「ネブカドネザルの王政の第二年,ネブカドネザルは夢を見た。そのため彼の霊は動揺を覚え,眠ることさえできなくなった。それで王は,魔術を行なう祭司,まじない師,呪術者,カルデア人たちを呼んで,その夢を王に告げさせるようにと言った。」(ダニエル2:1,2)
ヨハネへの啓示の書は、緋色の野獣と十本の角が、大娼婦である大いなるバビロンに総攻撃をかけて、徹底的に滅ぼしつくしてしまうことを予告しています。(啓示17:16)エホバの証人は、この大いなるバビロンは、偽りの宗教の組織であると解釈しています。私は、大いなるバビロンは、偽りの宗教の組織ではなく、アメリカ合衆国であると解釈している人たちのひとりです。
では、大いなるバビロンが諸宗教とはではなく国家である理由を考えてみましょう。
エホバの証人発行の「聖書は実際に何を教えていますか」という本は、大いなるバビロンが、宗教上の帝国である理由として、大娼婦は「地の王たち」と淫行を犯したので、女が政治上の帝国でないことが分かると述べられています。
しかし、聖書の中には、ある政治国家が他のすべての国家と淫行を犯すことが述べられています。例えば、聖書はティルスについて、「土地の表にある地のすべての王国と売春を行なう」と述べています。(イザヤ23:17)ところが、ティルスは昔は都市国家であり、単なる宗教組織ではありませんでした。
また、エゼキエル書には、サマリアと呼ばれる北のイスラエルと、エルサレムと呼ばれる南のユダがアッシリアと売春と淫行を行なったことが記されています。(エゼキエル23:5,11,12)北のイスラエルと南のユダは国家でした。ですから、政治国家が他の国家と売春つまり淫行を行なうことがあるわけです。
それで、聖書に出てくる淫行を犯した実体は、すべて政治国家だったのですから、地の王たちと淫行を犯す大娼婦も国家でしょう。
加えて、エホバの証人発行の「聖書の教え」の本は、大いなるバビロンが偽りの宗教組織であることは、大いなるバビロンが「心霊術的な行ない」によってあらゆる国民を惑わしているという記述からも裏付けられると述べられています。(啓示18:23)
ところが、冒頭の聖句にもあるように、聖書は政治上の支配者であるバビロンの王が、魔術や呪術や占いなどの心霊術に頼ったことを述べています。(ダニエル2:1,2。エゼキエル21:21,22)また、政治国家である南のユダ王国も占いや魔術や呪術に頼っていました。(エレミヤ27:9)国家であっても、心霊術的な行ないをすることがあるわけです。それで、単に大いなるバビロンが心霊術的な行ないをしていることで、大いなるバビロンの実体が諸宗教であるとは言えません。
かえって大いなるバビロンの予型であり、心霊術を行なっていたバビロンが国家だったのですから、大いなるバビロンも国家でしょう。
そして、アメリカ発の心霊術に影響されたエンターテイメントが世界的な影響を及ぼして、あらゆる国民を惑わしています。
国連が偽りの宗教組織を攻撃する事はいつまで経っても起こらないでしょう。大いなるバビロンは、諸宗教の組織ではなく、国家であるアメリカ合衆国です。このことを認識しているならば、国連が、大いなるバビロンに総攻撃をかけるという世界の潮流が表れてきた時に状況を正しく見分けることができるでしょう。
イエスは、その時、未曾有の大患難が勃発すること、山に逃れることによって命を守ることができると預言されました。(マタイ24:15,16,21,22)私たちの命と関係しているのですから、大娼婦の実体を正しく見極めることは大切です。
さらに、次回も大娼婦が諸宗教ではなく国家であると言える理由について取り上げたいと思います。