オール・イズ・ロスト~最後の手紙~ | むすめの右フック

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オール・イズ・ロスト~最後の手紙~ (2013)
原題:ALL IS LOST
時間:106分
製作国:アメリカ
ジャンル:パニック/ドラマ

【監督】J・C・チャンダー
【出演】ロバート・レッドフォード


大海原に一人ぼっちってお話。
ロバート・レッドフォードの一人芝居って映画。

これは観た後、真っ先に
映画レビューサイトを覗きに行きましたよねぇ。
そしたら皆さん、絶賛の嵐!

私、またしても、嵐の中、一人ぼっち。
ロバート・レッドフォードが演じた男の気持ちが
ちょとだけ分かった気がした。あははっ





いや今回は、この作品の良さは分かるんですよ。
画面から目が離せませんでしたからね。悪い映画じゃない。
ただ、そこまで凄い映画とは思えなかっただけ。

と言うのも、これは レッドフォードの集大成とか
彼の素晴らしい演技に脱帽!アカデミー賞に値するとか
プロの批評家の人たちが大絶賛してる。

確かに、76歳って年齢でオール水上ロケの一人芝居。
これは出来るこっちゃないですよ。私なら無理。
私、乗り物酔いするタイプだから。あははっ

ただ今までに、もっとハマり役あったでしょう。と
もっと彼を代表するような作品あったでしょう。と
私には、そこまで絶賛される理由が分からなかった。

っていうか、そもそもレッドフォードは演技派なのか?
私、レッドフォードは大好きなんですけど、今まで
レッドフォードを演技派だと思ったことがない。

私が思うに彼は、スターなんですよ。スター。
スターには、演技力なんていらない。
そこにいるだけで絵になる。

ま、こういう人、最近じゃ、めっきり減っちゃいましたけど
ほら、トム・クルーズを見てください。彼の演技力なんて
ジャッキー・チェンレベルですよ。

いや、ジャッキーが悪いとかじゃなくて、
あと、クリント・イースウッドなんかもそう。って私。
ここまでで、かなり敵を増やしたな。はっはっはっ

あ、そうそう、キムタクなんかもそうですよね。
彼は、チョンマゲ結っててもキムタク。

って、レッドフォードと比べたら、スケールも身長も
かなり小さい話になっちゃったな。あははっ

いやだから 逆に言うとね。彼の演技力が控え目だから
この映画に、ピタッとハマったんじゃないかと思うんですよ。
出しゃばってないから、この大自然の風景に溶け込めてる。

彼の淡泊な演技のお陰で、自分を投影することが出来るっていう。





で、もう一つ引っかかったのが、これぞ本物の映画!
っていうフレーズが頻繁に使われてること。

いや、ハマった人は良いですよ、そりゃ。
私みたいにハマらなかった人は、どうすりゃいいんだ。
そんなこと言われたら、もの凄い凹むわ。あははっ

これは本物の映画っていうよりも人生の映画ですよ。
中高生に見せたって、ただの退屈な映画で終わっちゃう。
こう 年を重ねれば重ねるほど、心に響いてくるような映画。

劇中、彼は幾度か決断を迫られるんですね。で、時には
すべてを投げうって賭けに出なくちゃいけない場面もある。
人生を長く生きてきた人には身に沁みて辛さが分かる。

そうそう、ある人が、こんな事を言ってました。
海に出ると、その人の生き方がよく分かるって。
危機管理能力のない奴が最近、多すぎるって。

で、劇中、彼はヨットのキャビンから出る時、入る時、
浸水を防ぐ仕切り板を毎回、きちんとするんですね。
こういうトコロに、彼の人となりが表れてる。


と、まあ、このアタリの考察は、
皆さんがされると思うんで、このぐらいにして、





私が思うに レッドフォードって人は、
自分がどう見られてるか、よく分ってる俳優さん。
人前では、常にレッドフォードを演じてる様な人。

有名な話では、ポール・ニューマン評決って映画。
あれはもともと、レッドフォードがオファーを受けたんですが
アル中の役はイメージに合わないと断ったんですね。

ファンのイメージを壊すような役はしない。

で、そんなレッドフォードがこの役を選んだ。
私は、そこにどんな意味があるのか。彼がこの役を通じて
何を訴えたかったのか。そこに興味が湧きました。

で、この映画、セリフがほとんどないんですね。
冒頭のナレーションと無線でSOSを呼び掛けるトコロと
それに「ヘルプ!」なんですが、

あと、もう一つだけセリフがあるんですね。
私は、そのセリフにシビれましたねぇ。

え?皆さんもシビれた!?
ああ、私の話が長くて。はっはっはっ

と言うわけで、こんなおっさんの戯言なんか気にせず
ぜひぜひ、お試しあれ!