本屋に行きたくて
ウラルを走らせたくて
思い立ったのは日曜日の夕方
一目散に向かった。
新聞の書評から気になっていた
悼む人―天童荒太
久々に出た!
つれづれノート15―銀色夏生
ワクワクしながら帰宅後
近所の静かなインドカレー屋へ
本を携え
一杯飲みに歩いて向かった。
一枚一枚をめくる右手の親指と人差し指は
徐々に重たくなるページをやっとはさみ
右へと移動させるのが苦痛なほどで
(目は次へ次へと活字を追うが)
ワタシはその間に
ウーロンハイを一口進める。
終わりが来るのが
つらい。
終わりを迎えるのは
自分の右手の親指と人差し指の
この仕業だ。
始まりを迎えたのも
この右手の親指と人差し指の
仕業だった。