とりきちTagebuch

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ドイツ・ベルリンから鳥好きの とりきちが、
一緒に暮らす鳥達、家族、ドイツの鳥事情を日記につづります。


 
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イラストは、rinkoさん の作品です。

 

こんにちは、とりきちです。

 

とりきち横丁のお仕事を通じ、ある獣医師の先生からお問い合わせを頂き、

ネクトンをマクロラブダス(メガバクバクテリア)に罹患する鳥に対して使ってはいけない理由についてご質問を頂きました。

 

 
ずばり、ネクトン類(例えば日本でメジャーなSやBiotin)にブドウ糖が入っており、
ブドウ糖が真菌性の疾患や、腎臓の疾患を抱えた鳥の病気を悪化させると、ドイツでは一般的に考えられているからです。
 
ドイツで暮らす中で、糖分、糖質を含むサプリを上記の病気の鳥に使うのはNGなんだよと、フードメーカーの方や、愛鳥たちの健診の際に獣医師の先生がよくおっしゃっていることもあり、それが当たり前に思えていたのですが、日本では、ブドウ糖を含む製品、中でも日本のビタミン剤の代表格であるネクトンが基本的にNGであるということがあまり知られていないように感じました。
 
幸い、先生よりご質問頂きましたことで、きちんと文献またはデータを探し、お伝えしようと思えるようになり、調べてみましたところ、専門的な学術文献まではたどり着きませんでしたが、ドイツでは確かな内容で定評のあるBirds Online(ドイツ語)に分かりやすい説明がありましたので、この内容を粗訳し、先生にお伝えしました。
ブログでも読者の皆さまに公開し、お読み頂きたいと思います。
 
調べたのは「ブドウ糖」と題したページです。
大切な箇所は最後の、注意事項の箇所です。
 
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「室内鳥の日々の栄養を考える上でブドウ糖(Dextrose)はさほど重要ではありません。しかしこの糖質は、ある特定の状況下に置かれることで、体調や体を作る上で非常に大きな役割を果たすことになります。例えば、病気や非常に重い換羽で弱った鳥にとって、エネルギーを補給できるブドウ糖は、ある特定の場合において 体調を改善するために必要とされます。ブドウ糖を与えるには、鳥の水入れに入れて溶かすのが一番です。容器一つあたり、ティースプーン1/8ほどを入れます。それはもし飲水が甘すぎると、鳥は水を飲まなくなるからです。水入れや筒型の容器を使った後、毎日徹底した洗浄を行うことを忘れてはいけません。なぜならブドウ糖は容器の内壁にベタつく形で膜を形成するからで、その膜の中に病原体が入り込み、中に居座り続ける可能性があるからです。もし複数羽の鳥と暮らしている場合は、病気や特に栄養補給が必要な鳥に限らず、全羽に対してブドウ糖を与えることができます。通常、ブドウ糖は健康な鳥に害はありません。しかしブドウ糖を長期にわたり常に与え続けると、肥満に繋がります。
 
【注意事項】
室内鳥が罹患する病気の中には、糖分やブドウ糖を摂取することで、悪化してしまうものがあります。そうした病気の中には、真菌性の疾患やマクロラブダス(メガバクテリア)が含まれます。腎臓が悪い鳥にとっても、糖分またはブドウ糖は、病気を悪化させるだけです。ブドウ糖を鳥に使う前に、鳥の専門医に相談してください。
 
以上です。
このページの他にも「副食と栄養補助食品」というページにも同様の記述があり、そこにネクトン類にブドウ糖が含まれていることが明記されていました。

 

 
ネクトン商品には大方、ブドウ糖が入っています。
メーカーの公式サイトにも明記されており、例えばネクトンSの製品情報にdextroseと書かれているのが、ブドウ糖です。

 

 

ネクトン以外にも、ビタミン剤類にブドウ糖が入っている商品がありますので、お手持ちのサプリメントを確認してみてください。

 

なお、ブドウ糖自体が悪いのでは全くなく、糖分、糖質を摂取してはいけない病気に罹患している鳥に対してだけは、気をつけて使用していくことが大切と、申し上げています。

 

ただしネクトンなどビタミン剤にブドウ糖などが含まれていることが日本ではあまり知られていない可能性もあり、もしくはたとえ知られたとしても、使用を控えることがないなど、日独においてサプリ使用上の温度差を感じます。
 
このブログを読んで、上記の疾患を抱える愛鳥さんのことがご心配になった方は、できるだけ糖分、糖質が含まれないビタミン剤やサプリメントを選び、説明書の成分、内容欄をよく見てみることを私の立場からはお勧めいたします。

 

ちなみに、とりきち横丁では、ネクトン商品も取り扱っているほか(S,Biotin,MSA)、ブドウ糖を含まない総合ビタミン剤として下記2品を販売しています。

 

両品とも、糖分、糖質を含まないため、問題なく真菌性の疾患をもつ鳥さんや、腎臓の病の鳥さんにもお使い頂けます。

 

 

 

 

 

 

 

このうち後者のプリムスヴィタルは、かねてからドイツで懸念されていたビタミン剤に含まれる糖分、糖質を完全に抜き、さらに鉄分フリーで作られた商品です。

 

今回のブログ記事はネクトン商品を貶しめるために書いたのではなく、ドイツ製品でもあるネクトンを良く知るドイツフードメーカーの方とのお話や、ベルリンで日常的に接する獣医師の先生の話も総合しながら、ドイツで一般的に考えられている、ブドウ糖とマクロラブダス(メガバクテリア)との関連性にスポットをあててお話しました。

 

長い文章をお読みくださり、ありがとうございました。

 

とりきち