トト・ビッグ繰越金と当選確率の考察 | kyupinの日記 気が向けば更新

トト・ビッグ繰越金と当選確率の考察

前回の「トト・ビッグ6億円の謎 」のエントリは意外にコメントがあり、面白いと思ったし、また僕の言っていることが十分に伝わっていないようにも思うので、もう少し考察することにした。

元々、日本で発売されているサマージャンボなどの一般の宝くじは連番であり

100000番を一番低い数字とし、199999番までの10万通を一組として取り扱われる。

しかしながら、極端に当たりそうにない数字、例えば○○組100000番を買ったとしても、当選確率は他の数字と変わらない(よく弓矢で当選番号を決めているのでもわかる)。またロトなどの数字を選ぶタイプも個々の選択したクジに確率面で不公平は存在しない。

しかし、サッカーのトト・ビッグはそうではない。まず連番になっておらず同じ数字が出現しうる。

アトランダムに0、1、2の数字を決めるため、トータルでは1と2の出現率は同じになると思われる。引き分けをもし3分の1にしているなら、14試合予想なので、概ね5個ずつ0、1、2が期待値的には出る感じである。

前回の465回の結果は、

01110111100212

になっている。(14桁)この結果はたまたま1が多くなっているが、何回も回数を重ねると2が多いことが全然ないわけではない。この前回の結果の鏡面に当たる数字、(1と2が逆になっているもの)

02220222200121

はトトではコンピュータなので同じ確率で出現するが、前者に比べかなり当選確率が低いことが予測される。(サッカーではホームが勝つことが多く、1が多くなりそうである)。

これは一般の宝くじの1本1本の当選確率の公平さに比べ、根本的に少し異なるクジとは言える。購入者は数字は選べないルールなのはかまわないが、最初から当たらないと思われるクジを購入させられるからである。(それこそトトで、みな購入者は納得していると言えばそれまでだが・・)

トトビッグは50%は控除され、残りの50%が配当に回されるが、そのうち1等にはなんと78%が引き当てられるらしい。

控除した残り50%の配分率

1等 … 78%
2等 … 10%
3等 … 4%
4等 … 4%
5等 … 4%


だから毎回15億の売り上げがあると、その50%の配当原資、7億5000万円の約80%、つまりちょうど6億円が1等に回される感じになる。

元々トト・ビッグの1等の配当金は3億と決められており、もし繰越金がない場合、毎回、3億が2本当選する程度の売り上げがある。(もし繰越金がなければ売り上げも減りそうだが)

トト・ビッグが15億円売れているという意味だが、1口300円なので、たった約500万口しか売れていないことになる。トト・ビッグの当選確率480万分の1を少しだけ上回る程度しか売れていない。だから、1等が1本も出なくても仕方がない売り上げではある。(しかし同じ数字が売られることがあるので、この売り上げでも偶然2~3本当たりが出ることもある)

毎回15億ではなく、たまに20億くらい売れることもあるが、もう繰越金が莫大になって長いので、今さら射幸心を煽り、繰越金狙いで大きく売り上げることはなくなっている。(かつて繰越金狙いで人気が過熱しトト・ビッグの売り上げが61億4000万円に達したことがある。この時、1等の5億6313万2913円が7口当選している。480万分の1を照らし合わせると4口当選する計算になるが、偶然同じ当選の数字が重なったと思われる。)

例えば15億毎回売れることを考えると1等部分のプールした資金毎回6億が積み重なって68億まで至っているのである。これは確率的に当たりにくいと言わざるを得ない。その理由は前回のエントリと上に書いたような鏡面の数字が当たりにくいことが影響している。

つまり、トト・ビッグの結果は真ん中に板を立てると、左側(1が多い世界)ばかり出ており、右側(2が多い世界)があまり出ていないのである。その右側のロスの部分が積み重なり68億円を形成している。(コンピュータが選ぶクジの数字は長期的にはきれいな左右対称の正規分布になっているが、結果は歪みがあり正規分布していないことを言っている。この2者の乖離のため、たぶん480万分の1の高い当選確率にならない。)

だからトト・ビッグの1等当選確率は480万分の1で他の宝くじより1等が当たり易いと言う宣伝は欺瞞である。

もし本当に当たり易いなら、あれほど繰越金が溜まり、毎回のように6億円が出るわけがなかろう。


また1人の読者の方が重大なことを指摘している。それは試合不成立の扱いである。1試合でも中止になるとその試合は全員的中になるので、間違いなく繰越金がかなり吐き出されるであろう。

1試合不成立でも、1等の当たる確率が160万分の1になるからである。(今の2等と同じ確率ではない)

500万口程度の売り上げでは、それでもせいぜい3口前後出る程度と思われる。今の繰越金は10回分以上溜まっているので、1試合中止程度ではなかなか減らない。

しかし・・今のルールでは、トト・ビックは試合中止は4試合まで許されているのである。

各くじは、以下の指定試合数開催されると、成立します。それぞれの指定試合の開催数が満たなかった場合、くじは不成立となります。

BIG(ビッグ):指定試合14試合中10試合以上

もし台風などの天災で、ちょうど4試合中止になった場合、1等の当選確率は一気に81倍になる。これは大変な事態と言える。なぜなら、膨大な繰越金がこんな奇妙な形で一掃されるからである。

500万口売れている場合(売り上げ15億)、おそらく30口からひょっとしたら、200口くらい当選者が出る計算なので、

30口   1等   約2億円
200口  1等  約3000万円


大変な大盤振る舞いが起こりうる。まさに期待値1どころか、期待値10という事態になるのであった。

これははっきり言って、いつもは買っているのにその回だけ買わなかった人から苦情が出るであろう。そういう不可抗力の理由で繰越金を吐き出してほしくないというか・・(このようなことが起こりうることそのものが宝クジとしての公平さを欠く。全てのトト・ビッグ購入者が毎回参加しているわけではないから。)

まとめ
①トト・ビッグが当たる確率が高いというのは欺瞞。
②買った時点で、個々のクジには確率面で不公平がある。
③試合中止が生じうる台風シーズンなどは狙い目と言える。(ペイアウト率が10倍までなりうるため)


僕はトト・ビックは今まで買った事がないのでした。(笑)


参考
鏡像異性体