輪番で診るクリニックの患者さんは薬の内容が問い合わせられないこと | kyupinの日記 気が向けば更新

輪番で診るクリニックの患者さんは薬の内容が問い合わせられないこと

精神科の輪番では、どこにも受診していないか、クリニックに受診している人を診ることになるのが原則である。

実際は、何らかの都合でどこかにかかりつけ病院があるが受診せざるを得ないことも多い。このような時、かかりつけ病院に電話をすると、夜間でも現在の処方薬はわかる。

最近よく感じるのは、夜間輪番では、クリニックで治療中の人たちは、本人が何を飲んでいるかわかっておらず、お薬手帳もない場合、問い合わせ先がないこと。

いったいどのような治療をされているのかさっぱりわからない。特に行き倒れ状態で救急車で搬送されるような人である。

クリニック受診者で、本人に不利益が生じる面を挙げると、例えば上のようなケースである。

輪番医は、その病態に応じた治療をするほかはないが、何らかの禁忌があった場合、事故が起こることもありうる。

過去ログに、悪化時に入院が必要な事態になるような人は、なるだけクリニックより精神科病院にかかる方が良いと言う記載があるが、夜間急変時でも、いろいろなことが問い合わせられるメリットは大きい(特に旅行中や、遠方の実家に帰省時)。

あと不都合がある面を挙げると、障害年金の遡及請求の診断書を書いてもらう場合。

クリニックが閉院した際に、カルテをどこかに保管してはいないため、5年前の情報がまるでないということがある。(5年を超える部分は時効)

できればクリニックが閉院した場合、5年間は公的機関が保管するという制度が良いと思う。県庁か市役所の広い金庫に置いておけば良いのではないかと思うが、実際はかなり難しいのではないかと思った。

今回の記事をアップした理由の1つは、実際にクリニックが消滅していたので、明確な初診日を記載するノートどころか、過去のカルテが全然ないという事態が何度か生じたからである。

細かいことをいうと、「受診状況等証明書が添付できない理由書」なる書類を出せばよいが、決定的には証明できないので、どの程度認められるかは不明だと思う。疑わしい場合は給付は難しいような気がする。

お薬手帳なるものが、オンラインで引けるようになると最高だが、これはこれで、第三者に見られるリスクがあり、医療機関とはいえ簡単には実施できそうにない。

本人に過失がないケースで、不利益が生じない新しい制度が必要だと思う。

この話は、公的機関の年金記録漏れ事件とちょっと似ている。あれは公的機関が、きちんと記録を管理していなかったのに、納めた国民の方がその証拠を挙げないといけないのは、妙な話である。普通は逆だろうと思う。

うちの嫁さんは学校の先生をしていたのに、年金を納めたかどうかわからず、5年くらい未納付と判定されていた。公立なのに驚愕の話である。

過去の新聞の異動などの記事や、クラスの文集や集合写真、卒業アルバムなどを証拠として提出したが、意外に簡単に納付していたことが認められた。わからなかった主な理由は、結婚して名字が変わっていたからである。

女性の場合、そういうケースは多いと思うが、他の人たちはどうなっているんだろうか?と思った。

参考
輪番の入院患者
輪番で来院する患者
障害年金の遡及請求の裁判