結婚するにあたり、実家で過ごす最後の夜は、ダーリンを交えての、「蟹しゃぶパーティー」「家カラオケ大会」の順で、明るく盛り上がろう!ということになっていた。
「蟹しゃぶパーティー」の様子
父きみじも、大好きな酒を、お祝いの席という理由で、飲み過ぎを注意されることもないと察し、満面の笑みで、ご丁寧に「グ~!!」のポーズまでかましていた。
「カラオケ大会」は、順調に進み(きみじは、レミゼラブルの歌まで超音痴に熱唱)、そろそろフィナーレというところで、誰も頼んでいないのに、「娘が嫁に行く的な歌」を歌い出した。
(父きみじのレミゼラブル好きについては、こちら+レ・ミゼラブルに魅せられる 前篇+
・+レ・ミゼラブルに魅せられる 後編+
・+ダレ?ミゼラブル 番外編+
)
歌い終わり、へらへらし、また酒を飲みに食卓へむかうと…
きみじ号泣。
自分で、「娘が嫁に行く的な歌」なんて歌うからである。
自滅してどうする。
号泣を通り越したのか、顔がある一定の泣き顔で、固まっている。
まるで、泣いたときに、瞬間冷凍された魚のようである。
その泣き顔に、弟と母が大爆笑。
弟と母の容赦ない「フォローのしなさ」で、父きみじは少しずつ泣きやんだが、
ダーリンは、私の父親が号泣しているのを目の当たりし、
かなり、動揺していた。
「お、お風呂入ってきます!!」
と、言って、とりあえずいなくなってみたりもした。
娘の夫になる男の前で、本泣きを見せる父きみじは、恥も何も気にせず最後の最後まで駄々をこねる赤ん坊のようであった。
きみん坊