ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)


今回は、まず始めに、

とても有益な情報をシェアします!


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下記、ご覧になってください。

私も申し込みました😊



で、ここからは、

いつものブログです。

 

今、長期の出張に出ているため、

GWで書き溜めたブログを

アップしています(^^;

 

遠藤周作さんの名作、

 

わたしが・棄てた・女

 

 

から、

私の印象に残った箇所を

引用しながら、

紹介・解説をしています(^^)

 

今回で3回目、最終回です。

 

前回、

「人の不幸や苦しみには、

はたして意味があるのか」

 

という問いに触れましたが、

今回は、その続きです。

 

引用します。

 

 

「なぜ、

悪いこともしない人に、

こんな苦しみがあるの。

 

病院の患者さんたち、

みんないい人なのに。」

 

ミッちゃんには、

苦しんでいる者たちを見るのが、

何時も耐えられなかったのです。

 

しかし、

どう説明したら

よいのでしょう。

 

人間が苦しんでいる時に、

主もまた、

同じ苦痛を

わかちあってくれている

というのが、

私たちの信仰でございます。

 

どんな苦しみも、

あの孤独の絶望に

まさるものはございません。

 

しかし、

人間はたとえ砂漠の中で

一人ぼっちの時でも、

 

一人だけで

苦しんでいるのでは

ないのです。

 

私たちの苦しみは、

必ず他の人々の

苦しみにつながっている筈です。

 

しかし、

このことを

ミッちゃんにどう、

わかってもらえるか。

 

いいえ、

ミッちゃんは

その苦しみの連帯を、

自分の人生で知らずに

実践していたのです。

 

 

・・・私は、

特定の宗教の信者ではなく、

キリスト教よりも、

むしろ、仏教のほうが

身近で親近感がわくのですが、

 

遠藤周作さんの語る

キリスト教の、

「主が苦しみを分かち合ってくれている」

という考え方には、

とても惹かれます。

 

いや、キリスト教に限らず、

すべての信仰は、

そうなのだと考えます。

 

「苦しみの連帯」

 

イエスさまも苦しんだ。

仏教でも、

人の一生は四苦八苦から

逃れられないという。

 

苦しいのは、

自分だけじゃない。

 

程度の差こそあれ、

誰もが、皆、苦しんでいる。

 

そう考えると、

少しだけ、苦しみが和らぐかも

しれません。

 

 

この小説の最後のシーン、

 

物語を読み進めた最後に、

この箇所を読むと、

とても心に沁みるというか、

考えさせられます。

 

ちょっと長くなりますが、

引用させていただきます。

 

 

(吉岡は)

ながい間、

その手紙を見つめていた。

 

読んでいるというよりは、

見つめていた。

 

(なんでもないじゃないか。)

 

ぼくは自分に言いきかせた。

 

(誰だって・・・

男なら、することだから。

俺だけじゃないさ。)

 

ぼくは、

自分の気持ちに

確証を与えるために、

 

屋上の手すりに靠れて、

黄昏の街を見つめた。

 

灰色の雲の下に、

無数のビルや家がある。

 

ビルディングや家の間に

無数の路がある。

 

バスが走り、

車がながれ、

人々が歩きまわっている。

 

そこには、

数えきれない

生活と人生がある。

 

その数えきれない

人生のなかで、

 

ぼくのミツにしたようなことは、

男なら誰だって

一度は経験することだ。

 

ぼくだけではない筈だ。

 

しかし・・・しかし、

 

この寂しさは、

一体どこから来るのだろう。

 

ぼくには今、

小さいが手がたい幸福がある。

 

その幸福を、

ぼくはミツとの記憶のために、

棄てようとは思わない。

 

しかし、

この寂しさは

どこからくるのだろう。

 

もし、ミツが

ぼくに何か教えたとするならば、

 

それは、

ぼくらの人生を

たった一度でも横切るものは、

 

そこに消すことのできぬ

痕跡を残すということなのか。

 

寂しさは、

その痕跡からくるのだろうか。

 

そして亦、

もし、

この修道女が信じている、

神というものが

本当にあるならば、

 

神はそうした痕跡を通じて、

ぼくらに話しかけるのか。

 

しかしこの寂しさは

何処からくるのだろう。

 


 ここでいう、

「男」とは、

「強者」「勝者」とも言い換えられる

かもしれません。


この寂しさは、

いったい何処からくるのだろう・・・



この物語の主人公ミツは、

私の心にも、

消えぬ痕跡を与えてくれました。

 

それは、

普段は生活の中に埋もれていて、

あえて見ないようにしている、


弱肉強食の世の中、

棄てたつもりでも、


たしかに、

私の中に存在している、

 

寂しい気持ちだったり、

憐憫の情だったり、

弱さを慈しむ声であったり・・・

 

それらを思い出すきっかけとなりました。

 

今でも、

この本を読み返すと、

そんな気持ちが芽生えてきます。

 

 

ぼくの心にはもう一度、

あの渋谷の旅館のことが

甦ってきた。

 

蚊を叩きつぶした

跡のついている壁。

しめった布団。

 

そして、

窓の外に雨がふっていた。

 

雨の中を、

ふとった中年の女が、

だるそうに歩いていた。

 

これが人生と

いうものだ。

 

そして、

その人生をぼくは、

ともかく、

森田ミツという女と

交わったのだ。

 

黄昏の雲の下に、

無数のビルや家がある。

 

バスが走り、

車がながれ、

人人が歩きまわっている。

 

ぼくと同じように、

ぼくらと同じように・・・

 

 

 

・・・私が人と接する時に、

(特にカウンセリングを

させていただく際に)

心がけていることがあります。

 

「この人も私と同じだ・・・」

 

「この人も私と同じだ。

苦痛を避けたいと願っているんだ」

 

「この人も私と同じだ。

幸せでありたいと願っているんだ」

 

「この人も私と同じだ。

人生を通じて学んでいるんだ」

 

皆、弱さを抱え、

さまざまな苦労を重ねながらも、

懸命に生きているわけです。

 

この人も、私も・・・

 

「苦しみの連帯」

 

皆、迷い、悩み、

苦しみながらも、


人生という名の

それぞれの道のりを、

一緒に歩んでいる同志なんだ・・・

 

そんな気持ちを

忘れずにいたいと思います😊

 

 

 

**********************************

 

 

以上、

3回に渡って、

 

遠藤周作さんの珠玉の名作、

 

わたしが・棄てた・女

 

 

から、

私の印象に残った箇所を、

紹介・解説させていただきました。

 

ちなみに、映画化は、

ずいぶん前(1969年)に、

されたみたいですが、

私は観ていません。

 

1997年に、

「愛する」と改題されて、

現代風にアレンジされた映画は、

(酒井美紀さん主演の)

観た記憶がありますが、

原作のイメージとは、

だいぶかけ離れていた印象があります。


 

最後に、小説における、

森田ミツの言葉で、

締めくくりたいと思います。

 

 

「さいなら、吉岡さん」

 

 

この言葉は、

物語の最後に発せられますが、

 

このシーン、

切なすぎて、

目頭が熱くなります・・・😢


(ちなみに、森田ミツは、

遠藤周作さんの他の小説にも、

転生?して、

たびたび登場しますよ(^^))


 

わたしが・棄てた・女

 

まだ読んだことのない方には、

ご一読をおすすめいたします!

 

 

 

********************************

 

 

今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました😊

 

次回は別の本を紹介する予定です。

 

 

********************************

 

 

おまけ写真集(^^;

 

富士周遊の旅、

第3弾!

 

 

西湖コウモリ穴、

ヘルメットをかぶって進入です!

 

 

 

昼間なので

コウモリはいませんでしたが、

屈まないと通れない箇所もあり、

けっこうスリリング!

 

 

 

川口浩探検隊(懐かしい~)

の気分を味わえました!

 

 

 

河口湖畔にある、

武田信玄公ゆかりの、

富士御室浅間神社

 

 

 

湖畔では、

やぶさめのイベントをやっており、

大盛況でしたが、

 

境内は、

静寂の空間でした。

 

 

 

里宮。

無骨で渋い感じがして、

かっこよかったです!

 

 

 

本宮の前。

 

 

 

本宮、国の重要文化財。

 

 

 

林の中で、

赤が映えます!

 

 

 

河口湖町の風景。

富士山が身近ですね🗻

 

 

以上、

おつきあいくださいまして、

有り難うございました😊

 

 

 

 

あっ、この子も😸

 

(出張でしばらく会ってないけど、

元気かなあ~)

 

 

ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

今、長期で出張に出ているため、

GWで書き溜めたブログを

アップしています(^^;

 

前回から、

遠藤周作さんの名作、

 

わたしが・棄てた・女

 

 

から、

私の印象に残った箇所を引用しながら、

紹介・解説をしています(^^)

 

あらすじは、

ちょっとだけ・・・

 

「冷酷な運命に弄ばれながらも、

崇高な愛に生きる

無知な田舎娘ミツの短い生涯を、

斬新な手法で描く・・・」

 

 

では、さっそく引用します。

 

主要登場人物の吉岡が、

「あの人」の声を聞くシーンです。

 

 

(病気か・・・

あいつ。)

 

ぼくはひどく

疲労を感じた。

 

なぜか知らないが

体だけではなく、

心の芯まで

くたびれているのを感じた。

 

雨にぬれて

一匹の犬が

路をよろめきながら

横切っていった。

 

その瞬間、

突然、誰かが

耳もとでぼく自身に

問いかけるような

錯覚に捉われた。

 

今でもあの瞬間、

どうしてあんな声を

聞いたような気がしたのか

ふしぎである。

 

(ねえ、君があの日、

彼女と会わなかったら)

と、その声は呟いた。

 

(俺の責任じゃないぜ。)

とぼくは首をふった。

 

(一つ一つ、

そんなこと気にしていたら、

誰とも会えないじゃないか。

毎日を送れないじゃないか。)

 

(そりゃそうだ。

だから人生というのは

複雑なんだ。

 

だが忘れちゃいけないよ。

人間は他人の人生に

痕跡を残さずに

交わることはできないんだよ。)

 

ぼくは首をふって、

雨のなかを、

ぬれながら、

歩きつづけた。

 

ちょうどあの渋谷の夜、

仔犬のように

ついてきたミツに

 

眼もくれずに

駅にむかって

歩き出したように・・・

 

 

「人間は他人の人生に

痕跡を残さずに

交わることはできない・・・」

 

そうですね・・・

 

私もふと、

過去のちょっとした出来事を、

思い出すことがあります。

 

ちょっと恥ずかしい、

自己嫌悪を感じるようなことだったり、

もしかしたら、

相手を傷つけたかもしれない

出来事だったりします。

 

忘れたつもりでも、

無意識の中に蓄積されていて、

ふとしたときに、現れてくる。

 

もちろん、

吉岡がいうように、

 

そんなことを気にしていたら、

誰とも会えないし、

日常生活がすごく窮屈になります。

 

だから、

あまり気にする必要は

ないのかもしれませんが、

 

ただ、

「人間は他人の人生に

痕跡を残さずに

交わることはできない・・・」

 

と自覚をすることで、

 

謙虚な気持ちや、思いやりの心が

少し芽生えてくるのかもしれない。

 

そう自分に言い聞かせています(^^;

 

 

この台詞も印象的です。

 

 

「苦しいのは

体のことじゃなくってよ。

 

二年間のあいだに

あたしはやっとわかったわ。

 

苦しいのは・・・

 

誰からも愛されぬことに

耐えることよ。」

 

 

御殿場にある

らい病(ハンセン病)患者の

病院(施設)のシーンですが、

 

過去、ハンセン病患者は、

家族からも見棄てられて、

病院(施設)に隔離されていたといいます。

 

それは、それは、

孤独だったと思います・・・

 

だからこそ、

同じ仲間と助け合い、

励まし合いながら生きていたのだと

思いますが、

 

それにしても、

家族からも見棄てられたというのは、

さぞ、辛かったと想像します。

 

 

主人公のミツと、

修道女のスール・山形の

会話です。

 

 

「あの人たち、

いい人なのに、

なぜ苦しむの。

 

だってさ、

こんなにいい人たちなのに、

なぜこれほど

可哀想な目に会うのよ。」

 

「あたしも、

その問題を毎晩、考えるわ。」

 

スール・山形は

ミツの眼を

じっと見つめながら、

 

「眠れぬ夜に、考えるわ。

世の中には

心のやさしい人ほど

辛い目に会ったり、

苦しい病気に

かかったりするのね。

 

なんのために神さまは

そんな試練を与えるのか、

あたしもよく考えるわ。

 

この病院には

びっくりするほど

心の美しい患者さんが

沢山いるわ。

 

世間にいた時だって、

その人たちは

悪いことなんか

何一つしなかったでしょう。

 

それなのになぜ、

この人たちだけが

こんな病気にかかり、

家族に棄てられ、

泪をながさねばならぬのか、

考えるわ。

 

そんな時、

あたしは自分が信仰している

神さまのことまで、

わからなくなる時もあるの。

 

・・・でも、

あとになって考えなおすのよ。

 

この不幸や泪には

決して意味がなくはないって、

 

必ず大きな

意味があるって・・・」

 

 

・・・そうですね。

 

私も、まだ、

確認が持てるほどでは、

ないのですが、

 

不幸や苦しみというものには、

必ず意味がある、

のだと思います・・・

 

というか、

思いたい。

 

・・・皆さんは、

不幸や苦しみには、

どんな意味があると思いますか。

 

・・・次回に続きますね(^^;

 

 

 

**********************************

 

 

今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました。

 

次回もこの本の紹介を続けます(^^;

 

 

**********************************

 

 

 

おまけ写真集(^^;

 

富士周遊の旅、

第2弾!

 

 

竜ヶ岳に登りました!

 

 

 

途中、本栖湖を見下ろします。

 

 

 

山頂?見えてきました。

もしかして雲の中?

 

 

 

山頂、やはりガスってしまた(^^;

 

 

 

おおっ、

一瞬だけ、

雲が晴れて、富士山見えました!

 

 

 

下山時、下の方にいくと、

雲がなく、くっきり見えてきました!

 

 

 

ダイナミック!

 

 

 

青木ヶ原樹海・・・

雄大です!

 

 

 

本栖湖。

 

 

 

山の中の、

静かな湖でした。

 

・・・次回、

第3弾に続きます(^^;

 

 

 

 

ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

皆さま、

GWはいかがお過ごしですか?

 

私は、前半は、

大好きな富士山周辺を、

ぐるっと周遊したり!

(後で写真アップします)

 

後半は、

横浜金沢動物園など

割と近場で楽しみましたが、

(ホント夏の陽気ですね💦)

 

あとは、

部屋に籠って、

カウンセリングの逐語記録と

格闘したりしております(^^;

 

で、今回紹介する本は、

遠藤周作さんの珠玉の名作、

 

わたしが・棄てた・女

 

 

(これは私が持っている旧版の表紙です。

今の新版は違う表紙です)

 

私は、遠藤周作さんの小説は、

周期的に、読み返したくなるのですが、

 

今回、読み返してみたのは、

わたしが・棄てた・女

 

この小説は、

遠藤周作さんの作品の中では、

シリアスもの(純文学)ではなく、

いわゆる、

「軽小説」(中間小説)の部類なので、

とても読みやすく、

 

特に前半は、ユーモラスで、

軽いタッチなのですが、

(古き良き、おおらかな

戦後の昭和のイメージ)

 

扱っているテーマは、

とてもとても、

深いものがあります。

 

純文学よりも、

むしろ、ストレートに迫ってくるものが

あります。

 

あらすじは、

ネタバレになりますので、

表4(裏表紙)に書いてある一部、

 

「冷酷な運命に弄ばれながらも、

崇高な愛に生きる

無知な田舎娘ミツの短い生涯を、

斬新な手法で描く・・・」

 

くらいにとどめておきますが(^^;

 

例によって、

私の印象に残っている箇所を、

引用・紹介させていただきますね。

 

 

風がミツの眼に

ゴミを入れる。

 

風がミツの心を

吹き抜ける。

 

それはミツではない

別の声を運んでくる。

 

赤坊の泣声。

駄々をこねる男の子。

それを叱る母の声。

 

吉岡さんと行った

渋谷の旅館、

湿った布団、

坂道をだるそうに登る女。

雨。

 

それらの人間の人生を

悲しそうにじっと眺めている

一つのくたびれた顔が

ミツに囁くのだ。

 

 

この「風」の使い方、

しびれますね~。

名文だと思います。

 

この「風」が運んでくる、

別の声とは・・・

 

遠藤周作さんの小説では、

おなじみの、

あの方の声ですね(^^;

 

 

(ねえ。

引きかえして

くれないか・・・・・

 

お前が持っている

そのお金が、

あの子と母親とを

助けるんだよ。)

 

(でも。)

とミツは一生懸命、

その声に抗う。

 

(でも、

あたしは毎晩、

働いたんだもん。

一生懸命、

働いたんだもん。)

 

(わかってるよ。)

と悲しそうに言う。

 

(わかっている。

わたしはお前が

どんなにカーディガンが

ほしいか、

 

どんなに働いたかも

みんな知ってるよ。

 

だからそのお前に

たのむのだ。

 

カーディガンのかわりに、

あの子と母親とに

お前がその千円を

使ってくれるように

たのむのだよ。)

 

 

この時代の千円は、

今でいう1万円か、

それ以上の感覚でしょうか。

 

 

(イヤだなア。

だってこれは

田口さんの責任でしょ。)

 

(責任なんかより、

もっと大切なことがあるよ。

 

この人生で必要なのは

お前の悲しみを

他人の悲しみに

結びあわすことなのだ

 

そして私の十字架は

そのためにある。

 

 

「この人生で必要なのは

お前の悲しみを

他人の悲しみに

結びあわすことなのだ・・・」

 

う~ん、

意味深い言葉です。

 

 

その最後の声の意味を

ミツはよくわからない。

 

だが、

風にふかれた子供の口もとに

赤くはれていたデキモノが、

彼女の胸をしめつけてくる。

 

だれかが不倖せなのは悲しい。

地上の誰かが

辛がっているのは悲しい。

 

だんだんと彼女には

あのデキモノが

我慢できなくなってくる。

 

風がミツの眼に

ゴミを入れる。

 

風がミツの心を

吹きぬける。

 

その眼をふきながら、

彼女は、引き返す。

 

 

・・・私事になりますが、

 

私はどちらかといえば、

鈍感なたちなので、

このような声を聴きとれることは、

ほとんどないのですが、

 

たまに、駅前で、

募金を募っている場所を通り過ぎたあとに、

ふと、引き返すことがあります。

 

もっとも、これには、

虚栄心のようなものが、

多分に含まれているためであって、

 

このような声が、

聴こえるからでも、

 

自分の中から

沸き起こってくるからでも、

ないのですが、

 

こういう時には、

もしかしたら・・・

 

「風」が私の心を

知らずに吹き抜けているのかも

しれませんね😊

 

・・・次回に続きます(^^;

 

 

 

*******************************

 

 

今回も、最後までお読みくださいまして、

有り難うございました😊

 

次回もこの本の紹介を続けます!

 

 

 

*******************************

 

 

おまけ写真集(^^;

 

富士周辺、

ぐるっと周遊の旅!

 

 

伊豆の国市、

願成就院。

 

運慶作の素敵な仏像(国宝)が、

何と5体も!いらっしゃいましたよ(^^)

 

目力が強くて、

まるで生きているかの如くでした!

 

 

 

こちらは、白隠禅師の生誕の地、

沼津市の松蔭寺。

 

 

 

富士宮市の、

富士山本宮浅間大社

 

久しぶりに参拝しました!

 

 

 

夕方だったので、

人少なめでした(^^)

 

 

 

立派な楼門です!

 

 

 

拝殿、見えてきました。

 

 

 

拝殿、美しい!

 

 

 

 

奥の本殿。

 

西日で輝いてました!

 

 

 

湧き水が豊富です!

 

 

つがい(?)

 

 

 

翌日は本栖湖の竜ヶ岳に登って、

富士山を眺めます!

 

(次回に続きます(^^;)

 

 

ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

私は、小説を読んでから、

その映画を観ることは、よくあるのですが、

 

映画を観てから、

小説を読むことは、あまりありません。

 

が、その例外として、

映画がとてもよかったので、

思わず小説を読みたくなった本がこれ!

 

平野啓一郎さんのベストセラー小説、

ある男

 

 

映画は、2022年の上映なので、

少し前になりますが、

ちょうど今、

アマゾンプライムで見れます(^^)

 

で、何気なく観てみたのですが、

これは、なかなかの作品です!

 

日本アカデミー賞で

最多の8部門を

受賞しているだけのことはあります。

 

主役の弁護士役の妻夫木聡さんと、

謎の人物役の窪田正孝さん、

未亡人役の安藤サクラさん・・・

それぞれ、いい味だしています。

 

小説では、

映画では触れなかった箇所もあり、

より重層的に物語が語られていますが、

 

映画のほうが、

ラストがショッキングというか、

「えっ、どういうことなの?」

というような終わり方になっています(^^;

 

物語の内容をちょっとだけ・・・

 

「愛したはずの夫は、

まったくの別人であった」

 

というキャッチフレーズにあるように、

 

亡くなった夫が語っていた過去が、

まったくの別人のものだったことが、

発覚するんですね!

 

それを弁護士が調査していく中で、

様々な事実が

浮き彫りになってくるのですが・・・

 

そこには、

差別や偏見の問題、死刑制度の是非、

子育てに関する問題・・・など、

 

思わず考えさせられるような、

テーマが散りばめられています。

 

謎解きの要素もあり、

もちろん、

ストーリーにも、

ぐいぐい引き込まれていくのですが、

 

私の中で、印象に残った箇所のみ、

ちょっと引用させていただきますね。

 

まずは、

(序)の部分から・・・

 

 

小説家は、

意識的・無意識的を問わず、

いつもどこかで

小説のモデルとなるような人物を

捜し求めている。

 

ムルソーのような、

ホリー・ゴライトリー

のような人が、

 

ある日突然、

目の前に現れる

僥倖(ぎょうこう)を

待ち望んでいるところがある。

 

 

ムルソーは、

私、ピンとこなかったのですが、

調べたら、

カミュの代表的な不条理小説

「異邦人」の主人公の名前ですね(^^;

 

ホリー・ゴライトリーとは、

「ティファニーで朝食を」

の主人公でした。

(読んだことありません(^^;)

 

 

モデルとして相応しいのは、

その人物が、

極めて例外的でありながら、

人間の、或いは時代の一種の

典型と思われる何かを

備えている場合で、

 

フィクションによって、

彼または彼女は、

象徴の次元にまで

醇化されなければならない。

 

 

・・・難しい表現ですが、

つまり、

 

小説のモデルにふさわしいのは、

一見、珍しく見えるが、

実は、今の世相の、

典型的なものを備えている人であり、

 

小説家は、それを、

物語によって、

象徴的に際立たせる。

 

ということでしょうか。

 

そう考えると、

まさに、この物語の主人公は、

息苦しい今の時代における

「小説のモデル」

にふさわしい感じがします!

 

 

ルネ・マグリットの絵で、

姿見を見ている男に対して、

 

鏡の中の彼も、

背中を向けて同じ鏡の奥を

見ているという

《複製禁止》

なる作品がある。

 

 

ルネ・マグリットの絵画、

《複製禁止》は、

これです!

 

 

この作品が、

小説でも、映画でも、

象徴的に取り上げられています。

 

とても印象深いセリフがあります。

 

 

「(中略)

僕たちは誰かを好きになる時、

その人の何を

愛しているんですかね?

 

・・・出会ってからの

現在の相手に好感を抱いて、

 

そのあと、

過去までを含めて

その人を愛するようになる。

 

で、その過去が

赤の他人のものだと

わかったとして、

二人の間の愛は?」

 

美涼は、

それはそんなに

難しくないという顔で、

 

「わかったってところから、

また愛し直すんじゃないですか?

 

一回、

愛したら終わりじゃなくて、

長い時間の間に、

何度も愛し直すでしょう?

 

色んなことが起きるから。」

 

 

一回、愛したら終わりじゃなくて、

長い時間の間に、何度も愛し直す・・・

 

そうですね。

結果的に愛を継続させるには、

何度も「愛し直す」必要がある。

 

言い方を変えると、

一回愛したからって、

何度も「愛し直おす」ことをしなければ、

愛は継続しないのかな~

 

などと思いました(^^;

 

 

彼らもまた、

悲しみが極まって、

或いは追い詰められて、

或いは無理矢理に、

違う自分へと変身せざるを

得なかったのではあるまいか。

 

そして、

ある者は、

そのために愛され、

幸福を手に入れ、

 

またある者は、

更なる淪落を経験している。

 

 

作者の平野啓一郎さんは、

 

分人主義

というものを、打ち出しています。

 

人の人格、

すなわち「本当の自分」は、

ひとつではなく、

 

複数の人格すべてが、

「本当の自分」

だと捉える考え方です。

 

過去ブログでも、

紹介しました。

 

 

 

 

円グラフ、分数のように、

様々な人格の集合体が、

ひとつの円になり、

 

その円全体が、

「本当の自分」というものである。

 

人が幸せになるには、

円の中で居心地のよい

「分人」を創り出して、

その割合を広げていけばいい、

 

逆に、

居心地の悪い「分人」は、

たとえ、なくすことはできなくとも、

割合を意識的に少なくしていけばいい、

 

という考え方です。

 

この考え方は、

人が人生を歩んでいく中で、

とても「生きやすくなる」

可能性を秘めていると感じます。

 

この物語でも描かれているのですが、

人は過ちを犯すこともありますし、

 

たとえ過ちを犯さなくても、

そもそも、

生まれてくる環境は選べません。

 

その中で、

スティグマ(差別や偏見)

を背負うこともあります。

 

しかし、人は、

必ずしも、

それに縛られ続ける必要はないし、

いつでも、変わることができる。

 

自分の居心地のいい「分人」を創り出し、

それを育み、大きくしていくことができる。

 

もちろん、変わることによって、

必ずしも、幸せになれるとは限りません。

 

追い詰められて、

変わらざるを得ない場合もあるでしょうし、

かえって不幸になるリスクもある。

 

しかし、

少なくとも、人には、自由意志がある。

 

自分の人生を、

自分で選択する自由はあるのだ・・・

 

そんなことを考えました。

 

 

 

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これ以上続けると、

ネタバレさせそうなので、

やめておきますね(^^;

 

平野啓一郎さんのベストセラー小説、

ある男

 

 

映画も小説もおすすめします!

 

GWにお時間のある方は、

物語の世界にどっぷり浸ってみては

いかがでしょうか。

 

で、皆さんは、

映画から見るか?

小説から読むか?

(昔の角川商法か、(^^;)

 

 

 

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今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました😊

 

次回は、別の本を紹介する予定です。

 

 

 

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おまけ写真集(^^;

 

 

日帰り出張、

新幹線、富士川の車窓から、

今回は富士山ばっちり🗻

 

今の季節、

雪の帽子の割合がちょうどいい感じで、

美しいですね!

 

 

 

豊橋の吉田城、ちら見できました!

 

 

 

豊橋市公会堂、ちら見。

独特のロマネスク様式が素敵です!

 

 

 

手筒花火発祥の地、

豊橋の吉田神社。

 

 

 

帰りの新幹線、

おなじ場所で日の入り前に、

 

ああ、やっぱり、

富士は神々しい・・・

 

 

 

 

ところ変わって、ウチの前、

コデマリ真っ盛り!

 

 

 

アップで撮っても、

美しいですね・・・

 

 

 

宮音の寝相特集!

 

 

 

面目ない・・・?

 

 

 

オツカレサマデシタ~😸

 

 

ご訪問くださいまして、

有り難うございます。

 

れっつごうです(^^)

 

東京・横浜は、

ここ数日、

暑いくらいの陽気です😃💦

 

前回から、

野口嘉則さんのミリオンセラー!

 

完全版 鏡の法則

 

 

を紹介しています。

 

前回は、

この本が私の人生の転機となった

エピソードを、

語らせていただきましたが(^^;

 

今回は、

物語の中身のほうに・・・

 

・・・いや、やっぱり、

ネタバレになってしまうので、

止めておきます(^^;

 

が、しかし、

作者の野口嘉則さんは、

とても太っ腹の方で、

 

何と、物語は、

ネット上に無料のPDFで、

既にアップされているんです😲

 

これです!

https://coaching-m.co.jp/reportaaa.pdf

 

興味のある方は、

是非、ご一読いただければと思います。

 

ただ、この本(完全版 鏡の法則)は、

「感動だけで終わらないために」

という

「解説」のページが半分くらいあり、

それが、とても有益なんです!

 

ですので、

無料PDFを読まれて、

「感動だけで終わらせたくない」

と思われた方は、

是非、本を購入されることを、

おすすめいたしますが、

 

今回は少し、

「解説」のページの中で、

私の印象に残った箇所を、

紹介させていただきますね。

 

 

物語の中で

主人公の栄子に矢口氏が、

 

「私たちの人生の現実は、

私たちの心を映し出す鏡である」

 

という法則を教えますね。

 

これが

「鏡の法則」です。

 

この法則が示すとおり、

私たちの人生における現実は、

まるで鏡のように、

私たちの心を

映し出しているのです。

 

たとえば、

心の中で不満ばかり抱いていると、

その心を映し出すように、

ますます不満を

言いたくなるような

人生になってきます。

 

逆に、

心の中で感謝することが多いと、

その心を映し出すように、

さらに感謝したくなるような

出来事が起きてきて、

感謝にあふれた人生に

なってくるのです。

 

また、

心の中で誰かを

強く責めつづけて生きていると、

自分もまた責められる経験を

繰り返すことになりますし、

 

他の人の幸せを喜ぶような

気持ちで生きていると、

自分もまた幸せな出来事に

恵まれます。

 

このように人生においては、

自分の波長に合った出来事が

起きてくるわけです。

 

そういう意味で、

人生は自分の心を映し出す

鏡なのです。

 

 

・・・同感です(^^)

 

 

そして、

人生において

困難な問題に直面したときに、

この法則の観点から

考えることで、

 

その問題に対処するための

ヒントを得られることが

しばしばあるのです。

 

つまり私たちは、

自らの人生に起きていることを

見ることによって、

自分の心のありようを

推察することができ、

 

それによって、

自らを変えるための

ヒントを探っていけるわけです。

 

 

そうですね、

鏡の法則はあくまでヒントであって、

 

何が答えかは、自分自身の中から、

(時には人の力も借りながら)

自分で見出すしかないのですが、

 

ヒントが得られるだけでも

大きいですよね。

 

もちろん、

鏡の法則で、

すべてが解決するわけではありません。

 

 

ここで一つ、

誤解のないように

確認しておきたいと思いますが、

 

「心の中を見つめ直す必要がある」

という言葉は、

 

けっして

「外に働きかける必要はない」

とか

「具体的・現実的な行動を

起こす必要はない」

といった極論を

意味しているわけでは

ありません。

 

たとえば、

誰かの言動のせいで

自分が嫌な思いをしているので

あれば、

 

そのことを相手に伝えて

やめてもらうか、

もしくは

相手と距離を取るなどして

自分を守る必要があります。

 

何よりも、

具体的・現実的な行動によって

問題の解決を図ることが大切です。

 

 

確かに、そうですね。

 

 

しかし、

できることを

すべてやっているにもかかわらず、

問題解決の糸口が見えないような

ケースもあります。

 

このようなとき、

「自分の心を

見つめ直す必要がある」

ということを教えてくれる

メッセンジャーとして

その問題を捉え、

 

自分自身の心のあり方を

見つめ直すことによって、

その問題を解きほぐすヒントを

見出せることがあるのです。

 

 

なるほどです。

 

野口さんの主張は、

万能感を刺激しないような、

現実的なバランス感覚に

富んだものが多いので、

信頼できます(^^)

 

 

なお、

自分自身を見つめ直すに当たって、

「自分の心の中に原因がある」

という考えに

とらわれ過ぎてしまうと、

 

原因探しに

はまってしまいかねないので、

気を付けてください。

 

 

そうですね。

 

原因探しを意識しすぎると、

思考がぐるぐる回ってしまい、

行き詰ってしまうことがありますね。

 

思考よりも、

今できる行動に焦点を当てたほうが

いい場合もあります。

 

 

それから、

この法則の観点で

他の人にアドバイスすることは、

あまりおすすめできません。

 

悩んでいる人に向かって、

「あなたの心の中に

原因があるかもしれません」

などと言うと、

 

多くの場合

その人は傷ついてしまいます。

 

自分が責められたように

感じてしまうからです。

 

 

これもそうですね。

 

自分自身で「気づく」から、

納得できるわけであって、

 

人から言われると、

おもしろくないし、

腹が立ってくる場合もあります(^^;

 

ちなみに、私は、

昔、よく妻に、

言ってました😅

 

 

悩み苦しんでいるとき、

人は、原因を指摘されるよりも、

苦しさをわかってほしいし、

共感してほしいものです。

 

この物語の中でも、

矢口氏は、

まず栄子の話を最後まで

しっかり聴いた上で、

 

「こんなにつらいことは

ないですよね」

と共感しています。

 

このように話に耳を傾け、

共感してあげることこそが、

最大のサポートになることが

多いのです。

 

 

同感です。

 

悩み苦しんでいるときは、

やっぱり、まずは、

自分の苦しみをわかってほしい、

共感してほしいですよね。

 

そこから、徐々に、

心が開かれていくのだと思います・・・

 

 

 

********************************

 

 

 

・・・このように、

「解説」のページは、

物語の内容を補完しており、

 

実生活でも「鏡の法則」を

役立たせることができるような中身に

なっています。

 

今回は紹介しませんでしたが、

「ゆるすための8つのステップ」

もとても有益です。

 

野口嘉則さんの本は、

とても文章が平易で読みやすく、

感情移入もしやすいのですが、

 

実は、本格的な臨床心理学の知見が

裏付けにあり、

客観性もあるので、信頼感抜群です!

 

過去ブログ(以下)でも、

いろいろな本を紹介しておりますので、

よかったらのぞいてみてください(^^)

 

 

 

 

********************************

 

 

今回も最後までお読みくださいまして、

有り難うございました😊

 

次回は別の本を紹介する予定です。

 

 

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おまけ写真集(^^;

 

 

いつも遠目から見て、

気になっていた大船観音寺に行きました。

 

 

 

見えてきました!

 

 

 

おおっ!

高さ25メートルの、

巨大な観音さま。

(胎内も入れます)

 

 

 

🌸まだ咲いてました(^^)

 

 

 

 

ここからは近所散歩。

 

一番近いお寺、

真言宗の円応寺。

 

素敵な千手観音さまが

いらっしゃいます!

 

 

 

長い階段上ると・・・

 

 

山の上に杉山神社!

 

杉山神社は、

港北区周辺にたくさんあります。

 

 

 

竹藪が陽を浴びて美しい・・・

 

 

 

隠れスポット。

芝桜の名所があります!

 

 

 

最近、

登場回数が少ないぞ・・・

(By宮音)