少しだけ | IN VINO VERITAS

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とあるヴァイオリン弾きの日々雑感

少しだけ寒さの緩んだ一日。

日が長くなったなぁ…と実感するのは5時を過ぎた頃。

そう、明るい!
つるべ落としと言っていた秋の日暮れから比べると、格段に明るくなった夕暮れ。

ほんのり霞んだ空気が光を柔らかく包んで、ほんの少し…寒さが緩む。

今宵の銀座SCは、クールに熱いセッション。

いわゆるジャズのスタンダード…を中心とした、メンバーのオリジナルが1曲もないライブ。

特に木村さんのスタンダードを聴くのは久しぶりで、こういう曲を聴くと、あらためて…

なんか、大人になったなぁ…(笑)と、しみじみ思うのでした。

指がよく回るとか、リズムやピッチが正確だとか…そういうことは、本来、基本中の基本なのだけど、音楽はそれだけではない…というある種の哲学が行く手を阻み、進化を妨げることがある。

もちろん客はピッチを聴きに行くわけではないし、速いフレーズをどれほど正確に弾きこなすかと見に行くわけでもない。
けれど、思い描いたとおりのフレーズが弾けて、初めて音楽が生まれるわけだから、大事な要素であることは間違いない。

…と、そんな理屈はどうでもいいほど面白いジャズが展開され、絶妙なバランスで次々に新しい息吹が吹き込まれた。

ピアノトリオというオーソドックスな編成で、メンバー個々に極端な派手さはないのだけれど、キラリと光るものを持った3人の原石がぶつかり合いながら溶け合う、不思議なセッションだった。

面白い。
これは面白い。

スタンダードでありながら、斬新なジャズを聴いた気がする。

これは…
来月のセッションも楽しみだ。

ドラムは橋本さんではなく広瀬さんに変わり、フロントに類家さんが入る…という、今日とはちょっと違う編成になるけれど、これまたジャズの王道の中に個性豊かな感性が光るセッションになるに違いない。

そんな日が誕生日な私は、ひょっとして幸せ者!?

そしてその日は、木村さん率いるフォトンの、記念すべき5周年の日でもある。