県精神病院協会の運動会 | kyupinの日記 気が向けば更新

県精神病院協会の運動会

新婚の頃、精神病院協会の運動会に嫁さんと一緒に参加したことがある。嫁さんも一緒に参加した運動会やその他のスポーツ大会は、この時以外はあまりない。

精神病院の患者さんたちが集まるスポーツ大会は、1年の中でも大イベントである。

かつては、このような運動会は入院患者さんが主な参加者であった。みな若かったからである。他に外来患者、病院スタッフらが一緒に参加するが、大会のプログラム作りや準備、後片付けなどは精神保健福祉士、作業療法士、心理療法士、看護師、ボランティアの人たちが行っていた。今でもそうである。

全県から集まると患者さん、スタッフは大変な数である。

当時はまだ入院患者さんの平均年齢も若かったので、非常に活力があった。華やかだったと思う。

しかし時代は流れ、今の入院患者さんは高齢化が著しく、参加者も外来患者さんが相対的に増えている。あまりに高齢だと転倒による骨折が心配だし、運動中の突然死もありうる。

さて、その嫁さんと一緒に参加した運動会だが、夫婦でいったん病院に行き、それから病院のバスで会場まで乗っていった。もちろん患者さんたちも一緒である。その時の彼女の感想。

バスの中がお通夜みたい・・

確かにその通りで、その着くまでの約1時間、ひっそりとして誰一人喋らなかったのである。小学校のバス旅行と比べると大変な違いである。彼女は、そのひっそりぶりというか、運動会の前なのに盛り上がりのなさに驚いたようである。

しかし、今のうちの病院はそんな風ではない。ただ、あの時はそんな風だったのである。

入院患者さんの高齢化に加え、最近の若い患者さんは、このようなスポーツイベントに参加するのを好まない人が多い。

近い将来、このようなイベント自体、続けられるかどうかが危ぶまれると思う。

参考
段違い平行棒ですよ
死にゆく精神病院