当世あんぷ三竦事情 (その3) SPARK (スパーク) 734A | B級お~でぃお色ざんげ (旧 B級お~でぃお珍道中)

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わたくしを通り過ぎた、お~でぃお機材(中古ばっかり)たち(笑)

このひとを手に入れたのは、PA01様 より早く、

SM-SX10様 の入手後間もない2007年の、5月の終わりのことでした。

音の増幅方式としては、最古参ながら最先端の、

でじたる方式の向こうを張って、今なお根強く存り続けている

真空管の奏でる音をば、まずは確かめたかったのです。


実はこのとき、わたくしには、「正妻」 と呼んで然るべき、

15年近く連れ沿った、管球あんぷがありました。

その 「正妻」 はわたくしよりも、10歳近く年上で、

往年の機器が最先端の、SX10様との歌合せをば

行う様への興味もまた、尽きないものではあったけど、

客観的な評価をば、果たして得らるるものかしら? とも、


それならいっそ世代も新たな、中国生まれのこのひとを、

大物量を投入したる、25Kgの魁偉な姿に、

銘球EL34のUL & 3結という、ふたつの発声方法も

マスターしているこのひとを、試してみたくなったのです。


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その歌声には「管球あんぷ」 に、われわれが抱く期待像をば、

いい塩梅で具見化したと、思わせられたものでした。


UL接続の唱法は、力感にこそ溢れていても、

伸びやかさでは早々に頭を打って諦めてしまう、

やや残念を印象を拭えぬものではあったけど、

これがひとたび3結に、切り替えられたるあかつきには、


金の油を流したような、しっとり艶やか滑らかな中高域の潤いや、

ファジーな 「揺らぎ」 の再現性にも秀でた音像の立体感、

それらを泰然自若と支える、おっとりとした中低域も

ヒートアップが進むにつれて、弾力感と締まりが加わり、


すぴーか端子が接続先の 「いんぴーだんす」 の違いに応じて

複数備えてあることも、懐深いものでした。

例えば 「6おーむ」 と書かれている、すぴーかー達に繋がん時に、

4おーむ端子に接続すれば、慎み深い歌声で、

8おーむ端子に接続すれば、躾はいささか甘かれど、

小音量でも音痩せ少なく、押さえつけない開放感に

満ち溢れたる歌声を、容易に得られるものとして、

奏でんとする調べに合わせ、随分重宝したのです。


「らいぶ」 や 「肉声」にまみえた時の、気持ちの良さをばしっかりと、

多少デフォルメされたとしても、「喉」 が震える肉感を、

イメージできるものであり、いずれにしても音像と、

それらを囲む雰囲気との 「ブレンド感」 とでも言えば良いのか、


再生音を聞いてみて、ただ音源が、ただただそこに、

あるだけのように感じられたら、そいつはやっぱり不自然と、

そこには周りの空気やら、雰囲気やらも伴われねば、

そいつはどこかに違和感を、やっぱり感じてしまうものだと、


こうしたものを大事にしている、そうした意味ではSX10様と、

対照的な快感をば、紡ぎ出すように思われたのです。


。。。などと、べたぼめの一方で、

例えばチェンバロ演奏の、共鳴が醸す微細な響きや、

弦楽曲でのナイーブな、高弦パートの表現などが、

ほんの少々ウォームに過ぎて、埋もれてしまう印象も、


感じぬわけでは、無かったのです。