世界はつながっているー毎日新聞から | 『つながる』ことからはじめよう!

『つながる』ことからはじめよう!

誰でもできる、良い連鎖へと変化を生みだす、小さな取り組み


以下転載
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

閑想閑話:人っ子一人いない森の中… /島根

 人っ子一人いない森の中。
木々はざわめき、動物たちがうごめく。
木漏れ日の差す中に放置されたコンクリートの塊。
その中に閉じこめられているのは、
チェルノブイリ原発事故で被ばくした作業員の遺体。
先日、広島市で舞台「ホシハ チカニ オドル」を見た▲チェルノブイリ原発事故、東海村でのJOC臨界事故、パレスチナやイラクなど各地のさまざまな犠牲者たちをモチーフとした作品で、大槻オサムさんによる一人芝居と、谷本仰さんによるバイオリン演奏とのコラボレーション舞台。大槻さんは言う。「『自らは語り得ない』死者たちに成り代わって、語り得ない<出来事>を語りたい」と▲コンクリートに閉じこめられた遺体が夢想するのは、青く冷たく輝く星になること。今も「出来事」は各地で起こっている。
島根原発は運転が再開されようとし、
山口県上関町では新たな原発建設が進む。
劣化ウラン弾に苦しむ子どもたちがいる。
世界はつながっている。
それを多くの人に感じてほしい。
そう切に願った。【上村里花】