・かつての恩や無償の期待に応えることの出来る国とは | アジアの真実

・かつての恩や無償の期待に応えることの出来る国とは

発信箱:「親日」の土壌:毎日
 先日発表された春の叙勲の受章者名簿で、目を引いたのが13人のトルコ人だった。イラン・イラク戦争さなかの85年3月、イランに取り残された邦人約250人を救出したトルコ航空の乗務員、政府幹部である。

 アジア西端の親日国家トルコと日本を結ぶ友好の逸話は多い。1890(明治23)年、オスマン帝国の訪日使節団の船が和歌山県沖で遭難、多数の漁民が懸命の救助にあたり、生存者69人がトルコまで送り届けられた話は美談となった。

 イラクが撃墜警告を発したにもかかわらず、日本政府の懇願に応じて救援機を派遣したトルコの決断は、先人の遺産が生きていたからだろう。

 日本と同じアジア東端にも「親日地域」がある。日本の政府・メディアが国家と呼べない台湾では、多くの人が半世紀も植民地支配した日本に親しみを抱いてくれる。もちろん、トルコと台湾の親日の本質や背景は異なる。だが、小泉アジア外交が迷走する中、日本を近しく思う隣人の存在は地政学的価値を持つ。

 世界保健機関(WHO)の年次総会が22日、スイスで始まる。台湾は中国の反対で総会に出席できないままだ。日本政府は02年から台湾が望むオブザーバー参加への支持を表明してきたが、健康は何人(なにびと)も享受できるはず。理不尽には、より大きな声で中国に、世界に訴えていいと思う。

 日本からの声援が未来において日台史の遺産になるかもしれない。いや、打算はやめよう。「親台」でも「反中」でもない。正義を重んじた日本の名もない先人たちの振る舞いこそ、親日の土壌を培ってきたのだから。(中国総局)


 毎日新聞の記事ですが、まったくの正論だと思います。まるで日本は世界中の嫌われ者であるかのような宣伝をする国家やマスコミに触れていると、まったくそうは思っていない国家、むしろ親近感を抱いてくれている国家が多くあることを忘れがちになってしまいます。それらの国々、または人々が持つ期待に日本は十分に応えているでしょうか。このままでは、いつか”かつて親日だった国”となってしまわないでしょうか。


 かつて日本が統治した台湾では、未だにその頃は素晴らしい時代だったと語ってくれる人がたくさんいます。かつて日本という国の為に血書志願した老兵は、未だに恩給をもらえないなら、せめて勲章だけでもくれないかと言います。かつて日本を愛し、そして今なお愛してくれている人がたくさんいる国に対して、日本は”国ではないから”という建前を堅持するだけで、そっぽを向いたままにしていて良いのでしょうか。これは別に台湾に対してだけの話ではありません。


 この世に全く打算のない外交というものが果たして存在するのか、もしくは存在したとしてもそれを今の日本にできるのかはわかりません。政治的公算なく、他国を支援するというのはとても難しいことかもしれません。しかし、自分の立場が多少悪くなったとしても、かつて受けた恩を返したい。こちらを思い、頼りにしてくれる国に精一杯応えてあげる。私は、自分の国がそういったことを普通にできる国であったら、それは何よりも素晴らしく、誇らしいことだと思います。


過去参考記事:

破格の扱いで歓迎された首相のトルコ訪問 ~親日国家トルコとの歴史~

「高砂義勇兵慰霊碑」落成 ~故郷に眠る大和魂を持った台湾人の英霊達~

・アジア各国から見た太平洋戦争3(パラオ)


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参考書籍:
日本人はとても素敵だった―忘れ去られようとしている日本国という名を持っていた台湾人の心象風景
楊 素秋
4795276897


救出―日本・トルコ友情のドラマ
木暮 正夫
475200254X


親日アジア街道を行く―日本近代史の真実
井上 和彦
4594050026