トト・ビッグ6億円の謎 | kyupinの日記 気が向けば更新

トト・ビッグ6億円の謎

サッカーのトト・ビッグは繰越金が膨大な額になっている。現在、繰り越しプールされたお金はなんと68億円以上あるのである。

68億円は1回のトト・ビッグの総売り上げ(15億円前後)を遥かに超えている。あれほど外れクジばかり売り続け、なお社会問題にならないのは不思議なことだ。

トト・ビッグが極めて当たりにくいことは、サッカーをいつも観ている人ならすぐにわかるからである。

サッカーは一般的にホームが強く、これは世界的にも共通している。だから、サッカーの結果は、

ホーム勝利:引き分け:アウェー勝利

が1:1:1の比にはならない。長い目で見るとホーム勝利の確率が高くなる。実際、ホームでは10数試合以上負けていないというチームが毎年のように出る。

また最近の傾向として、勝ち点が3、引き分け1と差が大きく、引き分けは敗北に等しいため、積極的に勝負に出て勝敗がつきやすいこともあると思う。現代の特にJリーグでは引き分けになりにくいのである。

ところが、トト・ビッグはおそらく1:1:1の比率でコンピュータによりアトランダムにマークされていると思うので、生じにくい「場合の数」、つまり相対的にハズレくじばかり売っていることになる。

トト・ビッグは14試合分の予想をコンピュータでするため、3×14乗で4,782,969通りの結果予想が出現する。(僕は引き分けがどのように扱われているのかは詳しくないが、単純に1/3ずつに考えられているような気がする)

例えば、コンピュータなのでほとんどホーム勝利ばかりをマークしているクジが出現するが、確率的にはこのようなクジの数は少ない。問題なのは、アウェー勝利ばかりマークしているクジも少ないなりに確率的には同数だけ存在することだ。どちらが当たりやすいかは自明である。このアウェーばかりマークしたハズレが確定しているようなクジこそ、繰越金の源泉の大きな部分である。

1人の人が何枚か買えば、当たりやすいトトと当たりにくいトトが同数になるから関係ないと思う人もいるかもしれない。しかしこの反論は適切でない。

本来、確率的に当たりにくいトトが半数存在しているために繰越金が膨大になるからである。元々、結果に偏りがあるものを、アトランダムに印刷し、売っているのは個々の購入者の公平を欠くものだと思う。だいたい、繰越金があれだけあり、なおそこそこの売り上げがあるのに、1等当選者ゼロが多すぎる。

当選確率が平等ではないことは、ひょっとしたら憲法か宝くじの法律?にも違反しているような気がする。

毎回数枚買えば、長い目で平等になると言うのは言い訳にならない。とりあえず、1枚だけ買うという視点で議論すべきことと思う。

実は、引き分け確率が本当に3分の1生じるかは僕は自信がない。

これは世界と日本のサッカー結果を調査して、実際にそうなのか検証すべきだ。注意して観ていると引き分けがほとんど出ない週や、アウェーチームがほとんど勝たない週が存在する(結果的にほとんどの試合が1)。しかし、ほとんどアウェーが勝つような週は前者に比べずっと稀である。(←当たり前)。

実は、この引き分けの確率はサッカー文化にも影響しており、イタリアでは露骨な引き分け狙いのゲーム展開も時々見る。日本はそこまでの勝ち点1への執着はないため、イタリアよりは引き分けが少ないということもあるかもしれない。

こういう考察から、今のままトト・ビッグを続けた場合、繰越金が徐々に増えやがて100億を超える事態も予想される。

なぜなら、ハズレくじばかり売っているからである。

なんだかんだ言って、Jリーグは上位から下位まで戦力差が少ない。これは世界的にも面白いリーグだと思う。毎年、どこが優勝するかわからないからである。また、降格するような下位のチームも全く弱くはなく、1位~3位のチームに勝つことも稀ではない。

戦力が平均していると、ホーム&アウェーの影響が色濃く出る。だからこそだが、クジの半数は当選確率が最初から低くなっているのである。

トト・ビッグは繰越金が膨大なため、当選すれば6億円が確定的である。いったい、不景気のご時世に6億円なる当選金は適切なものかね?と思う。

宝くじの当選金には税金がかからないので、6億円の当選金は実質的に12億円程度の価値がある。

当初、国は予想はしていなかったと思うが、やはりトト・ビッグは救世主といわざるを得ない。従来のトトはあまりのしょぼさから売り上げが伸びず、尻つぼみになり、やがて運営上の赤字のために中止される可能性もあったからである。

この6億円と言う額はあまりにも大きすぎるため、1等当選率を上げる工夫をし、更に当選金額を2~3億円くらいに下げ、当選人数を増やす方が良心的と思う。6億円は日本的には大きすぎる。

もし、トトの最高額が3億円に下げられたなら、本当に売り上げが減るものだろうか?と思う。3億も6億もとてつもなく大きな額には変わりがない。

トト・ビッグは、あたかもマルチ商法に引っかかっているような奇妙な宝くじなのである。なぜなら買う人を騙しているからである。

これを国が主催しているのが信じられない。

僕は、コンピュータのマークの仕方をもう少しサッカーの結果の実勢に合わせるべきだと思う。例えばホームの勝利確率が0.55なら、そういう確率でホーム勝利のマークを出現させるわけである。また引き分けの確率が3分の1もないなら、それなりに引き分けマークの確率を下げるべきである。

そうすれば、もう少し当選者が増えて、不正の印象が減るだろうと思う。

参考
ホーム&アウェー
オーストラリアの人口
オーストラリア移住は