続 『日輪の子』
今月の7日に『日輪の子』(http://ameblo.jp/lionman/entry-10064268709.html )
を掲載してから16日後の朝・・・・この日だけは散歩のルートを変え、まず稲村ヶ崎公
園にある『真白き富士の嶺』のブロンズ像のお参りから始めようと思っていた。
いつもの散歩コースと違うぞ・・・・って眼でチラチラと眺め上げてくる愛犬“スモモ”を
無視して、天気予報では“雪”になる筈だった小雨のなかを公園を目指した。
98年前の彼等が遭難した1月23日(1910年)もこんなミゾレまじりの寒い日だった
という・・・・なぜか因縁めいた天候に身が震える思いがしたのは、しみ通ってくるよう
な海風の寒さだけではあるまい。
『日輪の子』をアップしたその日から、今年のこの日だけはどうしてもここに来て、遭
難した彼等の霊に祈りを捧げたいと思っていた。
ポケットの中のチョコレート二箱を碑の前にお供えして、犬のくせに寒いのが嫌いな
“スモモ”が帰り急ぐのを、自分への言い訳にして残りのコースを省き家に帰った。
翌日は気持ちが良いほどの晴れ。
前日はしょった分を歩こうと散歩に出掛けた。
ゴールに近い稲村ヶ崎公園にきて、昨日お供えしたチョコレートが気になり、ブロンズ
像の前に行くと碑の前に白いバラの花束が献げられていた。
その花束が彼等が遭難した1月23日を忘れずに、その御霊を悼むものであることは
間違いない。
約一世紀前の悲しい出来事が、つい昨日の出来事でもあるかのような、新しい悲しみ
と痛みを伴って蘇ってきた。
そして不思議なことに、この日に撮したブロンズ像の兄は天空から射し込んでくる光を、日輪
を受け止めたあの右手で捉まえようとしているかのようだった。