石井光太氏のポルタージュ
「遺体 震災、津波の果てに」を
君塚良一監督が映画化した
遺体
明日への十日間
を観て来ました。
監督: 君塚良一
原作: 石井光太
製作: 亀山千広
キャスト:
西田敏行
(以下五十音順)
緒形直人
勝地涼
國村隼
酒井若菜
佐藤浩市
佐野史郎
沢村一樹
志田未来
筒井道隆
柳葉敏郎
釜石市の遺体安置所が舞台。
釜石市で民生委員をしている相葉常夫(西田敏行)は、
震災直後に地元の遺体安置所を突き動かされたように訪れて愕然とします。
派遣されていた市の職員は、何をしていいのか分からず立ち尽くすばかりで
しかし、遺体は次々と運ばれて来て無造作に扱われているのを目の当たりにした相葉は、
定年まで葬儀の仕事をしていた経験もあり
自ら遺体安置所でボランティアとして働きたいと志願します。
「遺体は生きている人間と同じに接しなければ...」と
相葉は、遺体のひとりひとりに優しい口調で話しかけはじめます。
映画は、震災直後から取材したルポを基に
報道では伝わらなかった現地の遺体安置所で起こっていた
真実を描く事により日本人の死生観を浮き彫りにして行きます。
民生委員
釜石市職員(遺体安置所担当)
釜石市職員(遺体安置所担当)
釜石市職員(遺体安置所担当)
釜石市長
釜石市職員(遺体運搬担当)
遺体安置所を訪れる住職
民間葬儀社社員
歯科衛生士
歯科医師
内科医師
限られた物資の中で
遺体を家族に引き合わせるために
出来る限りの成せる事を実行していく人々の姿に心を揺さぶられます。
いい映画だとか、面白い映画だったとか云う類いの作品ではないし
正直、見ているのがかなり辛く苦しい作品でした。
この作品の製作自体まだ時期尚早の様な気がしていましたが、
君塚良一監督の今やっておかなければ...という執念を強く感じ
見終わってからは、見るべき作品だったと云う気持ちに変わりました。
過去に経験がないほどに
心して見なければならない作品ですが
見ておいて良かったと思います。
普段は、テレビ局資本の映画に疑念を抱いているのですが、
今回ばかりは、フジテレビの亀山千広プロデューサーをはじめとする
製作スタッフとキャストのみなさんに敬意を表します。
この作品の収益は、全て被災地に寄付されるそうです。
この映画が語る様にまだまだ東日本大震災は終わっていません。