デパスやソラナックスをお菓子のように・・ | kyupinの日記 気が向けば更新

デパスやソラナックスをお菓子のように・・

デパスやソラナックスをお菓子のようにポリポリと食べるように飲んでいる人。

このような人はデパス、ソラナックスを好むことが多い。それ以外の抗不安薬はあまり選ばれないような気がする。ワイパックス、レキソタンは時々選択されるが、メイラックス、セパゾン、セルシンの人はあまりいない。とにかく、わりあい処方されやすく、半減期が比較的短いものが選ばれているようなのである。

なお、ローリング・ストーンズのMother's Little Helperではセルシン(アメリカの商品名はValium)の濫用が歌われているので、この薬もかつてはスナック風に使用されたのであろう。当時は抗不安薬の種類が少なかったこともある。

セルシンは今はさほど処方されない(注射剤は別)。セルシンは、お菓子風に服用するには半減期が長すぎると思う。

このような半減期の短い抗不安薬は次第に効き辛くなるので、徐々に増える傾向はある。またお菓子風になる理由として、これらが離脱症状を持つことも見逃せない。

個人的には、デパス、ソラナックスはあまり処方しないようにしているので、精神科医の中ではたぶん処方しないタイプに入ると思う。これらの処方はあるのはあるが、安易に処方しないといったところ。ワイパックスは必要と思える人には処方するが、これもそう多くはない。この3つの薬は便利ではあると思っている。(参考

スナック風に飲む人々の中で、リストカットや大量服薬のある人はその病状の成り立ちにこれらの抗不安薬が一枚噛んでいる。だから、これらの抗不安薬を可能なら一掃することが望ましい。

不思議なことに、家ではスナック状態だったのに、入院してほんの2~3日すると全くスナック状態にならなくなる人をよく診る。というより、ほとんどの人がそのように変化する。(本人に渡しているのに・・)

これは色々な考え方があるが、

精神病院の魔力
② 治療を開始することで、そのような不安発作が消失する。


の2つが大きいと思われる。①はオカルト的だが、つまりは平穏な空間がそういう風にしているのである。

普通、抗不安薬漬け状態は、精神科医は抗うつ剤か気分安定化薬で治療をしようとするため、特に即効性のある抗うつ剤、例えばアナフラニールの点滴などで急速にスナックが不必要になるのかもしれない。それ以上、即効性のある薬物はあまりないからである。

個人的に、これらベンゾジアゼピンの嗜癖状態とも言える状況に、更にSSRIを処方するのは事態を複雑化すると思う。なぜなら、そういうタイプの人はSSRIで更に衝動性を増し、大量服薬やリストカットの迷宮に入り込みかねないからである(参考)。