漢方を3剤処方されている人 | kyupinの日記 気が向けば更新

漢方を3剤処方されている人

他県から紹介されて来た患者さんで、ツムラの漢方薬が3剤処方されているのを見た。これはうちの県だけではないと思うが、普通はレセプトで減点の対象になる。

ツムラの漢方は薬草の一部がかぶっているので体にも悪いと思うよ。(例えば電解質異常などを来たす)

漢方は色々と患者さんに誤解されている。例えば「副作用が少ない」以外にも、「即効性がない」と思われているのも間違い。だって、ツムラ1なんてすぐに効くでしょ。

僕は精神科医と言うのもあるが、当初はともかく、やがて漢方薬が含まれない処方にするように心がけている。


ただし漢方には熱烈なファンもいるため、どうしても飲みたいと言う人には、「もはやあまり意味がない」くらいには言うが、積極的に止めさせることはしない。(あまり操作的になるのは長期的に好ましくないため)

精神科以外の例えば便秘、口渇、尿失禁に対する漢方は、良い代替薬がないこともあるので、継続は仕方がない。

①漢方と患者さん
人により好みが異なる。数えたことがないが、嫌う人の方がどちらかと言うと多い。

②漢方と病棟職員
嫌う人が多い。なぜなら散剤で服用させにくいため。それほど劇的に効くわけでもないし。

③漢方と患者さんの家族など
西洋薬を薦められるよりはマシと思っている人もいる。漠然と安心感?があるようである。

④漢方薬と医師
比較的処方する人と、そうでない人にはっきり分かれる。一般の人には、漢方を扱える医師の方が優れていると思うかもしれない。ところが実際はそう単純なものでもない。僕の友人が、「漢方ばかり出す奴は頭がおかしいんじゃないの?」と言っていたのには一同、大爆笑。精神病を漢方で治療するスタンス自体が既に間違っているので、彼の大胆な意見も、精神科ではあながち奇妙な意見とは言えない。

参考
震災とツムラの漢方薬