世界トップレベルとの差は,オフェンスよりも,ディフェンス力に問題があった.

この3点を問題意識にして,このブログにおいて『コンフェデレーションズ・カップ戦記』と題してシリーズ3回に分けて探究する.

コンフェデレーションズ・カップ戦記(その1

この〈一分の差〉を日本の得点・失点シーンを中心に,1対1の対人接触プレーにおいての状況観察をし,課題を探り当てたい.個人技のレベルの問題:それに基づいて,対ブラジル戦,及びイタリア戦を観て,この一分の差を手探りして,気付いた点を箇条書きで述べる.そしてその核心の問題点を抉りたい.そして,その現状レベルから,それを質的に変えることへの提起をしたい.

 コンフェデレーションズ・カップ戦記(その2)

ゲームは,イタリアにとっては,ビハインド0:2を追いかけ→2:2の同点→先行3:2→3:3の同点→ひっくり返しての勝利4:3である.このゲーム展開における戦術選択はどうであったのか,6.21付『スポニチ』で大変いいデータとオシム元監督のインタービューと解説者のコメントが載っていた.これを手掛かりにして,ゲーム運営:ゲーム戦略を考究する.

チームの戦略問題: 現代のサッカーにおいて,日本がどのようなサッカーをすれば,こうしたトップ8のチームと対戦して勝ち切ることができるのか,現状では,何ら,世界を相手にして勝てるようなサッカー戦略の固有の探究と提起・確立が為されてない.他人がやっていることの後から着いて行くだけになっていないのか,オリジナリティが全くない.これは,選手だけでなく,コーチングスタッフも,Jリーグも,そしてマスメディアに登場するサッカー評論家もそうではないのか.

※ 日本サッカー協会技術委員会に提案したい

本来は,日本のサッカーも〈ゲーム解析ソフト〉で,バレーボール,あるいはバスケットボールのように,ゲーム中にリアルタイムで,そして,ゲーム後は,テーマ別の2本:〈個人のプレー解析評価〉,及び〈俯瞰カメラ2台によるプレィヤー間の距離とポジションニングの解析評価〉を必ずすべきである.特にその中でも,ゲーム中にも必須となるデータは,各列間の連携行動・パス,陣形の変化である.これは,リアルゲームの解析で,掴んで指示し,選手も常に時系列で状況認識を更新して行く必要がある.これによって,ジャパンサッカーの進化が図れるだろう.

日韓ワールドカップのときから,ゲーム解析として〈サッカー解析システムoptaオプタ〉が登場し,新聞でもそのデータが載せられて,試合後の新たなサッカーの楽しみが増えたものであった.ヨーロッパのクラブチームのゲームでは,実際にリアルタイムで使われているという.日本においても,実行すべきでしょう.更にまた,マスメディアのゲーム結果報道でも,感情感傷論調による英雄追っかけ記事ではなく,ファン国民自身がこうしたゲーム解析を楽しむというような仕来りで作ってほしいものである.

当然であるが,サッカー評論家,日本のトップレベルたるサッカーアナリストも同様である.解析・評論の水準を上げること,このことを通して,もっともっと明確に・正確に・核心的に,現下の課題を示せることである.

当然のことであるが,ナショナルチームは,試合・大会終了後に,こうした解析に基づいて,個人の技術と,チームの戦術問題をキチンとDVD編集して全員に示すべきである.ワールドカップまでのこの1年間,ゲームが終わればハイ解散ではすまない.これもまた当然のことであるが,戦略問題も,監督の主導で,指導スタッフの研究ミーティングをすべきである.近代の軍隊においては,作戦参謀ミーティングは最も重要な,その組織を指揮する要である.サッカージャパンにおいては,未だに「監督個人の職人芸任せ」となっていようが.

(後半文書) アベノミクスによって 誰が

巨額の儲けマネーを手に入れて, 誰が損をしたのか

安倍・黒田の財政金融政策の破綻とその結果による収支勘定


これを劇終了時点で勘ぐり批評をすれば,

彼ら安倍・黒田君,そしてその軍師たる浜田教授は,こうした確率変動相場の行動を読めないド素人ではない.こういう結末を予測して,政策提起をして仕掛けたとしたとしたならば,そういう役者を〈イカサマペテン師〉というのである.

役者への揶揄ではなく,怖いことは次のことである.最も危惧されることは,これが日本の株式・債券市場:国民経済からの流出となれば,日本経済は,大きな打撃をこうむるということとなる/ということである.一体どうなんだ.

まさか,安倍・黒田は,円売りでその資金を(回りまわって実質的に)相場資金に使ったのではないだろうな.これも調べておく必要がある.アベノミクスの二本の矢によるジャブジャブ金をもって,カッコイイが狡さ丸出しの芝居をして,他国の食い物に進んでなるということでは,お芝居にもならない.

そして更に付け加えたい.為替相場における円高は,日本の保有する資産価値(外国の対日貿易借金も含まれる)からして決して悪くはない.自民の過って政権時代に,政府政策によって円安をして,アメリカの莫大な対日借金の棒引きをした〈プラザ合意〉を思い出してほしい.輸出で日本製品が高くなって売れなくなるというが,還元セールをすればいいのだ(これを為替連動性価格設定という.)商売人としては最低だ

 Wikipedia「円相場」は,なかなかシッカリした記述だ.国家の経済政策の評価論としてこの〈プラザ合意〉の研究は必須である.以下引用する.

「 1985–1988年末

1985年秋のプラザ合意によるドル安誘導政策で急激に円高(円高不況)が進行した。プラザ合意発表直後に円ドル相場は20円ほど急騰し、1985年初には250円台だった円相場が1986年末には一時160円を突破した。その後も円ドル相場は史上最高値を更新し続け、19872月のルーブル合意でドル安に歯止めかける方向で合意したもののしばらくドル安が進み、1ドル=120円台にまで上昇した。

日本国内では、激しい円高の影響で、輸出産業が打撃を受けた一方、円高不況回避のため(当時としては)異例の超低金利政策を行ったため金余り現象が発生。それら資金が土地や株式への投資に繋がりバブル景気へと向かった。この時期、OPECの弱体化で原油価格も大幅に下落し、円高とあわせて、国内経済は原油相場の影響を受けにくくなった。          」


劇場外でのその後の劇的展開

 劇の結末:アベノミクスの政策的破綻が,参議院選挙前でよかった.何たってこれが〈上手く行っているように見える間に,選挙で大勝となれば,イヤイヤ日本は国防軍:徴兵制という義務を課すことのできる法律もつくって,侵略も厭わない,イヤむしろ,侵略こそ自分らの生きる唯一の道と煽って突き進むことになる国防国家となろう.その意図実行の仕掛けが失敗したのである.

☆☆ ここで,この劇にモウ1人のすごい脇役を登場させよう.大阪の何某君である.この人の「失言」(本人は本音を語りたいと,それを実行したまでだと言っているが),「慰安婦」とは,あの当時においても,堂々とこれを制度としてやった国はないが,公的にせよ,私的にせよ,売春を公的に認めた軍隊の帯同仕様のことなのだ.更に,日本駐留米軍の首脳に「軍隊の性的吐け口として,どうぞ大阪の(オッとまちがい沖縄の)風俗業なる売春をご利用下さい.」と進言する.世界の笑いものであり,日本の凄いイメージ破壊である.ここでも,これによって,参議院選挙の前でよかったヨ.何たって,この人らがブームに乗って,一定数の議員を確保し,JM党と組めば,KM党さんと組まなくとも,3分の2以上の改憲勢力が成り立つ.もう思う存分に何でも「ヤッタルゼ」である.


 マス・メディヤの任務を問う!

この時期のタイミングにこそ,安倍政権のこの間の経済政策を数値で持って検証して報道すべきである.既に,安倍・黒田・浜田のやり口は,「意図的にアメリカの利益を誘導しているといわれてもしょうがない状況」との指摘がある.(『週刊ポスト2013FEB.2.8』は,ナカナカ鋭い取材と報道である.)

マス・メディヤは煽り役・旗振り役ではない.安倍・黒田:浜田の財政金融政策の破綻と,その結果による収支勘定を計算して報道すべしである.

☆むしろ,アメリカ議会並みに,政策評価会議をもって,その時々の政府の政策を議会で検証する場所を議会のサポート機能として持つべきである.日本式の〈○○委員会審議の中の質疑・政府答弁〉では,検証できない.支持・異議側の両方から専門家を出して,経済数値に基づく科学でキチンと検証する,そういう機能が必要であろう.




アベノミクス劇に物申す

今何を,世界経済はすべきなのか

日本の国家経済政策に妙手はあるのか

前号ブログのアベノミクス劇を見て頂いただいたところで,さて,本当のまじめな真剣な話はここからである.日本と世界の経済不況,ほんとのところは,金融恐慌であり,これに対する解決策についてである.

※このことの基本は,既に,このブログの『国家経営学ケインズからドラッガーへ2012.07.31』記事で示したところであるので,そちらを見られたし.

ケインズ流の新旗振り・実行者 小泉からアベノミクスへ

従来から戦後一貫して,USアメリカはもとより,その目下の同盟国日本においても,国家の経済政策は,ケインズ的な経営発想でリードしてきたものである,それは,ドンドコ国債を発行して国民経済の将来に借金をしてでも,公共事業を起せば,企業が儲かり,その分税収が増え,さらに,ドロップダウンで,企業の儲けも国民へご利益が回るだろう/とするものである.

日本においては更に,2000年代に入って,小泉・竹中によって,ドンドコ規制緩和して,その重要な政策として,郵政資産450兆円を競売に出す:アワヤ,USアメリカ籍の投機資本に餌食にされる寸前まででなったものである.

更に今度はそれに加えて,アベノミクスである.今度は,ドンドコ「異次元の規模の」札束を摺って,国債を発行して,金融財政政策の基本と為した.その結果は,莫大な規模の国民経済・国家経済の損失である.安倍政権誕生から,僅かこの6ヶ月で,である.こうした国家政策を,経済学・経営学では,ケインズ流の新自由主義ともいう.

これらの政策の有効性の是非:政策真偽を見分けるには,一体,結果として誰が儲け,誰が損をすることになるか,誰に借金が増え,その担保が高くなるのかそれとも低くなるのかを調べることが,一番見やすい.

今何を,世界経済はすべきなのか

日本の経済政策に妙手はあるのか

大事なことは,国家のドラッガー的な経営政策である.下流:国民・消費・受容者の新たなニーズを創出すること.それを価値として為す産業・事業を進めること,そしてこれへの投資資本を誘導させること,これが国家の経済経営の基本である.

世界にうごめく1000兆円の金融資本を投機に走らせてはいけない

国家政府は,決して投機煽りの政策をしてはならない! そういうことをすれば,世界のアチコチの国に対して投機を為している巨大投機・投資マネーによって,国家経済・国民経済が食い物にされて格好の餌食となるだろう.そうではなく,彼らを,制御して,実体経済の振興に誘い込むことである.

どうしてやるか,そんな妙手があるのか,その方法は次の手である.

 マネーに価値をつける

投資:金融資本が資本主義にとって有効なのは,成長・優良企業を評価して,産業の振興の推進役となることである.そして大事なことは,お金はその額面が価値ではないということ;すなわち.アンタ方の持っているマネーに価値をつけるのは,労働であり,産業なのだ.国家経済が崩壊すれば,その国家の紙幣:金額は無に消える.このことをくれぐれも心される様にさせたい.だから,実業の:実体経済の支援をすべきなのだ.

そうはいっても金融資本,あるいは投機マネーは,儲けに走ることが習性サガである.あんたらには,ブレーキが掛からないだろう.それに対して,どうするの?

 その妙手はある.こういうのはどうだろうか.

国家政府自身が株式市場に参入して,株の売買を政府の投資機関として行って操作する.

1)その操作目的は

全株式の価格を 設定した計画価格を維持して,跳ね上がらないようにし,かつは,下がらないようにして誘導する.例えば,手持ち資金を預貯金に預けるよりも,確実に配当金が入るように,その預貯金利子よりもヤヤ高く設定する.その株価値上がりの差は,数%のワズカでいい.そうすれば,投資マネーは〈安定確実な〉方へ誘導される.国家政府参入の〈計画管理株価方式〉である.本来の企業業績評価ではなく,投機的に値上がりしている株は,政府投資機関がその所有の株を大量に売りに出し,値を下げさせる.こうして,株投資マネーの暴走をさせないことである.

2)成長企業・産業への支援

これに加えては,優良事業を起すことが見込める企業及び開発実行共同体には,振興資金を研究グループに対して貸与・給付して,さらには,その株には,〈買い〉によって株値高化で支える.

3)金融・財政政策を結合

これに加えて,金融・財政政策を結合させて,市場の株・為替,国債・債券市場を操作すればいい.こうしたことをしなければ,今回のような〈ドンドコ札束印刷・国債発行方式〉だけでは,政府が思い願ったことが,実現はできない.

マアいってみれば,資本主義の国家経営である.ここまで,世界に投資マネーが莫大に貯蓄されているのである.それを暴走させないで,上手く・有効に制御して使うことである.それが政府による国家経済の政策の基本であろう.

4)タスクヘブンを マネーヘブンにするには

: 市場外持ち出し金への額累進課税による資金の実体経済への転換

さらには,実体経済の推進に役に立たない投機マネーで得た利益は,税金として収奪して,世界にはびこる投資マネーを投機に走らないようにし,さらに,規模を縮小させ,実体経済の資金に転換させることである.

その方法は,株式取引の公開性と,そのデータに基づく,その国家の市場から売り抜けして外に持ち出される取引取得額:投資儲けに対して,額累進課税をすることである.

5)タスクヘブンの実質機能不全

そして,これらの国家政府による政策に加えて,タスクヘブンの脱税国家を実質機能不全にすることである.彼らの弱点は,そのヘブンでは取引場がないのである.全ての稼ぎは,どこかの国での開催する株式市場・国債市場,為替相場等..である.そこにおいて,取引による儲けを国外に持ち出すことには,適切な課税をするのは当たり前である.

しかも,その入ったお金で国家は,実体経済を発展させる.そうすれば,彼らの持っているお金自身の価値を高めることにもなる.適正な規模で確実に自分らの安泰と価値の高化が図れる.この国の市場は安定的に伸びる:安定的に儲かるということと,市場持ち出し儲け額に対する課税という強力を持って,その国の市場から逃げさせないようにする両面作戦をとることである.

ある国が,投機マネーに乗せられて転覆しそうになる.そこには当然,莫大な投機マネーの儲けがあったはずである.このような国の経済が破綻すると,連携する経済圏と世界経済の破綻となり,そのことで巨大金融マネーもまた,手痛い打撃を受ける.下手をすれば,旧信用価値の廃棄:反故となることもありえるのだ.

だから,この経済力主要国の共同による株市場持ち出し金累進課税とタスクヘブンの実質機能不全の世界政策は,近江商人の商いの指針〈三方得〉である.国が潤い,投資マネーも安心して暮らせる,そして世界が安心して皆さんが働いて支え合うこととなる.世界の1000兆円を超える巨大な投機マネーと,それに振り回されて動くことになる各国投資マネー総額数億兆円のマネーを,実業経済の振興に有効に使えるようにする,こういうマネーにすることである.これが現代の世界的な金融恐慌の唯一の解決策である.世界の各国で共通に,この巨大投機・投資マネーを国家が合法的に統御し, 国家の実体経済の再建に使うことである.これを〈マネーをヘブンに活かせる:マネーヘブン〉とでも言おう.これによって,ヘッジファンドの巨大投機マネーもまた,醜い妖怪の顔をなくして,素顔の優しい,真面目に仕事をするマネーに変わる.これは彼のイギリスの創作児童小説のような話となるのかナ.サッカーと同じく,イギリスこそ,近代の金融・投資の発祥の国であった.

どうですかな できますかな 主要国首脳会議(G8サミット)の皆さん

こうしなければ

 世界のこの金融恐慌スレスレは,解決できないのではないですか.
 こうすれば,高度成長でないが,

 持続可能な発展を為す世界経済が創れるでしょう.

アベノミクスによって 誰が

巨額の儲けマネーを手に入れて, 誰が損をしたのか

安倍・黒田の財政金融政策の破綻とその結果による収支勘定

□ 2013.6.15付の朝日新聞1面記事「米ヘッジファンド 暴落前に売る手配」で,

ああヤッパリとなったことでの批評

巨大マネーが地球上に蠢ウゴメいている.その額は,1000兆円規模であると言われている.そして,それらは常に,投資マネーとして,利益を求めて動く.これが習性サガである.恰も,妖怪のように,血の滴りを求めて獲物を狙うがごとくに,である. 日本において,昨年来の安倍新政権以来,この間の政府の経済政策は,彼らにとって格好の狙い目となる獲物であった.

その実際の場面を劇場で見てみよう.何たって,株式・為替・債券等の投資劇場は,みんなでパチンコ屋に行ってドンドコやると同じな,確率過程の市場である.持ち逃げ・食い逃げ自由である.また,釣り人が魚になって釣られることになる劇場である.はたまた,煽った方がいいのか・騙された風をするのか, 〈台詞が後で嘘とならないようにしながら〉誤魔化しを言ったらいいのか...この劇の真骨頂というべきところである.だから,この劇では,演者の台詞回しに実際の実態を見て自分の頭で考えて,騙されないようにしよう.


第1場面: 安倍・黒田によって,次のような政策を打ち出す

A; 金融政策

 ドンドコ日本銀行がお札を摺って市場に供給し,インフレを起して景気を起す.その規模を黒田さんは,「異次元の規模」と言った.実際は,「日本銀行券」という債券にして,国立印刷局でお札を摺り,それを国の国庫金:政府預金の出入管理と日本銀行との取引銀行(私的な金融資本)が当座預金で「お金として使えますよ」として引き出すことで発行されたことになる.

B; 財政政策

 これまた,ドンドコ国債発行をして国家財政を拡大する.この政府の借金の借り先は,国家内の国民経済という総体であり,具体的には,それを日本銀行に買わせ,日本銀行は,一定数を銀行(金融資本)に安く売る.これが実際の過程:実体である.

C: 成長産業の政策

 今回の「三の矢;成長政策」は,過って小泉・竹中が採った規制緩和による自由競争化に加えて,「成長しそうな産業」に目を掛けて伸ばそうというものである.これが「産業競争力強化会議」「経済財政諮問会議」なる審議会の政策の基本実体である.しかし,世界経済で相手にしている大規模な成長産業は,既に,半導体・情報産業等,既に米国を筆頭にしてシェアされており,今後の〈金儲けできるヒット産業〉は限られている.こうしたパチンコ屋の〈玉が出る台探し〉ではなく,産業の成長政策の基本は,その土台は下流ニーズの創出でないのか.

 第2場面: 仕掛けた人・踊った人,煽った人・警戒した人,

そしてただ見るだけの人=まじめに働いているが,余り賢くなく,御人好しで他人を疑わない日本の一般国民である.

 

第3場面: このアベノミクス:「煽りミクス」劇の結果,一体誰が巨額の儲けをなし,その分誰が損失したか.

4月3日に始まった〈日銀過去最大の金融緩和策決定〉発表以来,この煽り劇の最終場面は,日本株式市場の大暴落として5月23日に現れた.その後の下落で,6月14日には,株価の水準は政策発表の元の水準:もとの木阿弥に戻ったのである.,しかもドンピシャ1万2000円台である.これは,安倍・黒田(その影の軍師:エール大学教授の浜田宏一氏という)の政策の破綻,その端緒と見た方がいい.

これがどういう影響を日本経済に被ることになるか,先ずは,この73日間で日本の株式市場における売買出来高の総額を,6/15付朝日新聞発表のグラフに定規を当てて推測してみよう. (この原始的方法で,資料のない私にも推計はできる.)

この間の平均値は,定規を当てると,およそA:1万3000円,4/3と6/14の株価の差額は324円で,その半分より,基底基準値をB:1万2524円とすると,この間の平均の差額はA-B=476円となる. これに東証株取引1日数平均を少なく見積もって35億株とすると,日本の株式市場で出入りした額は,およそ,476円x35億株x73日=120兆円となる.これは,オーダーの概算というものである.だからおそらく,この73日間のアベノミクスで100数十兆円にはなるということである.

それでこのお金がどこに行ったのか,登場人物の収支決算を見よう: 

別の指標からみると,世界のヘッジファンド運用資金240兆円の一部が重点的に日本市場に流れ込み,「海外投資家の買い越し額は約10兆円に膨らんだ」という計算になるという.(『朝日』記事)これをドンドコ売り抜ければ,巨額の持ち逃げができる.アメリカに籍を置くヘッジファンドグループを先頭に世界の投機資本は総計で,10兆円を稼いだということになろう.

その金はどこから生まれた金か.一部は,〈大勢のグループ〉:日本の投資家・投資機関:預けている年金機構等の損失である.しかし,この劇場空間を閉じてみれば,その多くは,ここに「異次元で」湯水のように札を摺って(国民経済に借金して)流した日本の国家経済になる.その借金が,国債である.実際に日銀によって流した金が,○○兆円であり,〈大勢グループ〉の損失を合わせて,経済単位で日本国家としての損失額の総計が,10兆超円となる.これが収支勘定である.

日本の株式市場から流出したお金は,この10兆円を超える額と,一部は,日本国債の買いに転換していようが,その長期金利が上がっており,国債価格は下がっているということである.あるいは,株代金として保有していた円を売ってドルを買ったのか.となると,どこに残りの110兆円の巨額の金が転換流出していったのか,メディアは是非明らかにすべきである.


北朝鮮金王朝は この秋までには崩壊か


今日2013年5月10日の朝日新聞朝刊1面記事を読んで,このことを予言したい.


その要因事例を幾つか挙げる.

 1)歴史的な冷害・大凶作が起こりうる

 今年の気候は,日本でさえ5月に雪が降る・霜が下りる大規模な冷害気候である.これで,日本の東北・北海道よりも寒冷な北緯38度以北では,主食のお米は,田植えも出来なく,コーリャンと麦に代えざるをえないだろう.これは,北極寒冷ジェットストームの蛇行によるもので,しかも,千島列島沖には,寒冷高気圧が居座って動けないでブロックしている.この冷害気候は,今年一杯続く.そして,気候の大変動は,上空大気の寒暖気団の激変・海流温度の変動等により,今年の夏には,大豪雨・洪水が起こりうる.北朝鮮の山林は保水力が低い.そうなると,間違いなく,北朝鮮は,歴史的な冷害・大凶作と大洪水に見舞われる.民衆は,大規模な餓死者も出る寸前まで追い詰められるだろう.

 2)産業の循環が止まるということである.

 ケソン工業団地の閉鎖によって,経済利益が上がらないだけではない.モット怖いのは,産業の基幹となる工業生産が出来ずに,産業の循環が止まるということである.そうしたときに,組織性に強い工業労働者の5万人,その高度熟練労働者が職を失い,放置されている.じっと耐えていられるのか,既にそれは限界であり,爆発力は充満しているはずだ.

 3)国家の経済・産業が崩壊したのである.

 国内工業生産が止まり,農業生産が止まり,加えて,中国だけではない.国際的に金融機関が支払いを停止して,全く貿易が成り立たない.国家の経済・産業が崩壊したのである.そう見ていいだろう.

 4)北朝鮮の社会は,今ギリギリの沸点である.

 こういう国家経済の状態の時で,労農同盟が成り立つ.フランス・ロシア・スペイン,中国等,幾多の近代の革命は,この原動力によって,なされた.革命は,沸点に達した時は,どんなに押さえ込もうとしても,逆にその爆発力は増すものである.北朝鮮の社会には,今その頂点にあると感じる.

 5)後ろ盾の中国に見放されては王朝も成り立たない.

 加えて,この王朝が成立して,朝鮮戦争を共に戦い,永らく支持してきた中国が,その支持を取り止め,見放して来ているということである.

 6)軍内で何が起こるか・何が起こっているか?

 王朝は,自己基盤の危うさを,「先軍」による軍事国家で体制をとってきた.軍隊による支配の体制で維持してきたのである.「坊やのような」金ジョンウンへ交代し,この度は,敵から攻められるとして,ミサイル発射・核実験再開挑発を喧伝した.国内を〈戦闘体制〉に持って行くことで,その支持基盤の危うさの矛先を変えようとしたわけだ.しかし,国際社会は,それに乗らなかった.こうなると,軍内部はどういう状況となるか.必ずその非を咎める動きがでてこよう.そして,それが引き金になって,軍部内でその圧倒的に支配力を持って維持してきたものが,ひっくり返る.金王朝の現軍部首脳は,〈裸の王様〉になる.そして,軍部内で発火する.


 そうなった時に,過ってのルーマニヤのチャウシェスク一族のように,民衆・軍に追い回されて哀れな最後とならないように,今のうちに政権返上をした方がいい.それもこの夏までである.そういう予感がする.それとも既に,中国は〈次期政権構想〉の人選を進めているのであろうか.そんな気もしないではない.

  

 フランス映画で『アルジェの戦い』に描かれた革命は,都市民衆の蜂起であった.2002年日韓サッカーWカップの時に,38度線を民衆が大挙して観戦のために「国境」を超え,それを歓呼で南朝鮮民衆が迎え入れる夢を見たことがあったが,そんな甘いもんではない.しかし今度は,未曾有の大洪水に救援する軍隊が〈国民救援軍〉となり,それが〈救国革命軍〉とならないとも限らない.

 過って私は,60年代後半のベトナク戦争時代に,一つの戦闘場面での米軍の敗退から,全面的な敗北を予言したときと同じである.ジャーナリズムの感は,研ぎ澄まされて,予測し・準備し・行動してしていないと,その事態勃発のときに,追従するだけで後追い記事となってしまう.ジャーナリズムの威力はそういうものであってはいけない.今の今,探られよ.その威力を発揮されたし.

 

 以上,久々の社会・政治問題でのブログ記事である.物騒な内容をお許し頂きたい.これがどれだけのアクセス数となるのか注目したい.ではまた.

中継するゾーンの戦術:

他の2つのゾーンに,横行ラインの高さで,中継マンをそれぞれ1人ずつ配置し,味方がそのバトル場面で,相手ボールを奪えることを予測して,中距離弾パスをねらってポジショニングする.


中距離弾パスを受ける

中継マンが,この戦法のキーである.その成否は,味方が相手ボールの奪取に入ったとき,素早く,このバトル場面ゾーンから,1本のパスで抜ける穴の,そのパスコースに入ることである.

A: 相手マークは,この時点では,自分ボールであり,ディフェンス・シフトに入ってない.そしてこちらへのマークは,マンではなく,コース・スペースマークである.これが,この反転速攻時点の相手のディフェンスの弱点なのだ.この弱点を突いてスゥ~ッと30y中距離弾のパスコールに入ること:〈バトル場面からのパスの繰り出しと連動して,パスコースに入る練習〉の習熟が必要である.

 インサークルパスを繰り出す

:サークルトップ付近に1人,それと中継マンとを結んだラインに,もう一人のFWを配置

この2人は,R点:中継マン・パッサーとG点:ゴールの2点を結んだ直線を意識して,前のFW は,このラインに並び,後ろのFWは,前のFWの動き・狙いを見ながら,ポジションを修正していくことである.これが2人のポジショニングの基本である.


A: 戦術で最も大事なことは,ペネトレートである:サークルトップ付近にいる味方に繋ぐ1発のパスを狙うこと.これと連動することである:これには,パッサーも,レシーバーも,熟練が必要である.SWと相手ディフェンダー2人のマークを付けて,繰り返し練習してほしい.

B: 相手サークルに1発のパスで侵入するパス攻撃:ペネトレートをするには,方向角度は,5角度ある.これが狙えないときは,味方のFWを相手エンドラインに深く走りこませて,そこに中継して,センターリング→ エンドライン・ドリブル→ ワンツーでインサークルする.

C: 中継マン→前のFW→後ろのFWの距離間隔が重要である.目的は,相手SWがペネトレートコースでブロックすることを無効にすることである.この感覚を練習で習得してほしい.


インサークルするゾーンの戦術

このゾーンでも,必ず,1人ではなく,2人の方がインサークル&シュートの確率が高くなる.その成功率は,1対1のときは,5分5分,それが,味方Of2人対相手Df1人のときは,2:1の比率ではなく,4:1である.これが【ランチェスターの法則】というものである.例え,相手SWがいて,Of2対Df3の場面でも,〈一瞬の2対1の場面がつくれる〉.それが,戦術というものである.

〈 全ての戦術というのは,一瞬に・一瞬だけ,2対1にする戦術である 〉と言っていい.

そのために,前回まで,レクチャーして練習ドリルをし,習熟させてきたのである.

ここでも,その戦術は次のものが使える:

A: ワンツーテンポの2秒戦術

ラインツー, フラッシュ・パス, ダブル・ポップアウト, ワンツー・リターン


中距離弾パスの練習方法:  コート半面を20y幅3等分して

形態A 【マイケル練習:相手ボール1人対2人で,ボールを奪って】→【中距離弾パス】

B1: センターゾーンで,相手ボール1対2から

B2: サイドゾーンで,相手ボール1対2から

形態A 【センターゾーンの相手ボール2対2(30yにSW配置)から】

2対2 → 30y中距離弾パスで他のゾーンの中継マンへ→ 30yインサークルパス 

1)センターゾーンで 2対2の場面

中継マンを 相手陣40yのサイドゾーンに入れる.

サークルトップにアタッカーとして2人,あるいは,サークル1人+エンドラインに1人入れる.

2)ディフェンスは,2人ずつ,2つのゾーンに分けて入る.中継マンに付けるディフェンスは,バトルゾーンでマンマークではなく,スペースマークで配置する.したがって,これは,実質的にダミーである.

3)練習プレーは,2対2のバトルゾーンと中継マンの位置を順次移行する.

   センター  →  右サイド  →  左サイド





中距離弾パス戦法の戦術

※以下の戦術は,4-4-2のシステムで可能な戦法である.

※4-3-3のときは,戦術要地に,1列目から2列目に下げて,中継マンとすればいい.


ボールを奪って反転速攻

 : 中盤で,ボール・バトルゾーンで2人掛かりでボールを奪う,

相手ボールを奪った場面からの展開において,大事なことは,2つ

大事1: 相手に再度ボールを奪われないように,

その相手が接近・密集しているバトル場面を急ぎ離脱すること

大事2: 相手のディフェンス陣の手薄なスペースを読んで,そこにパスを繰り出すこと.

 この2つの仕事を確実に為すための戦術は,必ず,その場面を2人でワークすることである.

A 1対2でボールを奪って,奪った人が,素早く,もう一人の隣りの味方にパスをして離脱

オーストラリヤのマイケル戦法

文末に,このマイケル戦法の練習形を紹介する.この相手ボールOf1対Df2,あるいは2対2から,ボールを奪うことを繰り返し練習して,習熟してほしい.なお,マイケルさんは,過って,ホッケージャパンに,オーストラリアから招聘したコーチのことである.彼は,この1対2からボールを奪って,反転速攻する戦法を重視して,教えたものである.その当時も,オーストラリアは,インターナショナルでトップチーム:今で言うところの〈世界ランキングトップ〉であった.人工芝コートでの卓越した戦略的思考を感じる.

    ★この1対2,2対2でボールを奪って反転速攻の戦法も,重要な独自の技術領域であり,進化発展している.これを次回レポートで考究する.そちらを楽しみにしてほしい.選手自らも,自分らで徹底研究してほしい.言われた通りにしかできない選手は,二流である.〈コートは研究の場所〉,そして,電車の中,ベットの上で寝そべっているときに素晴らしい発想が浮かぶときがある.こうなるようなら本物だ.

B: 狙ったパスの方向と逆方向に動きのルアーをして,パスを送るなど,必ず,相手SW・相手陣形にコースの穴をつくるルアーを入れること.また,中継マンとのタイミングの同調も重要である.ここでも,大きな三角形:30y辺のトライアングル・オフェンスとなる.その積もりで創意研究してほしい.だから,2対2でボールを奪ったとき,一つの戦術を入れることで相手を振りきって一瞬フリーになれる.この一瞬フリーから,中継マンと同調して,中距離弾パスを繰り出せる.その戦術は,マンクロス, ワンツー, ポップアウト, スライド・・・等である.

C  相手ボールマンをサイドにチャネリングしてサイドエリァで1対2,2対2の場面にして,ボールを奪うことは,最も大事な基本である.サイドでは,こちらDf2人は,機能では,センターエリァと較べて2倍となる.エンドラインが,もう一人のDfで追い込み役であると思って利用する.