GNHとは、国民総幸福量(Gross National Happiness)の略称で、先代の四代国王が世界で初めて「国民全体の幸福度」を表す指標として、提唱
では、ブータンのGNHとはどんなものなのでしょうか。
GNHの4つの柱のもと、9分野にわたり72項目の指標があります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150222/12/la-luna-sarah/13/2e/j/o0259015613225343208.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150222/12/la-luna-sarah/4f/c0/j/o0372015913225343209.jpg?caw=800)
4つの柱は簡単に説明します。
1.持続可能な公平な社会経済開発
格差を生まない経済政策と差別を生まない社会
2.環境保護
自然との共生
3.文化の推進
伝統技術や習慣、言葉を大切にする
4.良き統治
住民が意思決定に関わる民主主義
・経済成長が第一ではなく、国民の幸福を最大にすることが第一
・自然環境や独自の宗教・伝統的文化を守り、のちの世代に伝えることが大前提
このGNHの提唱、幸せの国として、ブータンは脚光を浴びました。
GNHはブータンにとってなんで必要だったのでしょうか?
その理由は色々あると思いますが、次の5点をあげます。
①GDPの増加
②独立の維持
③国家のアイデンティティの強化
④One nation,One Peopleの構想の実現
⑤グローバル化
まず、みんさん、4つの柱の内容のバランスとれていないと思いませんか?
良き統治っていえば、他の3つの柱である①持続可能な公平な社会経済開発、②環境の保護、③文化の推進が含まれる内容ではないでしょうか?
また、持続可能な公平な社会経済開発とえば、持続可能の中に環境保護が含まれる内容ではないでしょうか?
なぜこのような内容レベルの不揃いになってしまってるのでしょうか?
私見ですが、幸福を最大化を建前に政府が実施したいことをあげているからではないでしょうか?
1.持続可能な公平な社会経済開発の影
なぜ国の評価は幸福量といいながらも、豊かさには物やお金は欠かせません。
そのため、このような持続性のあるGDP増大をいってるのですが、経済開発して、幸せが損なわれないのでしょうか。
それを考える上で必要なことはなぜブータン人は幸せと思っている人が多いかです。
これについては過去の次の記事を読んでいただけたらと思います。
ブータンが幸福感が高かったのは物欲・金欲になる環境になかったことが大きな理由で、経済発展、グローバル化というパンドラの箱をあけてしまったように思います。
すでに首都ティンプーでは都会化して、若者など人々が田舎から移住するようになり、ティンプーでの住宅不足、失業、薬物乱用、アルコール性肝疾患(病院の上位の死因)などの問題とともに、土地持ち・賃貸住宅などの不動産、商売人が裕福になり、格差社会がひろがっています。
あとはブータンの国家歳入は40%水力発電(インドへの売電など)、30%が外国(インド、日本、スイス、デンマーク、オランダなど)の援助で、水力発電所はインド、日本につくってもらっています。
http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11988609368.html
また水力発電所、道路、橋の建設・土木の従事者はほとんどがインド人で、ブータン人への雇用・給金にながれていないことも気になります。
2.環境保護の影
ブータンを旅行してみて、経済開発として感じたことは水力発電所、道路、橋の建設でした。
3.文化の推進
政策の中の、国家のアイデンティティの強化、One nation One Peopleの構想、国家統合政策の実現になり、文化の推進は次のことを実施しています。
※警察・軍などの制服職、外国人、ネパール系住民、固有の衣装を持つ少数民族は除く。
この話の予備知識として、ブータンの民族構成が必要なります。ブータンには主に3つ(小分類では5つ)の民族集団があります。
1)ドュクパ西・中・東部の3つに分かれる)
①ガロン(西部)
・チベットから移住してきたブータン西部の住民
・母語はゾンカ語(中央チベット語の南部方言に分類され、現在の国語)
・チベット仏教のカギュ派ドゥク支派を信仰
②ブムタンパ(中部)
・チベットから移住してきたブータン中部に居住
・母語はムタンカと呼ばれるゾンカ語の一種
・一般的に西部のガロンに包括されることが多い。
・ミャンマー・アッサム地方を出自とする東部の住民
・チベット仏教(主にニンマ派)を信仰
・ツァンラ語(シャチョップカ語)
※チベット・ミャンマー語派の中でもビルマ語系に近い
・南部に居住するネパール系住民
・ヒンドゥー教徒
・インド=アーリア系のネパール語
このような5つの民族ではありますが、GNHは1つの民族(ガロン)である言語、伝統を文化の推進としているのです。
■チベット
チベットは中国の属国だったということで、中国はチベットに侵攻し、1951年に中国支配下となった。
ネパールとブータンの間に位置し、ネパールからの移民が75%以上占め、民主化をすすめたことで、ネパール系の勢力が増し、チベット系とネパール系の間で生じた混乱の収拾のため、1975年にインドが侵攻し、インドに併合され、インドシッキム州になった。
4.良き統治
住民が意思決定に関わる民主主義ですが、1985年の国籍法でネパール系の国籍はく奪や1992年の「国家治安法」が施行で五人以上の集会を禁止など民主主義からほど遠いように思います。
【ご参考】ブータンの幸福度についてです。
国連が作成した2013年世界幸福度報告書(World Happiness Report)ではブータンはランキング外です。
その理由は予想ですが、この人権問題があるためと思います。
この作成会議の議長はブータン首相なのですが。。。
また、2005年のブータン政府の国勢調査ではブータン国民の97%が幸せという結果ですが、その数値には”からくり”があります。
なんと、選択肢が3つのみで、「とても幸せ(very happy)」、「幸せ(happy)」、「あまり幸せでない(not very happy)」で「あまり幸せでない」を選択しなければ、すべて「幸せ」になるという仕掛けがあります。
ちなみに0~100%は次の4段階に定義しました。幸せに分類しなかった「少し幸せ」が48.7%で約半数を占めていることも注目するところです。
77~100%:とても幸せ(deeply happy)
66~76%:まあまあ幸せ(extensively happy)
50~65%:少し幸せ(narrowly happy)
0~49%:幸せでない(unhappy)
■つづきの記事は次をクリックしてください。
■2015年ブータン旅行記の記事は次をクリックしてください。
http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11076468738.html
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